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あぁああ、やぁめぇろぉお・・・・変な声が出そうになるのをぎりぎりで押さえ込んだ。
ふと魔王が、顔を上げて耳元に唇を近付ける。
「ねぇ?シャノン?」
かなり甘さを含んだ低音の美声で、囁かれた。
「名前、呼んで?」
誰の・・・当然魔王のだろう。
でもどうしてだろう物凄く今この状況では呼んじゃいけない気がするのだけど・・・
「シャノン?」
「ひゃっ・・・!」
色々考えていたら、耳を甘噛みされた。
頑張って押さえていたのにもかかわらずやはり変な声が出てしまう。
というか今のは呼ばなかったからか?!
いつまでも呼ばないのがいけないのか、魔王はワタシの耳を弄り始めた・・・口に含んだり、舐めたりして。
ううぅ、どうしようヤバイィ・・・・もう勘弁本当に。
「ッ・・・リ、オ。」
呼んじゃった、負け(?)を認めちゃったよ。
って、言うかなに今の声!微妙に変に甘さを含む声だったよ!?
魔王はピクリと反応して、顔を上げてワタシを感情の読み取れない表情で見下ろす。
「リオ・・・?」
無表情が無駄に恐ろしいよ?
ふとその瞳が揺らいだと思ったら、次の瞬間には口付けられていた。
やはりすぐには頭が追いつかなかい、もう三度目だというのに我が事ながら間抜けだ。
そう、三度目。
けれど今回はどこか違う、なんというか・・・噛み付くような、とでもいうべきか。
彼の舌がワタシの唇をなぞったと思えば、ソレはそのまま唇を割って押し入ってきた。
「んっ・・・!」
押し返そうとするが、逆に絡め取られる。
上あごを優しく撫でられ、舌を吸われ、ゾクゾクと変な感じがする。
角度を変るために少し離れては、またすぐに口付ける。
名残惜しげに魔王がワタシから離れやっと開放された。
酸欠か、それともその行為に酔ったのか、前者であってほしいとは思うがワタシの頭は霞がかかったようだ。
なにも、考えられない・・・・
ぼうと魔王を見ていると、視線の先で彼は薄く笑った。
「・・・・・・」
「え?」
聞き取れなかったが、彼は確かに何かを言った。