キマグレ⑭!
不敵に笑って、そう言いはなつワタシに勇者は怪訝そうな目を向ける。
「どういう意味だ?」
「そのままの意味だよ?さぁ、始めようか。」
アヤナを見やると、ニコリと微笑んで視線を返してくれた。
その笑顔には影がある、いや背後にどす黒い何かがある!・・・・あぁ、魔王第二号(?)。
笑顔が引き攣るんですけど?
「いいよ?けど、殺しちゃダメ。それじゃ、はじめるよ。」
スッと手を動かしたと思えば辺りに結界が張られる、被害を抑えるためだろうな。
視線を、勇者に戻す。
「そちらからどうぞ?」
そう言うと、勇者は腰の剣を抜いた。
「手加減は出来いないぞ?」
「されるほど弱くはないさ。」
フッと笑っておおげさに方をすくめて見せると、わかりやすく眉をしかめる勇者。
ワタシも一応武器を出しておこう、まぁワタシの場合は刀だけど。
昔剣道をかじっていたし、この方が力もあまり使わずに切れるからいい。
「おいで?」
刀を構えて言うと、彼は切りかかってくる。
それを二度三度刀で受け流し(腕力ないからうけとめられない。)、体勢を崩したところを剣の柄で肩辺りに打撃を加えるがあまり効果は無いように見える。
すぐに体勢を整えると、彼は剣を地面に突き立てて何かを呟いた。
すると地面が裂け、その合間から業火が噴出し竜の姿をかたどる。
さすが勇者現人王、やることが違うねスケールでかい・・・
「行け。」
勇者が言うと同時に炎がこちらに向かう、だけどまぁこの程度なら何とかできないわけでもない。
刀に冷気を纏わせ、横に薙ぐ。
竜はそこから崩れ消えた。
当然勇者の攻撃は止まないが性格が災いしているのか、どの攻撃も直球。
ど真ん中で、単調、単純すぎて笑える。
けれどまぁ、強いことには変わりないが相手が悪いね。
(これじゃぁ、魔王には勝てないね。残念。)
もうそろそろ決着をつけようか・・・・
そう思い、勇者の目の前に一瞬で出た。
「!」
「残念だね、勇者・・・・キミの負けだ。」
多分今勇者はワタシの動きが殆んど見えていなかっただろう、だって本気で驚いていたからね。
刀で腹部を貫かれてからだろう、気づいたのは。
「うっわ・・・すごく痛そうだね、勇者。」
これで痛くなかったら人間じゃねぇよ・・・冷静な自分につっこまれた。
だって思いのほかスッパリいっちゃったからね、貫通したよ。
って、いうか止めないのかアヤナ。
戦闘終わるの早!!描写に関してはノーコメントですよ・・・
そして武器は刀!大好きですよ大鎌の次に好きです。
二刀か一刀かで迷いけっきょく一刀という・・・そして勇者が弱いわけではない、ヤミイロが強いんです。というか魔王パーティが強いだけ・・・