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世界の終わり


カイラシャ王国軍の魔導師連隊、及びゴーレムたちの活躍によって・・・

コサミちゃんの" ポイズンミストフィールド "が完全に防がれてしまったのである。


ポイズン(霧)攻撃に対して、風魔法を吹き付けてしまえば、簡単に雲散霧消してしまうのです。



そんな様子を、サテライト魔法の映像で眺める・・ノアたち空飛ぶ箒組の面々


「私のミスト魔法って・・やっぱし」


下をうつ向き小声で、つぶやくコサミちゃん。

主君でもあり師匠でもあるノア様の役に立てなくて、意気消沈気味のようだ。

・・・とは言いつつも、自分の魔法で人が傷つくと、心を痛めてしまうコサミちゃんでもあった。




「別に落ち込むほどのことじゃないって! 敵の風魔法は想定済み! それに、うちらのお仕事は、敵への嫌がらせ・・・

これからじゃんじゃん! 魔法を放って邪魔していくよ」


ノアは、やさしくコサミちゃんの頭をナデナデ・・して励ます。



まぁ・・・少しでも効果があればと期待したのだが・・やはり防がれたか!

コサミちゃんを 噛ませ犬的にしたのは・・可哀そうだが、試してみる必要もあったからね!

ふむふむ・・ならばならば、次なる出番・真打ち登場せねばなるまい!

ノアの口角があがった。


「ふっふふ」


この世界の(ことわり)から外れてしまったノア!

邪神様(コーヒーチョコケーキ)の異世界ゲーム" 戦血バラ "におけるステータス仕様を、彼女の魂に深く刻みこまれているのだ。


そして・・そんなノアの脳内チャイムが、ほんの先ほど・・・"ピコーン "と鳴り響く。

それはおそらく・・・ステータスアップ、新魔法取得のお知らせ。


異世界の(ことわり)によって・・ノアは修行、鍛練なしで魔法スキルを自動取得してしまう体質になってしまっていた!

(ただし・・コーヒー魔法、チョコ魔法の類に限る)



先日まで・・・ヴルティリア帝国領内にて散々、コーヒーバブルボムを撃ちまくり放ちまくったのが原因なのかもしれない。

おもっきり経験値を増やしまくったあげくに、ステータスアップさせたのだ。


まさに・・・帝国の恩恵である! 皇帝様の依頼に乾杯!



「さてさて・・・初めての魔法を使って見ますか!」


ノアのステータススキルの一つ・・コーヒー魔法のレベルが30を超えたことによって、得てしまったその魔術の名は・・・" メテオ "

そう、" メテオコーヒー "である!



某異世界のVR-MMO" 戦国乱闘!血と肉のオンラインバラード "における・・とある某ゲームイベントにおいて|コーヒーチョコケーキ氏《邪神様》が放ったという究極魔導最終奥義!


それは言わば・・神々のたそがれ! ハルマゲドン!


世界の終わりをもたらす惑星破壊魔法だったのだ。



人類を滅ぼそうとする魔獣たちを撃滅するために・・

邪神様は思わず・・人類ごと魔獣を全滅させてしまったのである!


さすが邪神様! やることに手加減無し! 目的のためなら手段など選ばない 


そんな危険な魔導" メテオコーヒー "がノアによって発動されようとしていた。


ただし、 この魔導はかなり強力・・究極の破壊力を有するがゆえに、その発動には、それなりの長い詠唱が必要となる。

( 魔導火力の大きさは・・・詠唱の長さと比例するとされていた )


だが・・心配するなかれ!

詠唱の文言が、どれほど長かろうとも・・・謎の(ことわり)によって ノアの脳内に深く刻み込まれており、さほど難しいことではないのだ。


「無限の宇宙、さまよえし星々の欠片たち・・我の言葉に応じ、我の意思に従え、世界の天上天下、我の心ともに・・・」

 

その後、ノアの詠唱がつづく。



その様子を見ていたコサミちゃんは・・・驚きの目をしていた。

詠唱の文言、一語一語が発せられるたびに、ノア様から放出する波動が徐々に大きく拡大・・・・天高く立ち登る龍のような渦を形成したのである。


ちなみに、この現象は・・一般人には見えない。

それなりの魔導に通じた者・・・つまり、コサミちゃんほどの魔導師でなければ感じとることはできないのだ。

そして 彼女はその膨大な魔導と波動力に尊敬と畏怖を感じとったのであった。


( 邪神様に出会って以来、ノアは魔法を撃ち続け、撲殺しまくり、レベルを上げつづけた。

【魔力・・2445,コーヒー魔法・・Lv31 は伊達ではない!

ノアはかなりの魔力を持つようになったのである )



一方、チビドラゴンのシルンちゃんは思わずウトウト、そしてZZZZzz状態に陥り・・・寝入ってしまった。

おそらく、ノアの詠唱が、まるで子守歌、リズミカルな音階に聞こえてしまったためであろう・・・ZZZZZZzzz♪




-*- - - - - - *-


雲ひとつない青空に・・・いきなりの光が走った! 突然の雷鳴! 稲光!

まさにそれは人類滅亡の序曲・・・ハルマゲドンの始まりだった。


そう!人々は空を見上げた! 

もちろん、カイラシャ王国軍の兵士たちも同様に空を仰ぎ見る


そして・・・恐怖に包まれることになった。

空が燃えているのだ!



初めは小さい点であったものが、次第に大きく、赤く、燃え上がり・・・そして、巨大な物体となって迫り落ちてくる!

あれは隕石か!? 彗星か!? いや、小惑星なのだ! 




森は・・ざわめき、小鳥たちは一斉に飛び立つ。

動物たちも同様に、右往左往しながら駆けまわる。


いや、魔獣と呼ばれるオークたちでさえ、逃げ惑っているのだ。


天変地異が頭上から落ちてくる。

プロミネンスのような炎を噴き上げながら地上へと・・・



「や・・・やばいぞ! これは」

「いったい・・なんだというのだ」

「おいおい・・・嘘だろ! そんなことが」


上空から迫る怪異、恐怖・・・理解不能の物体が落ちてくるのだ!

カイラシャ王国軍の兵士たちは叫び、うろたえ、動揺する。


だが、さすがに王国軍の主力部隊である。

最低限の秩序は保たれているのだが、それでも戦闘経験が浅い後方の後備部隊の兵士たちは、かなりの混乱をしていた。

さらに、このまま推移し、その混乱が広がれば、軍団としての崩壊に至りかねない。


しかし・・王国軍司令官であるクーラスは何もできなかった。何も指示をださなかった。

そう、彼は後備部隊の兵士並みか、あるいは新兵・・いや! それ以上に恐怖していたのである。


「ぐぅぉっぉおおおっぉおお~ 何なんだ!あれは!」


「司令官殿! 落ちついてください」


「これが・・落ち着けるか! なんとかしろ! なんとかしろ!」


王国軍本陣の陣幕から、けたたましい叫び声と・・・それをなだめる幕僚たちの声がこだましたという。





そんな・・頼りにならない司令官、そしてその幕僚たちをよそにして、とある一人の勇者が立ち上がった。

しかもあのゴーレムの天辺、頭の上にうまくバランスを取りながら立ち上がったのである。

(比喩的意味でなく)


そう、彼はレシプロン!

神聖魔法(ホーリーマジック)の使い手にて勇者!

その上、見た目は筋肉隆々のたくましき身体をしており、まさにナイスガイなのだ。


目立つに目立つ人物! 

見ただけで頼りになる人物!

数年前までの痩せ細っていた姿など、想像つかないほど、力強い人物になっていた。


ただし、嫌なことはしたくない!めんどくさがる性格は昔のままなのだが、

この危機的状況下では、そんなことは言ってられなくなった。



そう、司令官も幕僚も 一切の指示を出さないのだ。職務放棄と言ってもいいだろう。なんと無責任なことか!

前任の司令官・プライバン伯と比べるとなんという雲泥の差!

現司令官であるクーラスの・・あまりの無能さに呆れかえるのだが・・・今更、文句を言っても仕方がない



早急に対策をしなければならないのだ。

司令官や幕僚の代わりとなるべき人物・・・ある種の尊敬と権威を与えられている勇者たちが適任ということになるであろう。

そこで、その勇者たちの中での筆頭・・・というべきレシプロンが立ち上がったのである。重い腰を上げながら・・・


そんなレシプロン、いやいやなのだが・・・やる時にはやる男である。

存在を誇示するがごとく強力な波動を放ちながら・・彼は片手をあげ、兵士たちの注目を集めた。そして頭上を見上げ・・落下する物体に向かって指さす。


「恐れるなかれ! 逃げるなかれ! 俺たち全員の波動と精神力・・それに! 俺のゴーレムがいれば あのような物体など恐れるにたらず! 必ず打ち倒せるのだ!」


などと・・・かっこいいことを中二病的に言ってしまい、ちょっと照れ臭くなるレシプロン! 恥ずかしい

だが、見た目がナイスガイな彼にとって・・・実にすばらしく説得力のある演説となった。


しかも・・・落下する メテオ(隕石)から放たれる炎が後光となり、レシプロンの影を黒く染め・・・陰影もくっきり!

よりかっこよく見せる演出にもなったのである。


「「おっおおおお〜 なんと神々しい」」

「「え、英雄降臨だっ!」」


兵士たちの歓喜、歓声が鳴り響く・・150デシベルの音声衝撃波!

パニック寸前、逃げ越しになり始めた兵士たちの心をギッシリと掴み取り・・士気の低下を防ぐばかりか、急上昇させたのだ!


彼ならできる! 彼は勇者! 彼はゴーレムのような者たちを操れる優越者!

彼についていけば助かるのだ・・・という希望を抱いたのである。


某異世界・ナポレオン並み、いや! それ以上の演説を、レシプロンは成し遂げた。





ただし! ただし! 

これだけの発言をしたといっても・・・あの落下してくる メテオ(隕石)に対して、これといった対策などない。

レシプロン・本人からしても、ただの出まかせ、精神論でしかなかったのだが・・・もはや悠長に論議をしてる暇などないのだ。


やるしかない! 逃げるにしても・・もう手遅れ・・・叩き潰す!

あるったけの火力をぶつけて、あのメテオ(隕石)を破壊する! これしかないのだ。


それに・・もしかするとレシプロンの高火力・神聖魔法でなんとかなるかもしれない!


「戦え! 撃ち落せ! 俺とともに戦うのだ!」

こぶしを高々と掲げレシプロンが声高に発言したとたん・・・


ズドォォォォオオオン ゴッゴゴゴッゴゴゴ

 



突然の轟音!? なにが起きた!?

レシプロンは見上げる。兵士たちも見上げる。


そう、なんとなんと!

あのメテオが・・・災悪のメテオが・・空中にて突然! 爆発四散したのだ。


炎が全天を覆い・・・青空を赤く染める。

そして、かつてメテオだった残骸の数々が付近へと落下していく。

わずかばかり・・甘い香りがするのは・・・不思議なことであったw



レシプロンは何もしていない。演説を声高にしただけなのだ。

なのに・・いきなりの爆散。


彼は戸惑うが・・とりあえず危機は過ぎ去った。命拾いしたのである。

・・ホット一息、ガッツポーズしてみた。


そう、あの物体・・メテオ落下による大災害、王国軍の崩壊を防げたのである。


もちろん・・・兵士たちは驚きおののくのだが・・次第にその意味を理解しはじめた。


「「助かったのか!!」」

「「 オッオッッ〜ォォォォ! なんという奇跡! なんという神聖魔法! 」」

「「 さすが勇者殿! レシプロン殿! 」」


兵士たちの称賛がレシプロンに注がれたのだ!


素晴らしき勇者! 素晴らしき神聖魔法!

そして・・素晴らしきレシプロン!


迫り来るメテオを見事に爆散させた偉業は・・かの人物、

そう!、レシプロンによってなされたのだと・・兵士たちは勘違いしたのである。



そして、その本人、レシプロンでさえ、何がどうなった!? なぜに爆散!?

戸惑うものの・・けっして動揺は見せず、勝利者としての風格を見せつけた。


何もしていないのに四散したその原因を・・・彼は全天を見渡し理由を探したが見つからなかった。


「まじの奇跡なのか!?」


レシプロンは困惑しつつも、ある種の高揚感に浸っている。


天から降り注ぐ雨のような残骸・・・青空を赤く染めるスペクタクル映像!

そして・・・兵士たちの歓声!


そう、レシプロンは兵士たちの心をつかんだ! カリスマ度は上限突破・・もはや信仰レベル、神様並み


ここから勇者、いや新たなる英雄物語がはじまるのであったw 

たまたまのタイミングと奇跡によって・・・・





--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



ひさしぶりのステータス表示


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【名前】カイラーナ・ノン・コハヤシ・フィレノアーナ  


【種族】ヒューマン


【身分】逃亡中の王女


【出身】カイラシャ王国


【職業】邪神の使徒、魔導撲殺師 Lv87


【年齢】14歳


【体力】85/85【魔力】2445/2445 【幸運】140



【魔法スキル】

ステータス魔法 Lv5 時空ストレージ Lv12  サテライト Lv7 コーヒー魔法 Lv31 チョコ魔法 Lv29 水系魔法 Lv4


【耐性スキル】

恐怖耐性 Lv2


【特殊スキル】

ラッキーカード Lv3


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