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闇のノア


引き続き・・・ノアはこのダンジョンで経験値を稼ぐことにした。

というか、ダンジョンに入る前から、すでにビックイノブタンという強敵と交戦してしまっている。


そう! ここは入る前から すでに危険地帯なのだ。


幸い、ノアには邪神様から貰ったアイテムの一つ・・・簡易テントがあるので・・・

・・・長期間、ここで暮らすことも可能である。


危険地帯にテント暮らしは無茶じゃねぇ!?と思ってるあなたは・・・甘い甘いスイートボーイなのだw

このテントには・・・虫よけスプレーのような いや! 魔獣よけスプレーもどきの 魔結界の袋をぶら下げているので・・・

ボス級の魔獣でないかぎり・・・近寄ってはこない!



しかも・・・このテントはランドセル程度の大きさなのだが、ボタン一つで、人が住めるほどに膨れ上がる。

見た目はモンゴル風ゲルのような姿をしており・・・騎馬民族気分を体験できたりする!?

君も・・・青い狼になれるかも!?


ついでに、冷暖房完備やら、キッチン付きやらで、便利機能が満載!



このテントは異世界ゲーム"" 戦国乱闘!血と肉のオンラインバラード "で手に入れたアイテム。

初心者用のテントという最低ランク扱いなのだが、ノアにとっては素晴らしいアイテムだった。



「ありがとう 邪神様! 感謝いたします」


ノアは・・・太陽に向かって祈りを捧げるのであった。



そんなわけで・・・ダンジョンの入口付近でテント暮らし。

ときおり・・・ダンジョンから出てくる魔獣を相手に経験値稼ぎをするのであった。


ダンジョン内に入らないのか!?・・・と疑問に思うだろうが・・・

中から出てくる魔獣だけで苦戦してるのに・・・ダンジョンになんてはいったら、

ノアの実力では間違いなく・・・死ねます!


『 わっちも・・・危険だと思うっす。ノア様にはまだ早いと思うっす  』


・・・・シルンの言いように・・・ちょっと悔しいが、たしかに入ると危険なので、

ここで安全マージを確保することにする。


やばすぎる・・・または、手におえない魔獣がでてきたら・・

魔結界の袋をぶら下げているテントへ・・・一目散になって逃げ込むつもりであった。



-*- - - - - - *-



テント内にて・・・ノアはテーブルを設置し 

コーヒータイムをしながら・・・手乗りサイズのシルンちゃんを、なでなでモフモフ


「ホント、可愛いわね 癒される!」


これこそ心の安寧・・モフモフ天国なんて思っていると・・・

ダンジョン入口から、再び、不気味な音が聞こえてきた。


ドスドスドス


ビックイノブタンほどではないが・・・重量感のある足音!


「何かが来る!」

ノアはテントから出て・・・魔法の杖(ブラッディ・マリー)を両手で握りしめる。

これは・・・強敵かもしれない!


シルンちゃんも・・・ノアの頭にちょっこんと乗り・・・なんとなく身構えた



そして・・・入口に現したその姿・・・

それは、ノアの3倍はありそうな・・大型のオークだった。


上半身裸の人型魔獣!

片手には・・・巨大な太刀。

頭には・・・日本風の兜をかぶっていた。

・・・見た目はオークなのだが・・・どことなく侍の雰囲気。

しかも・・・凛々しぃ顔つき、ちょっといい男・・・いや! オークなのだけど・・


「やぁやぁ 我こそは我こそは・・ オーク業界のオークライン! ダンジョン第二層から参った強者なり・・・・」


このオーク・・・なんと! 言葉を流暢に話す。かなり知能が高そうだ。

しかも・・・どこか異世界の武将のごとく、名乗りの口上を長々とおこなっている。



でも・・・真面目な性格のノアは、聞いてあげることにした。

一応・・・オーク業界の作法らしいので守ってあげるのも・・人の情けなのだ!? 相手はオークだけどw


「我の祖先は遠き昔・・・この地にまいり・・多くの強者を倒し続け・・・」



-*- - - - - - *--*- - - - - - *-



それにしても・・・名乗りだけで1時間はかかっている・・・もう、なんか、聞くのがしんどい。

200代前からの先祖の業績を細かく名乗っているのだ! 

しかも扇子のようなものを叩いて・・・臨場感までだしている! まるで講釈師。


そして・・・ひとそろい名乗った後・・・相手のオークも疲れたのか・・・深々と礼をして、

ダンジョン内へと消えていった。


そのオークの背中には・・・やり遂げたという男の達成感があふれかえっていたという。


「・・・・・あのオーク! いったい何をしに来たのだ!?戦うのじゃなかったのか!? もしかして・・先祖自慢!?」


呆れるノア・・・でもちょっと カッコいいとか思ったり!? 

いやいや! 相手はオークだ。獣だ! 


だが・・シルンちゃんの発言はストレートだった。


『 ・・す、すてきっす! あれぞ漢っす  』

シルンちゃんは・・・ああいうのが好みらしい!?


こうして・・・ダンジョン第二戦の幕が閉じたのであった。




だが・・・すかさず、第三戦の開幕!


次にダンジョンから出てきたのは・・・魔法の杖をもったゴブリン!

いわゆるウィザードゴブリンである。


奴は魔導師! オーク武将と違って名乗りの口上もなく・・いきなり攻撃してくるつもりだ!

そこでノアはすかさず詠唱した。


「固まれ! チョココーティング」


敵の動きを・・・ベットリとしたチョコの粘着力!?で封じこめたのだ。

そう、ウィザードゴブリンはもう動けない! 喋れない! ついでにあっけない!

ノアからの先制攻撃で・・ウィザードゴブリンは文字通りの沈黙。


そして、ビックイノブタンの時と同じ手法・・後は撲殺するのみ!


ノアは身動きできない敵に対して・・・舌なめずり

魔法の杖(ブラッディ・マリー)を両手で握り・・・何度も何度も降りおろした。


ドス! ドカ! ドス! ドカ! ドカ!


まったくの容赦なしの攻撃!

これがダンジョン業界の流儀・・・負けた者は死すべし!


一撃を叩きこむごとに・・血しぶきが上がり、肉片が飛ぶ!


ノアはこの撲殺行為に慣れ切っていた。慣れまくっていた!

苦手なものも数をこなせば・・平気となり、あげくに癖となってしまう。

そして・・・今では積極的に振り下ろしまくっていた。


「なにかこう・・・快感!」


『 ノ・・ノア様! 』


ちょっとサイコパス!

間違いなく・・・暗黒面に片足をつっこむノア!

そして、そのノアに不安を感じるシルンちゃんであった。





◇◆*◇◆◇◆◇◆◇*◆◇


ノアはダンジョンの出入り口にて 魔獣たちを ドス! ドカ! グウァ!

次々と撲殺しながらレベル上げに勤しんでいた。


それはそれは・・・笑顔で楽しそうに・・・



一方・・・カイラシャ王国の中心地にある王都ルヴァ。

現在、国王ヴァルトは病に伏しており、その代行として王太子エルドラートが政務をとっていた。


その執務室にて・・・


「なんだとっ! それはまことかっ!?」


エルドラート王太子は激怒し、机に拳を叩きつけた。

側近はひるんだが、報告を続ける。


「フィレノアーナ王女率いる反乱軍によって領都アルゲルンは陥落、ゲルンラン城伯は死去されました」


「おい! フィレノアーナに王女の呼称をつけるな! 奴は犯罪者・・・爆弾魔だ! 忘れるなっ!」


王太子の・・・悲鳴のような怒声に側近は冷や汗をかいた。


「も・・申し訳ありません! その・・犯罪者は・・未確認情報でありますが・・・

多数のドラゴンを操り・・・城伯の領内を火の海に変えたとのことで・・・」


「反乱の上に・・ドラゴンまで!? はっ・・・・!? 貴様は何を言っているのだ!」


「い・・・いえ・・・まだ確認は取れていないのですが・・・どうやら真実らしいです・・・」


しどろもどろの報告に対して、王太子はさらに怒りを募らせ・・近くに置いてあるワイングラスを投げつけた。

グラスは側近の額に当たり、赤い血が滲む。


「もうよい、去れ! こんなくだらん報告など聞いてられるか・・・」


側近は、王太子の怒りに触れ 執務室から逃げるように退出した。


「ドラゴンだと?! 何を言ってるのだ・・・無能者め!」



興奮が収まらない王太子は 後ろを振り向きガラスに映る自分の顔を見つめた。

癖のある黒髪、端正な横顔・・そして、目の下の鋭い傷。


それは・・彼にとって忘れられない屈辱の証だった。


「フィレノアーナめ! よくも俺の顔に傷をつけやがって・・・・」



そう! かつて皇太子はノア、すなわちフィレノアーナによって・・・・

・・・体中をバラバラにされ 血しぶきが飛び散り・・スプラッターにされたあげくに殺されかけたのである。



「ぐぅ、あの爆弾魔! 思い出すたびに・・・体中の痛みを思い出す」




ちなみに、ノアはドラゴンを操ったわけでもないし・・

反乱軍も率いてもいません・・・全て間違った報告だったのである。

これら間違った報告は・・この国における情報収集力の低さを意味しており・・・もっと優れた諜報部が必要なのだが・・・

おそらくこの王太子には 情報の大切さを理解していないのであろう。





--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


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