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 彼はわずかに目を見開き、頷いた。

 顔に似合わず正直そうだね、ていうか精神年齢低そう。

 若干失礼な事を考えつつ、勇者を見やる。

 「少年って呼ばれるほど子供じゃねぇ!それとアンタは誰だ、胡散臭そうな奴だな!」

 「ワタシかい?ワタシはヤミイロと呼ばれているよ?」

 胡散臭そうって・・・まぁこの格好じゃ仕方ないけど、城の関係者でもないのにうろついていたキミの方がよっぽど胡散臭いと思うよ。

 て、いうかムキになって言い返してきたよこの勇者。

 やっぱり子供っぽいね、少年と呼ぶこと決定。

 浮かしていた体を地につかし、自分よりも高い身長の勇者を見上げた。

 碧く澄んだ瞳と合う。

 「キミは、こんな場所で一体何をしていたのかな?」

 動揺するかと思ったが、勇者は真っ直ぐな視線のまま答えを返した。

 「魔王がどんな奴なのか見に来た。」

 ・・・・・・・・・・あ、そうなの。

 見に来ただけですかそうですか、ここまで来た事に感心をしていたのに一気に呆れにいっちゃったよ。

 あれだよ、きっと弱点探りに来たとかどれくらい強いのかとか・・・を、見に、来た、ん、だよ・・・・

 「お前、今回のゲームがどういうものか知っているか?」

 全く。

 「まぁ、いい。異世界からの訪問者を、もう魔王が認知しているかどうか聞きに来たというのもある。」

 ドキリ・・・と、ワタシの心臓が鳴った。

 動揺を悟られてはいないだろうか・・・・。

 チラリと勇者を見やるが、そのような気配はない。

 「そうか・・・・ワタシが案内してあげようか?」

 そう提案すると、怪訝そうに眉を寄せた。

 「もういい。胡散臭い奴について行きたくはないし、もう逃げ続けるのも限界らしいから帰る。」

 懸命な判断だね、どうやら頭は悪くはないらしい。

 問題なのは性格だね。

 「そうかい、気をつけて行きなよ?またね、少年勇者君。」

 勇者が出て行こうとした時ひらひらと手を振り見送る、最後まで『少年じゃねぇ!!』なんて叫んでいた。

 また騒がしくなるが、すぐに勇者と同じ方向に音が消えていく。

 おそらく、捕まる事はないだろうと思う。

 一応勇者だし、ちょっとしたお呪いをかけておいたからね。

 ほっと息をついた。

 すぐ傍の人物にも気付かずに。



 「気に入った?」



 綺麗な低音が、耳元で囁かれた。


勇者がやっと登場!!精神年齢低い設定だけど!


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