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からくりラルゴン


"からくりラルゴン"とは・・


それは某異世界におけるVR-MMO"" 戦血バラ ""に登場した強敵魔獣にして・・・

ノアが敬愛する邪神様(コーヒーチョコケーキ)のペットでもあったのだ。



そう、可愛いからといって・・"からくりラルゴン"を大量にテイムしてしまった邪神様(コーヒーチョコケーキ)!

さぁ困った! どうするのだ!? そこら中がラルゴンだらけとなってしまい・・始末に困る。

モフモフ、可愛い・・愛らしすぎて捨てるに捨てられないのだ。


ならば、ならば・・友人たちに配って上げよう。

きっと喜んでくれるに違いない!?と独りよがりする邪神様(コーヒーチョコケーキ)であった。



そして、そんなペットの一匹が・・お中元の品として・・ノアの目前に召喚されたのである。



(異世界ゲームのデジタルデーターが、実体化してしまう摩訶不思議現象はさておき・・・)

それはもう・・そのラルゴン君の姿は・・モフモフでプリティな癒し系の子タヌキ!

尊さ爆発の・・"からくり縫いぐるみ"だったのだ。



そんなラルゴン君を見たノアは、思わず抱きしめてしまい・・頬っぺたにスリスリして、その感触を味わう!

「うっふふ かわいい!かわいい!」


ノアは大喜び! 邪神様に感謝したのです。

「ありがとう~!」



そんなノアの敬愛ぶりを見て、シルンちゃんは・・おもわず焦り・・嫉妬してしまう


そう! キャラがかぶってしまっているのだ!

どちらも・・小さくてモフモフ、プリティなのだ。いわゆる癒し系


とはいえ・・わずかにシルンちゃんの方が優位だとも言えた。

 

そう、このラルゴン君は・・・喋れないのである。

搭載されているAIシステムは、ごく初歩的なものであり、言語プログラムなどは入ってはいない。

戦闘能力だけは・・元の世界(VR-MMO)において、かなりの逸品だったのだが、

その他の仕様などは・・単純なプログラムに沿った動きしかしなかったのであった。


まぁ・・所詮は縫いぐるみ! 生命体ではなく機械、つまりオートマトン・・からくり人形である。


だが、シルンちゃんは、嫉妬しつつも・・こういう"からくり"的というか、ゴーレムのような機械が大好きなのです!


『 ういっす! 動く機械ってロマンっすよね 』


シルンちゃんは、そんな"からくり"ラルゴン君を・・よくよく観察することにした。



まずはその姿。二足歩行をしている子タヌキのごとく・・めんこい!

なんてキュートで、なんて可愛いのでしょう!

特にたれ目の表情が・・・なんとも♡


これでは・・ノア様でなくても抱きついてしまうではないか!

そう、シルンちゃんも思わず、抱きしめてしまったのである。


そんなわけで・・・

同じ背丈ぐらいのモフモフ二匹が・・互いに抱き着き合うダブルモフモフ・・または相撲モフモフ!?

それはそれでなんという尊さ! 愛らしさ!



そんな光景・・抱き合うモフモフ達を目撃したノアは・・愕然、呆然、鼻血をだして気絶寸前!

「もう・・うち,最高よぉぉぉ」


ノアは雄叫びをあげ・・生涯忘れられないモフモフの極致を知ったというw


ついでに コサミちゃんも同じく感動に身をふるわせ・・目から涙を流していた。

モフモフは罪であるw




-- -- -- -- -- 


シルンちゃんとラルゴン君・・両者による可愛さの結合・・


ギュッと・・・抱き合ったモフモフの瞬間、シルンちゃんはある種の違和感・・いや! 痛みを感じたのだ。

『 ういっ!! 』


ビリビリビリビリ・・・全身に電気が走る。

そう、シルンちゃんの体内を駆け巡るエレクトリックショック! 身体が震える


『 なんだっす! これは・・も、もしやっ!? あれっすか!? 』



シルンちゃんと・・そしてラルゴン君、二人、いや二匹は同時に青白く光り始めた!

そして、二つの物体・・二人の輪郭が消え、互いに交り合い・・一つになろうとしていた。


これは・・合体、結合なのか!?




両者とも、某異世界ゲームにおけるゲームアイテムが・・元々の母体となっていた。

そう、デジタルデーターが実体化したという摩訶不思議な共通点

そんな共通点を持つ両者が交わった時・・一つの奇跡が起きたのである。

それは・・新たなる生物の誕生・・・新生シルンちゃん!



チビドラゴン・シルンちゃんと・・からくり縫いぐるみ・ラルゴン君

両者による新コラボ、新世代のイノベーションが始まるw



両者がいたであろう場所は・・激しく光を放っていた。

それはまるでライブコンサートにおけるレーザーライトやミラーボール

眩く・・キラキラと輝きながら、周囲を明るく照らしていた。



-- -- -- -- --


「うわぁ これは・・いったい何が!?」


この現象を目撃していたノアや、コサミちゃん・・・あまりの驚きゆえに理解できず、ただ見守るのみ


・・・とはいえ、この輝きがずっと続くことはなかった。

次第に光は収まっていき、二つの黒いシルエットが徐々に浮かび上がってくる。

それはシルンちゃんとラルゴン君の姿だった。



両者!?とも見た所、異常はなく無事な様子。ノアは少し安心した。

シルンちゃんの方は・・なにやら困惑ぎみのようだが・・それほど深刻ではなさそうである。


先ほどまで輝いていた・・鮮やかな光は何だったのだろうか!?

またいつものようにシルンちゃんの幻影魔法で・・演出でもしてたのか?!


それはともかく・・ポテボテと身体を振りながら ノアへと走りよってくるラルゴン君は実に可愛い。それだけで癒しになってしまう


ノアは・・・再びラルゴン君を抱きしめた。

モフモフでうふうふ、さわり心地が良すぎて・・眠たくなってしまう

うんうん! 抱き枕に最適だ。


しかし、その時、ノアは、かすかではあるが違和感を感じた。

先ほど抱きついた時と・・何かが違う!

しかし、ノアはそれを気にしないことにした。


愛玩縫いぐるみに・・可愛さ以外のものを求めていなかったからである。



-*- - - - - - *-



確かに・・シルンちゃんとラルゴン君の見た目はかわっていない。そのままなのだ。

しかし、内面は違っていたのである。



先ほどの輝きと光の中で,両者が互いに抱き合う事でシルンちゃんとラルゴン君はある種の融合を果たした!

その融合とは内面というべきか・・内部機構や性能、スキルに関するものの吸収と合体


要するに・・・ラルゴン君の性能を・・・シルンちゃんに移植したということであった。

そう、これはパワーアップである。



某異世界・VR-MMOゲーム内にて登場する魔獣モンスターの一つが・・・" からくりラルゴン "

すなわち、ラルゴン君の事であった。

( 邪神様によってテイム(ペット)にされているので、魔獣としての危険性はないです )


そのラルゴン君の戦闘能力は魔道を帯びた格闘技能、いわゆる魔動拳!

一撃必殺の拳撃を浴びせかけ、敵を粉砕する最強の格闘技なのだ。


そんな・・" 魔動拳 "スキルをシルンちゃんが継承・・手に入れたのである。

実にありがたい! 

幻影魔法程度しか発動できないシルンちゃんにとっては 喉から手が出るほど欲しい戦闘スキルであった。



その一方で・・反対にラルゴン君は、スキルを奪われる側、吸収される側である。

魔動拳を始めとした数々の機能を失い・・" からくりラルゴン "としての活動は停止してしまう。

内面が・・シルンちゃんと融合してしまったからであった。

そして、ラルゴン君は完全なる縫いぐるみとなりはててしまう。


それでも若干、からくりとしての機能が残っているため、手足は稼働しつづけていたし・・

その可愛らしさ、愛らしさ ついでにさわり心地、モフモフ感なども失っていない!

そして・・ノア専用の抱き枕となるであろうw

( ラルゴン君は元々生物ではないので、悲観することは無いのです )


-*- - - - - - *-



機能や戦闘能力を失い、抱き枕と化したラルゴン君。

しかし、その可愛さとモフモフ感は健在で、ノアは全く気にしていなかった。

「そう、可愛いからいいのよ! 可愛さこそ全てなの・・」


あくまでも愛玩縫いぐるみ(抱き枕)としての役割を果たしている。



一方、それとは対照的に・・シルンちゃんはパワーアップ!進化した格闘能力を手に入れたのだ。


魔導を帯びた必殺拳撃・・" 魔動拳 "は、その身体の大きさに関係なく、強力な徒手空拳を繰り出すことが可能!


これによって、手乗りサイズのシルンちゃんでも、十分にノア様を守ることができるのです。


さらに、これは戦闘能力だけにとどまりません

魔動拳による念動力で、自由に物を動かせるようになったのです。

そう、手を使わずに・・念だけで物体を動かせるのだ。


小さいゆえに不便だったシルンちゃんにとっては大助かりの技である!


もちろん・・シルンちゃんの大プロジェクト・・料理本' 調食新書 'の翻訳作業もはかどるでしょう。


『 素晴らしいっす! 素晴らしいっすよ~! 』


感謝感激雨あられの大喜びのシルンちゃんなのだが・・その周囲では、奇怪なポルターガイスト現象が多発!

様々な物が飛び交っていたのであった。


これは怪奇現象なのだろうか!? 

いいえ違います、シルンちゃんによる念動力現象なのです!




(ふで)が、ひとりでに動き、文字を素早く書き込んでいく。

これはかなり早い! まるでワープロか、タイプライターか!?

 

そう、新生シルンちゃんは・・サイコキネシス、念動力を使って(ふで)を動かし・・

料理本' 調食新書 'の翻訳作業を行っていたのであった。






--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)




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