高校生から大学生だったころ
自分で好きなタイミングで好きなマンガを買うようになったのは、高校生ぐらいだったろうか。
実家がど田舎だったもので、本屋が近くになく、隣の街まで親の買い物に付いていったついででしか行く機会がなかった。
高校生になると、学校区の関係で、高校のある少しだけにぎやかな街まで電車で通学するようになった。
好んで買っていたのは、「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」の3冊はマストで、他にヤングジャンプ、ビックコミックスピリッツ、コミックトム、さらに何冊か1週間ほぼ毎日何かの漫画雑誌を買っていたものだ。
まぁ、マンガ購読が趣味となってしまったわけである。
当時はたしか、ジャンプが110円~120円で、マガジンとサンデーが10円高かった記憶がある。
他は覚えていないが、マストの3冊は毎年10円値上がっていた気がする。
それでも特にジャンプはすごかった。
マガジンとサンデーも読んでいたはずなのに、何が連載していたかほぼ記憶していないが、ジャンプは黄金期のなり始めから最高販売の時期で、ほとんどの連載がアニメ化されており、今でも当時のマンガを思い出すことができる。
なので、値上がり位では全然くじけなかったのである。
もっとも、自分で稼いでいるわけでなく、少ないながらも小遣いを毎月もらっているのだから、計画的に買っているわけで、無茶をするといつかは破綻してしまうので、何を買うかは選んでいた。
当時はまだ「オタク」という文化はなかったはずだが、高校生のころから「アニメージュ」や「アニパロコミックス」も買っており、今でいう「オタク」に半分ほど足を突っ込んでいた。
他の雑誌はしばらくしたら処分していたが、ジャンプだけはなぜかとってあった。
やはり、好きな連載がたくさん載っていたからだろう。
毎年50冊発売されており、それが3年分あると、全部で150冊になる。
5冊の山で並べると、実に畳1畳ほどを占領していた。
親もあきれ果てていたに違いない。
自分でもなぜかわからなかったが、それでも数年前とはいえ、当時のジャンプをコミックスではなく雑誌で読むのはとても面白かったものである。
高校を卒業して、大学生になると1人暮らしを始めることになった。
1人暮らしを始めると、さすがにジャンプ全部を持っていくこと能わず、実家に放置するしかなく、いつしか倉庫に行く羽目になり、今となってはどこに行ってしまったかわからなくなってしまった。
もし、今残っていたら、きっとその中の何冊かはお宝だったに違いない。
高校を卒業して大学生になってもまだその趣味は残っていた。
親からの仕送りで生活するようになると、食費を削って趣味に没頭するようになる。
といっても無茶をする質ではないので、十分自制してのことだが。
当時オンエアーしていたほとんどすべてのアニメを視聴し、週に一度はアニメイトに通い、TSUTAYAではOVAを借りて見まくる生活が多くなった。
本屋も通った。
当時は電子書籍なんてものはないので、表紙やタイトル、作家の気に入った小説を、財布の許す限り買いまくった。
だいぶ紛失したが、まだ当時購入したものは手元に残ってたりする。
物持ちはいい方なのだ。
さすがに秋葉原には少々距離があったので、めったに行くことはなかった。
当時はまだ「オタク文化」が花開くずーっと前だったので幸いしたが、その頃の自分がかち合っていたら、きっと何かしらの影響を受けていたかと思うと、それはそれで楽しかったかもしれないと思ったりもする。
自分でも不思議なのだが、今でもマンガやアニメは大好きだが、当時ほどの没頭感が全くないのである。
就職もして、給料をもらうようになったら、好きなことに好きなように使えるはずなのに、触手が動かないのである。
当時ほど面白いマンガやアニメがないわけではないと思うのだが、大学卒業とともに何かしらのスイッチだかチャンネルだかが変わってしまったようで。
それでも昔読んでいたマンガや見ていたアニメは、電子書籍やユーチューブで無料購読や無料視聴があると面白いと思ってしまう。
これが「大人」になることなのか、「世の中とのずれ」なのかわからないが、そういうものかと受け入れるしかないのかもしれない。
こんな感覚を持つ人他にもいるのだろうか。
高校生、大学生の頃の短い期間に起きた、ちょっとしたことを思い出して書いてみました。