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フクロウ三人衆


フロスネン侯爵家直属の暗部組織・フクロウ三人衆


彼らは闇の存在、日の光の中では生きていけない影の暗殺者・・・

素性は見せない! 見せてはならない!

仲間でさえ見せることはない!


夜陰にまぎれ暗躍せしめるフクロウたち


彼らが狙うターゲットはレシプロン、神聖魔法を扱う勇者!

そして、多数のゴーレムを操るゴーレムマスターでもある。

しかも、レシプロンからあふれ出す波動の大きさから判断して・・魔導師として強敵、いや! 最強なのだ。


そう、決して正面から戦ってよい相手ではない。

奴を倒すには後ろから、しかも隙と油断を狙って襲うのだ。


だが・・下劣、卑怯と思うなかれ、これぞフクロウ三人衆の本分!

下劣こそ・・誉め言葉!

卑怯こそ・・名誉!




そして、そのターゲットとなるレシプロンは、割と簡単に隙をさらけ出したのだ。

" 戦闘中とはいえ、背後に暗殺者あり! "などと夢でさえ思っていなかったのであろう。


まわりをゴーレムたちに守られたゆえの油断なのか?!


そう、奴は立ち上がり、片手をあげ・・・魔法を発動しはじめたのだ!

奴の精神は・・魔法行使へと傾く、周囲への警戒を怠っていた。



---- チャンスだ!


フクロウ三人衆、三つの黒い影が屋根上にあらわれた。

ターゲットとなるレシプロンは目線の僅か下、200ルトメ(メートル)の位置


闇魔法・・・シャドウアローの有効射程内に収まっている。十分な殺傷距離だ!


三人衆のうち、スナイパー能力に秀でている通称"レッド"が狙撃の任務につく!

他の二人・・"ホワイト"と"ブルー"はサポート役となる。


ターゲットとなるレシプロンの身体は淡く輝いていた。位置が分かりやすい。

魔法発動によって波動が溢れ出しているようだ!


ターゲット自ら自己アピールしてくれるなんて・・実にありがたい。


狙撃手・"レッド"は狙いをさだめる。

的はレシプロンの背中!! 背中から心臓を貫くのだ!


"レッド"は静かに片手を差し出し・・小声で詠唱した。


「影と闇、暗闇の向こう、全てを破壊し・・闇の矢弾」


フィゥゥーウゥゥゥゥ


僅かに空気を切り裂く音、それはシャドウアロー・・・

暗殺のための闇魔法・・人体を破壊する暗黒の矢が放たれたのだ!



そして、手応えを感じた。命中だ!

"レッド"の口角があがる。


そう、ターゲットが崩れさったのだ!

間違いなくレシプロンを殺害した!

この・・シャドウアローに貫かれれば最後、どのような身体も間違いなく破壊される。

よし! ミッション完了・コンプリート


これで任務達成だ!

やっかいな勇者、最強魔導師を倒し・・安堵したその瞬間、"レッド"の意識は突然・・・途切れた。

そして、もう二度と目覚めることはない!



彼の頭部は、フウセンが破裂するかのように粉々となって四散したのだ!

・・・と同時に、仲間でもある"ホワイト"も 胴体に穴をあけ、血を噴出しながら倒れ込む。おそらく助からないだろう。


しかし残った仲間、"ブルー"だけは、腹から血を流しながらも その場から離脱することに成功する。

かなりの手傷、致命傷ともいえるのだが・・・はたして!?


 


この一連の攻撃は石礫・・ゴーレムたちによる仕業、頭部を破壊し・・・胴体を貫いたのだ。


ご主人様たるレシプロンを攻撃してきた暗殺者に対して、速やかに反撃したのである。


『 敵を排除しました。ご主人様 』 


「あ・・ありがとう! たすかったよ」


レシプロンは背を低くして、周囲を警戒していた。

僅かながら動揺している! 完全に油断しきっていたのだ。


あと少し、気づくのが遅かったら・・危なかったかもしれない! (たぶん死んでた)


レシプロンの持つ神聖魔法・・オーラパワーによって、闇魔法たるシャドウアローを早期に感知したおかげかもしれない!


何はともあれ、レシプロンはギリギリで魔導障壁を展開し、シャドウアローを弾いた!

そう、シャドウアローの破壊力をもってしても・・魔導障壁の壁は貫けなかったのである。


「これは・・・ヤバかった! 冤罪にされかけた時以上にヤバかった!」



その後、落ち着きを取り戻したレシプロンは屋根上へと飛び上がり・・暗殺者たちの遺体を検分する。

彼らは・・ゴーレムたちの石礫狙撃によって命を奪われた者たちなのだ。

一人は頭部を失っており、もう一人は胴体に風穴があいていた。


レシプロンは、その石礫が持つ破壊力に驚かされたとともに、これら遺体たちが着用している黒い衣装を見て・・悪い予感がした。


「これは暗部の者たちだね・・・俺をねらったのか!?」



レシプロンは・・恨まれていた。

特に・・あの事件では、多くの者たちを巻き込んでいる( 殺害もした! )


デルテ二ア邦伯によって事件そのものを揉み消したというが、恨みは消えないだろう!


レシプロンは見えない敵を推理する・・だが、恨まれすぎて、全員が容疑者に見えてしまう・・・

ちょっと被害妄想的なのだが、そんな中でも特に気になる人物が一人いた!


新たに就任した司令官のクーラスである。

就任したとたん、襲われたという理由もあるのだが・・・ 

司令官クーラスの実家の名が・・フロスネン侯爵家というのが気になっていた。


そう、あのルイーブル書長と同じ実家なのだ!

「司令官クーラスか! 要注意人物というわけだな。めんどくさいことだが・・・注意しておこう」




-*- - - - - - *-



「なに! フクロウ三人衆が行方不明だと!?」


フロスネン侯爵家直属の執事から耳打ちされ・・司令官クーラスの額に汗がにじむ。

奴らは最強だったはず・・・数々の暗殺と謀略を成功させ続けてきた侯爵家の切り札!


よくも! よくも! 

クーラスは拳を数度、机に叩きつける。


「レシプロン! 弟の仇・・・勇者だろうがなんだろうが、必ず奴を・・仕留めてやる!」



そんな様子を窓から覗き見る影があった。   


それは人の形をしてはいない小さい物体

夏になるとよく見かけ、不快にさせる・・あのお方" ゴキブリ "のようなゴーレム!


もちろんそれはレシプロン製、新しく作った隠密特化型ゴーレムなのだ。


ときおり・・某ほいほい! 小さいがゆえに、ゴキブリ捕獲トラップにひっかかってしまうのはご愛嬌

でも、自力で抜け出せるので問題なしである。


カサカサカサ♪ ゴキブリは走る!  

得た情報をご主人様に伝えるために・・・



そして・・・レプシロンは真相を知ることになった。

「やはりな! 予想通りだ・・・俺の命を狙ったのは・・司令官クーラス!」





一方、"レルンド"の町への空襲作戦を一時中断したノアたち三人組は、新たなる作戦に移行することにした。


その作戦とは・・・王国軍への物資供給路を攻撃すること。

簡単に言えば兵糧攻め!


"レルンド"の町に通じる街道上の橋を片っ端から破壊していくことであった。

( 空飛ぶ箒の空中機動性を活かせば・・・ゲリラ的破壊活動など・・お茶の子さいさい! )


流通の疎外によって町に食糧不足発生 ⇒ もちろん兵隊たちも飢える ⇒ 軍を維持できなくなる。


そう、この作戦によって、王国軍だけでなく、"レルンド"の住民たちも物資不足に陥り、飢餓が蔓延するであろう。

もしかしたら兵士たちによる街での略奪もありうる。そして、住民たちとの対立、暴動! 破壊

これは一般市民たちをも巻き込む作戦なのだ。



" ふっ そんなこと・・知ったことじゃない! 勝つためよ! 勝てば正義。それに一般市民でも敵国人は、撃滅すべき敵! "



などと・・ノアは思ったが、口には出さない!

コサミちゃんに聞かれると・・・ちょっと、あれだからである(信用を失う・・人間性を疑われちゃうもんね)




根本的にノアは・・・冷酷であった。さすが王女様というべきなのか!?

非道でわがまま、自己中心的な兄・・エルドラート王太子と、このあたりは似ていたりしている。

さすが血筋! 兄弟! 冷酷非情! やっぱしあなたは・・まるで魔王ですね! 魔王の血筋! 魔王の化身!


"" あ~なんてことなの! 僕は悲しいよ! 僕のノアちゃんがそんなに悪い子だったなんて・・・ ""


背筋がぞくり! ノアは周囲を見渡す。


「えっ、うち・・何か言われたような気がした!? 何だろ!? えっ!? あっ・・あのお方の」


神の声、いや、邪神様(ナレーション)の声を聞いた気がしたノアは・・少しだけ反省をする。

( ただの幻聴、気のせいなのですけどねw ノアは少しお疲れなのかもしれない )


うん、きっとこれは神託よね! 邪神様からの神託!

邪神様は・・・うん! 良い神様。きっと一般人への危害は避けるようにと言っているのでしょう。


「はい・・邪神様の仰せのままに・・」



という・・・幻聴を聞いたことによって、街道への攻撃、補給路遮断作戦は・・・やめることにした。

そう、ノアは、いい子になったのであるw


そうなると、別なる作戦を考えなくてはならないのだが、とりあえず王国軍に対しては、一時保留とする。

別の事が気になり始めたのだ!


「ノア様・・・どこへ行かれるのですか!?」


「そうだね・・イジャル君のことが気になる。帝国方面に少し行ってみるつもり」



"レルンド"の町にそれなりの損害を与えた。町のあちらこちらで火災が発生しているようだ。

カイラシャ王国軍はしばらくの間・・この町に釘付けとなるであろう。

兵糧攻め・・補給線の断絶がおこなえなかったのは残念だが仕方がない!



そう、ある程度の戦果をあげたので ノアたちは様子見をかねて帝国方面へと、向かうのであった。






--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


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