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ヒラガ式・・謎の新兵器


ローランの地での戦い・・・対ヴルティリア帝国との戦役は集結を迎えた。

敵の総大将・皇帝ユゼンを捕えることによって・・勝利の女神はキヨウラ公国に微笑んだのである。


しかも多大な賠償金を得ることにも成功したのだ。

・・・とはいえども、外交的配慮により、

これら賠償金は帝国ではなく、皇帝ユゼンの個人資産から支払ったことになっている。

(対外的には 両国との戦闘はなかったことになっているからだ)



様々な事情はあるとはいえ、キヨウラ公国は多額の賠償金を手に入れたのだ!

そう、この賠償金は、きたるべきカイラシャ王国軍との戦いに活用できる。


なにかと不足気味だった資金問題は・・・とりあえず改善されたのであった。






-*- - - - - - *-



キヨウラ公国の南方に位置するカイラシャ王国領内の町・レルンド



そのレルンドの町の城門が大きく開かれ、そこから出撃していく数多くの兵士たち。

重厚な鎧をまとい、剣や槍を手にしている一団や・・魔導師隊の面々、そして、その後方には荷馬車隊が続く。


そう、彼らはカイラシャ王国軍主力部隊、総勢6万人・10個師団から成り、司令官は新任のクーラス


目的は・・王国から一方的に独立したキヨウラ公国の討伐、並びに、その公国に味方する凶悪な魔王こと" フィレノアーナ元王女(ノア) "の抹殺であった。



この軍には・・・神聖魔法の使い手でもある十数人の勇者たちも含まれており・・・

その中にはゴーレム24体を率いるレシプロンの姿もあった。

( 30体ほど連れてきていたゴーレムたちだったが・・・すでに6体ほど減らしてしまっている )




そう、これらカイラシャ王国軍の動きは、たえず監視されているのだ。

キヨウラ公国情報部・影忍部隊、人にあらずにしてモンキースパイ!


木々の上から・・建物の屋根から・・さらには王国軍の伝書猿として・・またはペットとして・・・

人間では出来ないような情報活動を行うエキスパート猿軍団!


彼ら・・影忍の活躍により キヨウラ公国は・・カイラシャ王国軍の動向を常に把握していたのである。



-*- - - - - - *-



「カイラシャ王国軍6万・・・セェルンに向けて北上中」


影忍の長、モンキーハンゾウ からの報告を受けたイジャル公王は即座に" 出撃だ "と発しようとしたが・・・断念した。


ヴルティリア帝国との戦いを終えたばかりなので、兵士たちは疲労困憊しているに違いない。

十分な休息を与える必要があるのだ。

(あと、武器、食料の補充やらも、しなければならない事情もあった。内務総長のアランス卿は大忙し)


そう、ブラックな環境で勝利を得ることなんて、できやしない!

兵士たちに万全な体調を与えねばならないのだ。

そういうわけで・・キヨウラ公国軍は、しばしの休憩タイムにはいる。




・・・・となるとその休息の間、迫りくるカイラシャ王国軍に対して、何らかの対処が必要となるであろう。


「足止めですね! 新兵器の試し撃ちもかねて、うちがやりましょう」


口角をあげ、満面の笑みで答えてくるノア。

そんなノアを見て・・・なんとなく不安をおぼえる公王イジャル

それに・・その新兵器というのも なんとなく気になる!


「それで・・ノア様、その新兵器とは・・・なんなんですか!?」


「あ~それはね・・ヒラガさんが提供してくれる兵器ですよ」


「ヒラガ!? あ~あの御仁か! たしか・・魔導エレキテルの第一人者!」




そう、その御仁・ヒラガさんとは、シドン村に住む106歳の男の若返り少女、ヒラガ・ケールナイ準男爵

魔導協会、元技術部技長にてエレキテルの専門家

そして、恐るべき兵器を趣味でつくる人物


ノアから依頼されているゴーレムの解析、弱点の調査をしているうちに・・一つのアイデアが思いついたのだ。

そして、そのアイデアに基づき、対ゴーレム兵器を作り上げたのである。


そして、もちろんのごとく、ヒラガ制作の新兵器はすでに受領済み、ノアの時空ストレージに収納されていた。

ありがとう♡ ヒラガさん! おもい切り使わせていただきます



「さぁ! 準備は完了した。いつでも作戦可能だ」


ノアは、うきうきランランのヤル気満点・・・今にも飛び立ちかねないような勢い。


そんな様子を見て・・苦笑いするコサミちゃん。

それはまるで、おもちゃを与えられ・・はしゃぎ回る子供(ノア)の姿。


「ノア様、そんなにも・・あの新兵器が使いたいのですね」


「もちよ! この兵器で、あのゴーレムたちに目に物見せてやる!」


おもっきり悪い顔になるノア。まさに悪役、敵役! 


そして・・・

シルンちゃんも悪い顔をしながら囁くのであった。


『 見せてもらうっす! ヒラガ兵器の実力とやらを・・・ 』



◇◆*◇◆◇◆◇◆◇*◆◇



今回も・・ノアたち一行による単独作戦

イジャル公王率いるキヨウラ公国軍に、しばしのお休み(有給休暇)を与えるため、

進撃してくるカイラシャ王国軍に対して、嫌がらせの妨害・・つまり足止めをしようというのだ。


     

ノアたちは現在、峰々が連なる険しい山岳地帯の・・とある山腹に身を隠していた。

空は青空、遠くに雲海、そして・・眼下には、王国軍・野営陣地が広がっていたのである。


敵は・・・どうやら、ここで昼食でもするつもりなのであろう。

あちらこちらで湯気が立ちのぼり、簡易のテーブルが出されていた。


椅子に座りテーブルで食事をしている者たちは、みな小綺麗な姿・・・おそらく上級身分の人達なのだろう。

それに対して、一般兵士たちのほとんどは、地べたに座り、お粥のような物を食べていた。


ちなみに・・この様子はノアのサテライト魔法によって 映像化し観察しています。

距離にして 2ロキル(キロ)彼方なので 肉眼では見えないのです。




そんな感じで観察していると・・彼ら王国軍兵士たちの中で、ひときわ目立つ集団がいた!


それは・・・この王国軍にとっての最大戦力と目されているゴーレムたち24体・・・

彼らは、創造主たる勇者レシプロンを守るべく円陣形、その周囲に睨みをきかしていた・・・(絶対防御態勢!)


レシプロンはある種の警戒をしていたのである。



それは王国軍の敵たる・・キヨウラ公国軍の動向などではなく・・・味方であるはずの王国軍司令官・クーラス!

レシプロンにとって、もっとも警戒すべき人物であり、個人的にいえば敵なのだ!



そして、その司令官クーラスの目線からすれば・・・勇者レシプロンは味方でありながら憎むべき敵! 呪うべき敵!

そう、レシプロンは、クーラスの弟を殺した仇なのだ! 


ならば、復讐だ! 奴を殺す!

司令官クーラスはレシプロンの命を狙い、暗殺者を差し向けたはずなのだが・・なんと! 返り討ちにされてしまったのである。



一方・・そのレシプロンの方としても、司令官クーラスの動向にたえず目を光らせていた。

そう、あわよくば、排除(抹殺)しようと目論む。

殺意を向けられている以上、手加減無用、敵は排除すべし!


ここは中世・・・やるかやられるかの世界なのだ。





◇◆*◇◆◇◆◇◆◇*◆◇


ノアは早速・・・準備をした!

眼下には、ノアにとっての最大級ライバルw ゴーレム集団がいるのだ!


「ふっふふ 目にものみせてやる!」


ノアは時空ストレージから・・とある兵器を取り出した。

もちろん ヒラガさんから提供された" あれ "であった


その兵器は・・・兵器というには小さすぎた。

手のひらサイズで、コンパクト・・そして重量も軽い。

異世界的に言えば、まるで・・・・


『 タブレットっすね! 』


謎の異世界言語を口ずさむシルンちゃんは ノアが手にするタブレットもどきを見て頷くのであった。

ただし・・このタブレットには液晶ディスプレイなどはなく・・あくまでも歯車式の魔導機械、

電子機器ではないのです!



一方、コサミちゃんは・・・頭に?(クレッションマーク)だらけ・・理解しきれていないのであろう。



・・・ならば説明しようw


この兵器は手のひらサイズ・・直接攻撃するタイプの兵器などではない。

これは・・ハッキングをおこなうための秘密兵器なのだ。



そう、あのゴーレムたちの意思疎通は、魔導通信・ネットワークによって互いに結びつけられている。

そこで、このタブレット型兵器を使って、通信網に入り込み、ゴーレムAIそのものを乗っ取ってしまおうというわけなのだ。



某異世界のネット犯罪・・・いや! サイバー戦争を仕掛けようというわけである。


「よし! 状況開始」


手のひらサイズのタブレットから発せられる魔導通信によって・・・手近のゴーレムにターゲットが合わされた。

あのゴーレムAIを乗っ取ってしまおうというわけなのだ!







--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



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