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ツイガル月見祭り、そしてドラゴン、ついでに美女


ツイガルの町で開催される"" 月見祭り ""

満月の下・・数多くの提灯やランタンで飾られた大通り・・・

そして・・町の中央広場に設けられた見慣れぬ祠や、しめ縄で飾られた鳥居が立ち並び、神聖な雰囲気を醸し出していたのである。



もちろん・・・これらの祭りに必要な経費はノアたち特装警察隊によって押収された犯罪組織の資金!

ありがたく使わせていただきました。


犯罪組織によって汚された資金は・・祭り開催の費用として利用され・・鳥居や提灯となって浄化されていくのである。

これが本当の意味での マネーロンダリング(マネー洗浄)w



今のところ・・・住民たちは公国軍に警戒しており・・外に出る人はほとんどいない。

交易の町であるはずなのに、人がいないのだ! これは困った。



そこでイジャル公王やノアは" あれ "と呼ばれる秘策を行使することにした。

それは花火、そして満月!


満天の星々が輝く夜空を背景に、大きな満月と花火のコラボ!

なんと神秘的で雄大な光景でしょう!


このような花火がツイガルの住民たちを魅了することは間違いありません。

そして、強制されるのではなく、興味と好奇心によって家の外へと誘い出されるでしょう。


ちなみにこの花火は・・・実体弾で打ち上げるのではなくシルンちゃんによる幻影なのであった。

『 たまぁやぁぁ〜っす! 』


某異世界の合言葉を呟くシルンちゃん、やっぱし花火といえば・・・「たまや」であるw

ただし、この世界の住民たちにとっては意味不明の言葉であった。




巨大な閃光と散らばる花びら!

満月を背景に 今まで見たことないような巨大花火! シルンちゃんによる思い切りの幻影魔法であった。


「ほおぁぁぁぁ」

「きれい!」

「ほんと きれいね!」


ノアたちは上機嫌! 大盛り上がり。

しかも公国兵士たちも夜空を見て絶賛感動中。「おっおおおお~」


いいね!いいね! 大好評のようである。

ならばならば! シルンちゃんはとある準備を始めた。よりインパクトをあたえるのだ。


『 ではでは、例の最終隠し玉をだすっすよ 驚かないでくださいっすね! 』 

大げさに言っているものの・・最終奥義というほどではなく、いつものあれ・・だ!


そう、それはドラゴン! 巨大ドラゴン!


迫力満点の花火が舞い散る中・・天空より飛来する巨大な黒い影!

満月を巨大な翼で隠し・・・撃ち上がる花火の間を旋回する様子に誰もが目を奪われた。


まさに!

〈 ドラゴンに愛された国・・・キヨウラ公国! 〉

というべき素晴らしき演出である。



それらを見ていた公国兵士たちの・・今までにないような どよめきと歓声!

ウォ~ウォ~ウオ~


彼らにとってドラゴンは敵ではなく・・・力強い味方なのだ!




ちなみに、あのドラゴンは本物ではなく・・シルンちゃんによる幻影魔法であり、ノアやイジャル公王など一部の者にしか知られていない。

一応・・影忍の調査により、この町に上級の魔導師がいないことは確認済みであり・・あのドラゴンを偽物、幻影だと見破る者は ここにはいないはずである。



-*- - - - - - *-



夜空に描かれる大スペクタクル・・ドラゴンと大花火のコラボ!

現実とは思えない!?ほどの素晴らしき映像が広がっていた。

そして、やはりというべきか、予測通り・・予定通り・・

家の中で息をひそめ、隠れていた住民たちは、光と轟音に導かれるように大通りに姿を見せ・・

その神秘的な光景、または巨大ドラゴンに魅了されていくのである。


「す・・すごい空が花びらで輝いている! でもあれは何?! ドラゴンなのか!?」

「や・・やばくないか! ドラゴンだぞ」

「うぉぉぉドラゴンだ! だが待てよ待て 翼を見ろ!」

「あれは家紋!? 翼にキヨウラの家紋が! まさか!」


そう! 夜空を遊弋するドラゴンの翼には・・・どこかの戦闘機のように、国旗マークならぬキヨウラの家紋が張られていたのである。

これでこのドラゴンが・・どこの所属なのかはっきり分かる仕組みとなっていた。


「なんと、キヨウラは・・・ドラゴンまで味方にしているというのか!? 噂は本当だったというのか! ドラゴンに愛されしキヨウラ」

「うおぅぅぅ それでは・・キヨウラは最強、世界最強ということになる! 世界を支配せしめし国・・・」


ツイガルの住民たちは大いに盛り上がっていた。

そして・・キヨウラに対する親近感も、少しずつ芽生え始める。


これはいわゆるパンとサーカスの政策

住民たちの信頼を勝ち取るためには、まずはサーカス・楽しませることが重要だ。

次はパン・・住民たちの胃袋を掴み取れ



・・ということになれば!

シルンちゃんによって翻訳された料理本' 調食新書 'の出番となった。


そう、この世界にはない珍しき異世界料理を披露するのだ!

公国軍兵士の中で・・料理に自信がある者や、興味のある者たちを集め・・

"調食新書"を元にした料理で屋台を始めることにした。



ちなみに・・素人でもできる簡単な異世界料理なので心配無用!

集められた兵士たちも・・何気に楽しげである。


わいわい♪ がやがや♪ 「これすごい! おいしい」


一般庶民むけ料理なので・・・価格は安く抑えてます。

そう! 赤字になっても悪徳業者から巻き上げた資金で赤字補填! だから大丈夫。


それに・・やっぱし祭りといえば屋台ですからね! 

安く美味しい料理を提供するのですよ! これぞ祭りの風物詩


『 わっちもこういう屋台が好きっす 』「うちもうちも・・」

ノアとシルンちゃんは期待大である。




大通りに数々の屋台が並ぶ。そのラインアップの内容は・・


りんご飴,カステラ,綿菓子,ポン菓子,タコ焼き,イカ焼き・・・そして金魚すくい!?

ちなみに金魚をすくったらその場で調理・・・天ぷらにしてもらえたりするのですw


異世界の某屋台を再現したのである(一部、違うけど)


「これ! おいしい」

祭りの定番、浴衣姿となって可愛さアピールをしているノアは・・金魚の天ぷらに 頭の方から"ガブっ"と、かぶりつき大絶賛。

「このカリカリがいいのよね!」


もちろん 同じく浴衣姿のコサミちゃんも・・なにやら躊躇しつつも、金魚の天ぷらを尻尾の方から少しづつ口にいれていた。

ついでにシルンちゃんも チビドラゴン用の浴衣を着て・・ノアの頭上に鎮座!?


そして・・なぜだか・・同じく可愛い浴衣姿のイジャル公王が、金魚の天ぷらを食べつつ・・・周囲の住民たち、とくに男たちに注目されていたのである。


""公国軍に凄い美人がいるらしい""などと・・噂が出回り・・一目みようと集まって来た住民たち(男たち)であった。


そう、イジャル公王の美しき美女ビジュアルで住民たちを祭り会場におびき出す作戦の一環でもある。


ちなみに、イジャル公王は・・・男の子ですよ。または男の娘w


「おっおおおおお」

「すげっええっぇええ美女だ」「あんな絶世・・見たことねぇぇ!!!」


なにやら住民たちの反響がすごい! イジャル公王はその熱狂、けたたましさに、すこし腰が引けている。


「こ・・これはやり過ぎたか!? 男にモテても嬉しくない」

注目という名の難敵にものすごく後悔・・・ノアの背中に思わず隠れてしまうイジャル公王! いつもの強気はどこへやら!?


そう、今回は少し趣向を変え・・公王に化粧を施していたりしている。

すると! すごい超美人と化してしまった!



実はこの化粧・・シルンちゃんの翻訳した' 調食新書 'に書かれていた化粧法なのだ。

料理本に、なぜ化粧法が!? などといわれては困る。


『 書かれているんだから仕方がないっす! 』


「う~んっ?! 料理本に・・化粧!? 何かの食材じゃないの!? 」


ノアも半分懐疑的であったものの、そのお試しとして・・イジャル公王に化粧を施したところ・・凄いことになった。


超美人! 超絶世の美人!   

"こんな美女が女の子のはずがない"をリアルに表現したのである。




「ぬおおっおおおお~ やばいよ! 自分が・・・」

イジャル公王・・・鏡の中の自分を見て一目ぼれ!? 新しい性癖の扉を開けかけてしまう。


「えっ~、す・すごい! うちもこの化粧をしてほしい!」

ノアも同じくイジャル公王のような化粧をしてもらったところ・・・かわり映えしなかったのであった。残念!

ちなみにコサミちゃんも同様だった。


そう、元が良くないと、効果がないらしい。

元の美しさを数十倍させる化粧法らしいのだが・・悲しいかな、0にいくら掛算しても0は0なのであったw


ノア・・・おもっきりイジャル君に嫉妬しまくったのである。

「なんでやねん!」




-*- - - - - - *-



・・・・というわけで!? 

ツイガルの住民たちは・・ざわざわ、ガヤガヤと大通りへと繰り出し 打ち上げられる花火とドラゴン(幻影)に驚き、堪能していた。


「おっおおお」「あれはドラゴン!・・なんという大きさ」「この世のものとは思えない・・」


あちらこちらで・・叫びと恐怖、または驚きと感動が交錯していた。

子供達は手を叩き大はしゃぎをしており・・・老人は椅子に座り空を眺める。

どちらにしろ大好評のようであった。


さらには、イジャル公王の美女姿(男の娘)を見て(とくに若い男性たちは)・・再び驚きと感動を味わう


「美女とドラゴンだ!」「いやいや! 美女と花火」


一部・・感動のあまり立ち尽くす男性もちらほら・・その反面、女性たちの嫉妬も買ったという。

もちろん、ノアも幾分か気分がめいる「男の子に負けた・・・」


だけど・・・そんな人達も屋台で珍しき異国(異世界)料理を食べれば・・・気分も晴れ晴れ、よくなるであろう。

腹が膨らめば・・幸せになるものだ。


「この綿菓子おいしい!」「イカ焼きも」「金魚の天ぷらもw」




ツイガルの住民たちの心を、どうやら上手く掴んだようだ。

キヨウラ公国による統治も、受け入れてくれるに違いない。


それに商人たちも再び集まり、北方交易も再開されるだろう。


ここは北部砂漠地帯へと通じる大陸回廊の要所であり、交易都市!

商人たちによって成り立つ町なのだ。






--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



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