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「・・・・・・一人?」
そう、勇者は一人でそこにいた。
「人間の王は随分と頭の螺子が緩んでいるんだね。」
ククッと、低く魔王が笑った。
随分な言い様だな・・・・・いやちょっと待て、今何か重要な語句があった気がするぞ。
「王?」
聞き返すと、愉快そうにその端正な顔を歪ませている魔王と目が合う。
「そう、アレが人王ね。まだ随分と若いけど、しっかり政はやっているらしいよ?勇者の役は自分から名乗り出たんだって。かわってるよね、僕なら王族じゃなきゃこんなくだらないゲームでないのに。」
若干皮肉気味に言い放つ魔王。
ところで、いつゲームとやらは始まるのかな?
「まだ、神の使いとやらは来んのか?」
騎士団長がポツリと言った。
気になるので聞いてみようか。
「何だい?それは・・・」
「それも知らないんだ?」
おい、今ワタシは騎士団長と話しているのだけど?何故魔王が返答する。
「騎士だ「ゲームの進行係みたいなものだよ、ヤミイロ。」
今度はリシェラが答えた、しかも言葉を遮って。
え、何故君たち兄弟はワタシと彼を喋らせないのかな?嫌がらせ?
「そ、そうか。ありがとうリシェラ嬢。」
今彼に嬢をつけて呼ぶかどうか迷ったがとりあえずはつけておいた、そして一応礼は言っておく。
騎士団長を見ると、可哀相なものを見るような目でワタシを見ていた。
え、何故?
「とりあえず、頑張れよ・・・」
騎士団長は苦笑しながら、ワタシの肩にポンッと手を置いた。
すぐに離れたが。
勇者馬鹿そうで実は王様でしたー。