キマグレプロローグ!
これは、魔王にも聞いたこと・・・
「キミは・・・何のために、戦うのかな?」
ワタシはボロボロの少年を見下ろしながら聞いた。
「護る・・・ため、だ・・・」
少年は顔を上げ、ワタシを睨みながら言う・・・その真っ直ぐな目を見て、ワタシの好奇心がうずいた。
笑みを深くし、少年に言う。
「気に入ったよ、少年。」
クルリと反転し、仲間でもないのに今まで一緒にいた人達に言った。
「ワタシは勇者側につくよ・・・・こちらの方が、退屈せずにすみそうだからね?」
おどけるように言えば当然、抗議は言われる・・・頭の堅そうな眼鏡に。
「なっ・・・・貴様、裏切る気か!」
その言葉にワタシはクスリと冷笑する。
「裏切るもなにも、ワタシは貴方たちとお仲間になった覚えはないよ?」
挑発的なワタシの物言いに、あちら側のボスである魔王ことリオは愉快そうに笑った。
「いいよ?別に、僕はかまわないから。」
「さすがリオ。キミはわかっているね。」
クスクスと笑いながら、からかうように賞賛する。
「でもね?嗄音・・・」
声が間近で聞こえ、振り返る。
驚いた・・・いつのまにか、リオがすぐ前まで来ていた。
「敵側に行くのなら、僕は君を奪うから・・・・覚悟しておいて、ね・・・・・?」
いつもはしないような妖笑で、ワタシに言った・・・
「いっておいで?嗄音・・・・今日は見逃してあげるから。」
背を押され、彼のもとへ走りよりしゃがむ。
「おーい、少年いきているかい?」
彼は今にも死にそうな怪我を負っている・・・ので、確認してあげた。
ワタシって優しいだろう?
「・・・・・・テメェがこんな怪我負わせたんだろが・・・」
うん、そうだったね。
「はいはい大丈夫だよ、今治してあげるから・・・」
そう言い、ワタシは手を彼に向ける・・・白い光が彼を包み、怪我は全て治った。
「治療完了!君達の拠点はどこかな?少年、イメージしてくれればいけるよ?」
少年こと勇者に言う。
「お前は・・・・こちら側につくのか?」
「随分とマセたしゃべり方するのだね、少年勇者君?」
「はぐらかすな。質問に答えろ、ヤミイロ。」
睨んでくる少年にワタシはわざとらしく肩を竦め、答える。
「はぐらかしている気は無いのだが・・・・大丈夫、ワタシはもともとあちら側についていたわけではないからね・・・面白そうな方につくつもりだったからいいのだよ。」
フードでみえないかもしれないが、一応困ったような表情を作っておいた。
「信用、出来るのか?」
あらかさまに疑ってくる少年に、ゆっくりと言った。
「あなた方が裏切らないかぎりは・・・・ね。」
少年はフッと笑い、差し伸べたワタシの手をとった。
少年を立ち上がらせ、魔王組の方を振り返る・・・・
フードは外さずに、ニッコリと笑った。
「ワタシの名は、悲月嗄音・・・勇者側につくよ。」
他サイトで連載してるこの小説・・・・
なんとなくはじめてみた!!