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ツイガル攻略作戦


ノアたち抱き枕・ラルゴン君騒動はさておき♡



こちらイジャル公王率いるキヨウラ公国軍15000は、一旦北上して交易都市ツイガルを狙う。

新たなる策源地、または戦略拠点を構築し、王都攻略の足掛かりにしようというわけであった。



この町ツイガルはカイラシャ王国の北部砂漠地帯へと通じる大陸回廊の要所であり、

北方諸国からもたらされる珍しき文物、交易品によって かなりの賑わいを見せていた。


色彩豊かなテントや露天商が立ち並び、珍しい品々を売る商人たちの声が響き渡る。

数多くの荷馬車が行き交い、独特の雰囲気が漂う町だ。


だが、この活気と繁栄も・・まもなく一変し住民たちは恐怖に包まれることになる。


そう、町の城門付近に立ち昇る幾つかの煙と炎、空気を震わす轟音・・そして悲鳴

あきらかに何かが起きている。異常事態が発生しているのだ!


しかも、青空を横切る幾つもの飛行機雲が、金切り声を発しながら町の中央部へと落下していく。


ズトドドォォォンン


耳をつんざく破壊音!

住民たちは一斉に、そちら方向へと顔を向け・・衝撃的光景を見る。


・・・町の象徴、権威の象徴、目立ちに目立っていたあの立派な領主館が、まるで積み木が崩れるが如く倒壊し、周囲を白く染めあげていたのである。


「「うわぁぁぁぁ な、なに! なにが・・・」」

「「領主館が・・くずれていく」」


町全体を揺るがす地響きに・・空気を震わす衝撃波!

住民たちの悲鳴と動揺・・人々は逃げ惑い始める。


「敵だ! 敵が攻めて来た! 略奪されてしまう! 逃げろ」


そう、すでに城門は崩れ・・領主館は崩壊した。 

しかも、町を守る守備隊が見当たらないのだ。

このままでは・・負け戦に巻き込まれてしまう


住民は混乱し、叫び声が響き渡る。親たちは子供を抱えて逃げ、商人たちは店を閉じ、通路は人でごった返す。




-*- - - - - - *-



これはキヨウラ公国軍による奇襲攻撃!

少数の先遣隊による迅速な行軍、本軍に先んじてツイガルの町を襲撃したのである。

ツイガル側は全く準備ができておらず、守備隊の配置も整わないまま、不意の先制攻撃を受けたのであった。



この先遣隊の主な戦力は・・魔導師隊!

魔弾を用いた遠距離射撃を任務とする。

目的は・・・防御施設、特に城門の破壊工作、公国軍主力による町の攻略を容易にするための下準備というわけなのだ。


「撃て撃て撃て!」


魔導師隊から放たれる多数の青白き魔弾は・・長い弧を描き・・城門へと命中した!

ツイガル側守備隊は・・不意の攻撃にさらされたため、対策を講じる暇もなかったのだ。

まさに奇襲攻撃・・トラトラトラ!


魔導障壁などの魔法展開が間に合わず・・・公国軍先遣隊からの一方的攻撃によって、城門は脆くも崩れ去る。


ツイガル側の守備兵はほんの僅か、兵士たちの徴集もままならず、ほぼ無防備状態といってもよいだろう。


またその頃、その上空にて、ノアたち空飛ぶ箒組み(シルンちゃん、コサミちゃん)は、公国軍先遣隊との連携を取りつつ別行動をしていた。


彼女たちの狙いは領主館の破壊・・・あわよくば領主の暗殺を狙う。

ちなみに、この町の領主はロッカル伯、王太子派に属し・・イジャル公王にとっては一族の仇、抹殺すべき対象なのであった。



「良い青空だ! 戦闘日和・・ここからでも目標の的が見える。ふっふふ」


ニヤリ!

ノアは口角をあげて悪い顔となる。

そして目標を定め・・ターゲットロック! 一気に撃ち放った。


ズドドドッドドッッ


乱射するかのごとく、コーヒーバブルボムが青空を背景に弧を描く! 白き雲をたなびかせながら・・


一方、ノアの後ろにまたがるコサミちゃんは長めの詠唱を唱えていた。

彼女の魔法はアイスジャベリン! 強力な一撃、氷の槍を撃ち放つのだ。

  



ノアたち箒組による空爆、ツイガルの上空を飛行機雲が横切ると同時に、目立ちに目立っていたあの領主館が、瞬く間に崩壊した。


領主館に防御機能はない。見た目は立派でも、内部の構造は一般的造り、脆いのである。

いや、そればかりか、見た目ばかりを重視しすぎて・・設計に欠陥があったのかもしれない。



どちらにしろ・・この領主館崩壊によって、交易都市ツイガルは公国の手に落ちたと言っても良いだろう。

なぜなら、領主でもあるロッカル伯、そしてその側近すべてが帰らぬ人になったからであった。



それから・・しばらくして、イジャル公王率いるキヨウラ公国軍15000が到着。

難なく、ほぼ無抵抗のまま、町に入城することに成功した。


敵対してくる兵士たちがいなかったからである。

しかも、町の行政官、責任者、誰一人・・現れなかった。


このツイガルを統治する者たちは、ほぼ全て・・領主館の下敷きになるか、逃亡したからであった。


とにかく、無血占拠とまでは言わないが・・さほどの激戦もなく、町の占領に成功したのである。


「あまりにも上手くいきすぎて・・不気味なぐらいだ!」


イジャル公王は小さくつぶやいた。

人に聞かれると・・フラグになりかねないからであるw


彼の心に不安が残るものの・・・町の広場にキヨウラの旗が高々と掲げられ兵士たちの歓声があがる。

とりあえず占領したのだ。

そう、この交易都市ツイガルはキヨウラ公国の管轄下!

我らにとって・・大きな利益となるであろう。


北方諸国との貿易路を手に入れたからだ!



・・・と言いたいところだが、その貿易に携わる商人たちもおらず、住民たちもいない。

にぎやかなはずの大通りは寂しく、閑散としていた。


住民たちの多くは恐怖と不安に包まれ、家の中に閉じこもっているのだろう。

占領軍・・すなわちキヨウラ公国軍をひどく警戒していたのである。

略奪されるのではないか!? 破壊されるのではないかと・・・



----------------


我ら公国軍は規律を守っている。

乱暴狼藉などは禁止させており・・治安の維持に注意をはらっているものの・・たしかに我ら公国軍は占領軍!

警戒されるのは仕方がないのだが・・これはちょっと困った・・よくない雰囲気である。

イジャル公王として なにか対策を立てねばなるまい。


「そうだな、住民たちの支持・・彼らの心を掴む必要がある!」


「人心というか・・心ね~ そうなると、あれしかないかな」


「やっぱしあれか!?」


「うん、あれしかない!」


『わっちもあれっす!』


「あれって・・なに!?」


公王イジャルやノアたちによる" あれ "的な悪だくみの会話に花が咲く!? 


「あれだ!」「あれに決定ね!」『あれっす! あれっす!』「あれって!?」


コサミちゃんは、あまりよく分かっていない様子なのだが・・それはそれとして置いておく。



そう・・"あれ"とは祭りであった! とくに花火大会!


今まで見た事がないような素晴らしき文物をツイガルの住民たちに見せるのだ。

そして・・心を和ませる。楽しませる。

もちろん、提灯やランタンで華やかに盛り上げ、屋台もだしてどんちゃん騒ぎだ!


良き政治とは、いわゆる・・・まつり事、パンとサーカスなのだ!



イジャル公王は正式に祭りの開催を了承した。

"" ツイガル月見祭り ""


何の祭りかと問われると・・少し困るので、とりあえず月見祭りということにした。

夜空を見ると満月だからね! 月見には良い季節である。

ちなみに深い意味はない!


祭り会場は・・町の中央広場とした。

公国軍本陣も兼ねた祭り会場である!



『あれっす! あれの開催っす!』



--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


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