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ゴルーナ丘の戦い(激突)


ノアたち空飛ぶ箒組を一旦退け、空からの攻勢を取り除いたシラヤ子爵率いる王国軍は、キヨウラ公国軍本陣めがけて突進を開始した。


狙うは公国の総大将にして君主・イジャル公王!

奴の首さえ取れば全ては解決し、勝利を手にすることができるのだ。


「いけ! いけ! いけ! 突進しろ」


砂煙をあげながら丘を駆け下り、平原を疾走する一軍の影。

彼らはキヨウラ公国軍本陣・目の鼻の先にまで迫ってきていたのだ。



王国軍は意気軒高で士気は高い、まさに公国軍本陣に突入せんとする。

だが、シラヤ子爵は敵・公国軍の態勢・・・・・そう、整然として待ち構える敵兵たちの姿を見て苦々しく眉をひそめた。


" ちっ!! 敵は迎撃体制を整えている。不意を撃つことができない! "


シラヤ子爵の心に落胆の色が広がる!

だが、もはやここまで来たのだ。突入し・・雌雄を決するしかない。


「よし! 敵の中央を突破するのだ。突撃! 狙うは大将の首ただ一つ」・・と子爵が叫んだ瞬間、なんと予想外!

敵のキヨウラ公国軍も一斉に・・こちらへと突っ込んできたのだ。


しかも、その突進してくる兵士たちの先頭に立つは、小柄だが威圧感のある黒い鎧をまとった男。

その戦意に満ちた姿は、周囲に強烈なオーラを放つ!

そう、この人物こそ、公王イジャル! 自ら・・突撃を開始したのだ。



-*- - - - - - *-


かくして、両軍は互いに突進しあい! 互いに激突!

場の空気は一瞬にしてかわり・・叫びと怒号が鳴り響く。

戦いの幕が上がったのだ。


「「おっおっおおおお」」

「「死を恐れぬな! 突っ込め! 突っ込め! 突撃」」



魔弾と矢が降り注ぐ中、両軍の槍隊が接敵! 

槍がねじきれんばかりに突きと叩きを連打、激しく撃ちこむのだが、その側面へと抜刀隊が斬り込んでくる。



初戦からいきなりの乱戦となり、互いの兵士たちが入り乱れる。


「うっおおおっぉお」「ぐうぁぁぁぁああ」


そんな中、黒き剣を手にする黒き剣士・公王イジャル

公国軍の先頭を駆け抜け、戦場を疾走し、王国軍のど真ん中へと・・突き進む

一番槍ならぬ一番剣を振るい、彼の武勇は敵、味方を魅了し恐れさせる。


「我が名はイジャル! 大義をなす者」


黒き戦士・公王イジャルの一刀両断、三日月殺法が炸裂する。

剣にまとう波動パワーが王国兵たちを吹き飛ばし、戦場にその名を轟かせる。

彼の動きはまるで嵐の如く、疾風の如く、まさに一騎当千、公王ここにあり!


-- -- -- -- -- --


王国軍司令官シラヤ子爵は、敵の大将、つまり公王と名乗る黒き戦士を目撃した。

奴は小柄ながら、侮りがたし気迫! まさに勇者と言うべきか・・


だが・・奴は間違っている!

司令官が・・いや! それは人の事は言えないものの・・・敵とはいえ、公国の王が前線に立つとは、なんと愚かな!

我らのターゲット、抹殺対象が目前に出張ってくるなど・・鴨がネギを背負って来るようなもの・・・よっぼど鍋になりたいというのだな!


「全魔導師隊! そのイジャルと名乗る者に一斉射撃をせよ」


シラヤ子爵の命令が声高に下されるやいなや・・その指示通り全ての魔導師たちが一斉に呪文を唱え始めた。

ターゲットは黒き戦士! 圧倒的火力で敵を消滅させるのだ!


そう! 敵の公王さえ葬ってしまえば・・我らの勝ちとなる!



子爵の心臓は激しく鼓動し、手の平にはじわりと汗がにじみ出た。

敵とはいえ、あのような勇者を討ち取れるのだ! まさに武人の誉れ・・ 興奮が体中を駆け巡る


この一斉射撃によって決定させる! 戦いの勝敗を決めるのだ! 

そうだ、いけ! 我らの勝利に向かって・・・



ズッドドドトッドドド


戦場に轟く破裂音、爆音・・そして悲鳴、怒号がこだました!

だが、子爵はいぶしがる!  


敵ターゲットの・・・黒き戦士イジャルが存在する前方からではなく、後方から聞こえているのだ!

そう、魔導師隊のいる方角から・・


「ま、まさか!」


子爵は振り向き・・そして目を疑う、だが事実!

空飛ぶ箒が舞い降りてきたのだ! 



-*- - - - - - *-




ここで再び・・・急速離脱していたノアたち空飛ぶ箒組が全速力で戻ってきた!

ソニックブームもどきの旋風を周囲に巻き起こし、地上すれすれの超低空飛行・・まるで浮上式リニアの如く駆け抜ける。


ズッドドドドォォォォ


草木を吹き飛ばし、砂煙をあげ、圧倒的恐怖を撒き散らしながら、王国軍後方から突入!



箒の操作、操縦は・・もちろんシルンちゃんというよりもオートパイロット(自動操縦)

地面すれすれという危険な操縦を、もはや人間技(チビドラゴン)ではこなせず・・・箒搭載のAIによってなされているのだ。


しかも、ノアたち箒組は電磁シールドに守られながら・・・敵兵たちを粉砕、撃破、轢き潰しながら駆け抜ける(残酷!)

それはあたかも古代で活躍した戦像のごとく・・・ただしその走り抜ける速度は尋常にあらず。


猪突猛進! 直往邁進! 立ちふさがる全ての物体を排除するのだ。


もちろん、そんなノアたちに対して王国兵たちは、何らかの反撃を試みるが、全て電磁シールドによって防がれてしまう!

魔弾、弓、剣、槍、または丸太・・全て無効!

ほぼ無敵状態と言っても良いであろう( ただし、シールド展開時間は一分程度 )



-*- - - - - - *-


地上すれすれの超低空飛行で、敵王国軍のど真ん中を駆け抜けていくノアたち箒組の目的は・・魔導師隊の撃破!

そう、その魔導師隊全員が、"公国公王イジャル君"に狙いを定め、しかも呪文を唱えている様子を、ノアはサテライト魔法で察知したのである!


「これは・・まずい! 敵は集中攻撃を仕掛けるつもり・・ 」


焦るノア・・イジャル君が危ない!

ノアの目は半分狂気を宿し鋭く前方を睨む。何が何でもイジャル君を守るのだ!


「急げ! 急げ! 急げ!」


そんな心情(狂気)のノアとは対照的に・・後ろに座るコサミちゃんは、恐怖(残酷)ゆえなのか、顔を青ざめていた。



ズッドドドドォォォォ


ノアたち箒組は・・超低空で飛行しながら王国兵を弾き飛ばし・・魔導師隊を目指す

そしてついに・・・


『 ターゲット確認っす! 』


箒の先端に乗っかるシルンちゃんの合図に・・強く頷くノア!

「行こう・・イジャル君のため!」と声を張り上げた。


ノアたちが乗る箒は僅かに上昇し、魔導師隊のど真ん中へと突入するやいなや・・ノアはバブルボムを放ったのである。


「間に合え!」


『 トラトラトラ〜っす! 』

シルンちゃんは・・はしゃぎ、コサミちゃんは顔を伏せる。


ノアたちの空飛ぶ箒・・それはまるで雷撃機!

敵艦とすれ違いざまに魚雷を放つがごとく、バブルボムを放ったのである。


ズドッドドオォォォオオオォォォ


地面に広がっていく白煙と衝撃波・・・そして人々の悲鳴を全て掻き消す大爆音

何もかも・・全てを白色で覆いつくす。



-- -- -- -- -*- - - - - - *--- -- -- -- -- --



壊滅してしまった魔導師隊・・彼らはシラヤ子爵の指示に従い、黒き戦士(イジャル公王)をターゲットとした全火力の集中! 圧倒的火力で敵を薙ぎ払おうとしたのである。

・・・しかし、それは防御面を疎かにすることになったのだ。

そう、猛接近するノアたちに対しての防御・魔導障壁が間に合わず、バブルボムの直撃をくらってしまう。



「くっ、これは判断ミスだったか!」


シラヤ子爵は悔しそうに呟いた。

彼の視線の先には、粉砕される魔導師隊の光景が広がっていた。


-*- - - - - - *-


王国軍・魔導師隊はノアによる爆撃(バブルボム)によって粉砕、イジャル君への大規模攻撃(集中攻撃)を阻んだのである。



だが、もしもこのような集中攻撃が行われていたとしても・・・

イジャル君の高い感知能力によって・・即座に予測、瞬足技で避け切ったのではないか!?

・・とはいえ、結局それは神のみぞ知ること。



とにもかくにも・・ノアたち箒組の空爆は成功したのだ!

彼女たちは、敵兵を吹き飛ばしながら 王国軍中央を駆け抜け・・脱出をはかる!


「撃破!・・これで一安心よね! 」


『 でも・・やばいっす、シールドのリミット時間が迫ってるっす 』


・・とシルンちゃんの発言が響く。

あと数秒でシールドが解除され、ノアたちの箒が無防備となるのだ!


「だ、大丈夫なの!?」


『 ぎりぎりっす~! 』


シルンちゃんは、空中パネルを操作し、一挙に速度を上げた。


ゴッゴッゴゴゴゴッッッ ドッドドドッッッ


アフターバーナー全開! 

閃光が走り、風が轟き、砂煙が舞い上がるソニックブーム!

全てを吹き飛ばす一陣の風は、王国軍中央を突破し、地平線彼方へと去っていった。






--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


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