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「駄目だね、シャノン?」
そう言って、ワタシの首筋に顔を埋めて舌を這わした。
ゾワリ。と、悪寒が走る。
吹っ飛ばしてやりたいところだけど今は魔法が使えない、試してみたが何も出来なかった。
あぁ、今魔法の便利さを本当に実感しました。
「すまなかった。謝るから今すぐ離してくれないか?」
一応謝りはしたが、一体どこからがワタシの非なんだ?よくわからないワタシは愚かなのか?そのような事はないと思うのだけど・・・・アレ?
「ねぇ?魔王。ワタシ何か悪い事したっけ?」
「嘘ついたでしょ?」
「ワタシにも事情が「どんな?ないでしょ、そんなの。」
おいいいいぃ!!今断言しやがったこの魔王!おかしいだろ説明もさせてくんないの?!決め付けはいけないだろ、決め付けは!!!
「じゃぁ何?一応聞いてあげる。」
「隠していた方が面白そうだろ?」
そう答えるワタシもワタシだけどね・・・耳元で喋るのやめてくれないかな吐息がかかってる!
「そんなの事情に入らないよ。」
いやキミワタシの立場なら間違いなく同じ考えだったよね。
あ、魔王ならこんな状況には陥らないか・・・・
「フフッ、ワタシにとってはとても大事な事だよ?」
この際笑顔が引き攣っているのはご愛嬌。
負けるなワタシ!
「どうでもいいけどね。」
弁解の余地もなしですか・・・
至極どうでもいように、魔王は言う。
と、いうか一切抵抗できないのが悔しい。
男女の力の差か、もしくは彼が吸血鬼なせいなのか、どちらか定かではないが押え付けられた肩はピクリとも動かせないでいた。
片腕は自由(顎を掴まれているから左肩は無事)なので魔王にせめてもの抵抗で彼を押し返そうとしたら、苛立たしげに舌打ちし邪魔だとでも言うようにワタシの腕を上で一つにまとめられた。
今度はどちらの腕も使えない・・・・アレ?状況悪化してない?
「あ、の・・・?何するのかな、血を吸うの?」
「こんな体勢で?そんなわけないでしょ。」
魔王は一人称僕だけど俺様です(--;)