キマグレ⑥!
「リシェラ嬢、気配を消して後ろに立つのはやめてもらえるかな?」
心臓に悪い。
というか・・・
「リシェラ嬢は、メイドじゃないよね?」
「僕はリオ様の側近ですよ?」
女装趣味にコスプレ趣味?違うよね、敵を欺くためだよね?
再び問おうと振り返ろうとしたら、後ろから抱きつかれた。
「ヤミイロ様って、隙だらけですよね。・・・・・そんなんだから、唇奪われるんだよ。」
焦った・・・口調が変わったのもあるが、それ以上に見られていたことに。
「見ていたのか、趣味が悪いよ?」
顔、見られたかな?・・・
「僕ね?ヤミイロに用があったから来たんだよ。」
急に話をかえたね。
何かな?用って・・・・イヤな予感しかしないのはワタシの気のせいかな?
「そんなに警戒しないでよ。・・・・少し血を貰うだけだから。」
イヤな予感的中じゃないか!
え、なに今日厄日?
「昨日言ったでしょ?タダで黙っていてあげるほど甘くないって。」
うん言っていたよ?でもね?なんで今なのかな?
「顔、見られたくないんだよね?後ろから貰うから、安心して?」
あ、見られてないのか、よかった・・・・・というか、後ろからって怖さ倍増なのだけど?
「ワタシはどうすればいいのかな?」
「何もせず、じっとしていて下さい?首筋から貰いますからね?」
・・・・怖いね、この状況。
フードを、下ろされた。
「ふぅん、キレイな黒髪だね。」
ワタシの髪を見て、リシェラ嬢が言った。
さっきから口調コロコロ変わっているね、キミ。
次に、器用にもシャツのボタンを外しはじめた。
ねぇ、妙に手馴れている気がするのは気のせいかい・・・?