キマグレ⑦!
すみません、確かめてみたらもう⑤⑥はもう終わってました。
「いいニオイがするね、ヤミイロ?」
「そうかい?香水とかはつけていないけど?」
「違うよ。血のニオイがするって意味だよ?ヤミイロ。」
一瞬、思考が停止した。
何故、わかった?
表情とかは見られていないはずだから、動揺が悟られることは無いだろう・・・
「リシェラだね?」
「・・・・よくわかったね?魔王。」
魔王も吸血鬼であることを、すっかり忘れていた・・・・
「僕、人間の血はあまり好きではないけど・・・ヤミイロの血は好きになれるかもね?」
お気に召さなくて結構だよ。
何で凡人であるワタシの血がこうも気に入られるんだ・・・イヤ、まだ魔王は気に入るかどうかわからないじゃないか。
リシェラ嬢は事情があったからともかく、魔王とは何も無いから血を吸われるのは御免だね。
「他の人間と大して変わらないよ?」
「飲んでみないとわからないよ。」
「!?」
純粋に驚いた・・・
瞬き一つの間に、魔王がワタシの後ろにいたから・・・
抱き込まれたかと思ったら腕を捕まれ、リシェラ嬢に噛まれたところを舐められた。
「ッ・・・!」
ピクッ と、ワタシの体がゆれた。
声がでそうになるのを、必死に抑える・・・
そんなワタシの様子に気が付いたのか、魔王がクスクスと笑った。
「どうしたの?」
「なんでもない、とりあえず離れてくれないかな?」
そう言っても、離れる気配が全くない。
というかむしろ腕に力が入ったね・・・・ワタシと魔王は結構な身長差があるから、ワタシの頭は魔王の胸のあたり。
今ワタシは魔王の腕の中にスッポリ納まっている・・・抜け出そうにも抜け出せない。