表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/106

帝国が動く


カイラシャ王国の西方に位置するヴルティリア帝国。

その国境は・・キヨウラ公領の境にも接していた。



その帝国内において、キヨウラ公国に最も近い町・・・ローラン。

町の規模はさほど大きくなく・・・ありふれた地方都市である。


そんな地方都市に・・・ありえないほどの荷馬車隊が行き交っていた。


積み荷は・・・食料、武器、鎧、魔石など山積み状態、兵士たちも多数集結。


そう! ローランは活気にあふれかえっていた。久々の好景気・・住民も商人も大忙し!


しかも、帝国における最高指導者・・帝国を支配する人物・・そう! ヴルティリア皇帝まで姿を現したという。


一体何が起きようとしているのか!? それは戦い・・戦争!

しかも皇帝直々の出陣・・・親征である。





キヨウラ公国情報部・影忍(影の猿軍団)の報告によれば、軍事行動の兆しがあるという

カイラシャ王国の混乱につけいる腹積りなのだろう


行き交う物資の量からの推定で おそらく動員している兵力は4万!


セェルンの本営にて・・・影忍モンキーハンゾウからの報告を受けるイジャル公王


「たしか現在の帝国は皇帝ユゼン、即位してからまだ日が浅く・・・・国内を安定されていないはず」


「はっ! 財政及び司法問題などで・・特に帝国議会との対立が深刻だと伺っております」


「・・・とならば」


イジャル公王は顎に手を当て・・・ため息をつく


「皇帝権力・・威信向上のために、我らを餌食にしようというのか・・・」


「残念ながら、そのようでございます。 ユゼン皇帝は・・・輝かしい戦果によって議会を抑え込みたいのでしょう。」


「公国の背後をつく算段か! 戦力も少なく・・簡単に倒せる相手だと見くびられてしまったようだな!

・・・噛ませ犬だとおもわれているのだろう!」


イジャル公王は・・・・苦笑いを浮かべる。


別の報告では・・・カイラシャ王国軍、10個師団・6万がこちらに向かって北上中だという。

そちらも対処しなければならないのに・・・背後から帝国軍4万とは!


もしかしたら裏で繋がっており、連携しての挟撃の可能性もある!・・・一応それも考慮しとくとしよう


どちらにしろ、こちらの戦力は資金をかき集め傭兵を雇い・・・1万、無理して2万というとこ!

しかも訓練不足のため連携もとれない。

だが・・・・やりようはあるのだ。 


そう、これは試練だ!

この危機を乗り越えれば、公国の地盤を固めることができる。

一国を勃興させるのだ・・この程度の敵に怯むわけにはいかない!


「よし! 戦いを挑んでくるなら・・・受けて立とうじゃないか!」


「しかし・・・敵の戦力は巨大です」


「心配はない! 策はある」



◇◆*◇◆◇◆◇◆◇*◆◇



・・・・などと、影忍モンキーハンゾウの前で大口を叩いたものの・・・策など考えていなかったのである。

ということで、ノアやソン・ゴクンなどの主要メンバーを集めての作戦会議が開かれた。


カイラシャ王国軍6万とヴルティリア帝国軍4万に挟まれているのが今の現状。

この両軍、連携しているのか・・そうでないかは不明ではあるが・・こちらに進軍しているのは間違いない。

はたして・・どう対処すべきか!?



「敵の到来を待つなど愚の骨頂・・機先を制すべし、先制攻撃! 領内で迎え撃てば、国内が荒らされますぞ」


威厳と深みのある声で発言したのは・・猿たちの大ボスでもあるソン・ゴクン。

彼は先制攻撃主義を提案、攻撃される前に敵地で決戦することを主張した。



「そうですね! 魔導の乱射で、敵を片っ端から吹き飛ばしてあげますよ。敵が集まっていれば・・それだけ吹き飛ばし甲斐があるもの」


ここでも好戦的なことを言い放ったのはノア。コーヒーバブルボムの爆発力に期待してるのであろう。


『 攻撃こそ最大の防御っす! 先手先手を打っていくっす 』


ドラゴンたちの代表という名目で参加しているシルンちゃんも好戦的意見をだす。

しかもエル兄弟の二人も同調して首を振った。

他の参加者も、概ね賛成のようである。


全員・・・血の気が多すぎる。血気盛ん!

これぞ、若さゆえの無謀さ、そして・・・


「なるほど、皆の意見は積極的攻勢をすべし・・なのだな、ふむ! 僕も賛成だ。」


イジャル公王も同じく先制攻撃主義であった。

誰一人として・・籠城策を出さなかったのである。


いや! 事務方のアランスは若干、顔がひきつっていたが・・反対意見を出すことはなかった。



それは仕方がないことなのだ!

そう!ここで守りに入れば包囲され・・・兵糧攻めになるのは明白。

いや! それ以前に・・・守りの硬い城も砦もない。簡単に落とされる。

撃って出るしかないのだ。守りに入れば・・・滅亡しかない。




ノアは・・影忍からの情報をもとにした資料をペラペラとめくり・・目を細めながら恐るべきことを口走る。


「帝国軍は親征するらしい。ならば・・その皇帝を狙おう。次に王国軍司令官、ついでに王国王太子、ふっふ・・勝利とは撲殺なり!」


テロリズム満載のノアの撲殺発言・・・・異世界的に言えば桶狭間思想、敵大将・今川義元を倒せば、数の不利など関係ないのだ!



そんな討ち入りというか切込み案に対して・・イジャル公王は眉を細める。


「ノア様! 簡単に言うが、容易なことではない! 敵の懐に潜り込むだけでも一苦労・・・なのだが! しかし・・」


公王は深く息を吐き、そして虚空を見ながら目を瞑った。


「そうだな・・・それしか勝てる方法はあるまい! その作戦でいこう! 斬首作戦だ!」


これは・・・敵陣を突破していき、目標となるターゲットを仕留める作戦

かなり危険で至難の業、包囲され壊滅されてしまう可能性が高い。


そこで重要になるのは、敵の情報を得ること!

目標となるターゲットが、どこにいるのかを知らねばならない。

そうでないと・・やみくもに斬り込んでいくことになる。

というわけで、次に発言したのはソン・ゴクンであった。



「ならば・・影忍を総動員させ、目標となる人物たちの動向を探らせましょう」


公王は深く頷き・・了承する。

「そうだな! 情報はなによりも重要だ・・・居場所が分からなければ何もできない。最重要任務だ! たのむぞ!」


「我らに、おまかせくだされ!」


ソン・ゴクンは自身あり気である。猿たち影忍にとっては・・朝飯前なのだろう。

そう! 彼らはどこにでも忍び込む。

時にはペット猿、時には野生猿・・・時には伝書猿、

手段など選ばない。目的とする情報を確実に持ち帰ってくるのだ!



その後、会議は続き・・いくつかの作戦案が提示された。

ちなみに・・おもに作戦案を出したのはノア・・・それから、ソン・ゴクン


議論と提案が繰り返され・・そして


「この作戦で決定だな!」

公王イジャルは承諾し、軽く机を叩いた。


「第一斬首目標は・・ヴルティリア帝国皇帝ユゼン、その間、王国軍に対して遅滞作戦を取る。

そして、帝国軍を撃破した後に王国軍に対処することにする」


その後・・いくつかの作戦方針を語り終えた後・・・参加者全員が賛成の意を示した。

もちろんノアも賛成し・・・しかも! 重要な任務も請け負った。


「帝国と戦う前に・・王国軍の遅滞作戦! いいよね! うちにピッタリな任務、それに・・コサミちゃんの魔法にも期待できそう」


ノアの口角が跳ね上がった。

ちなみにコサミちゃんは出席してはいないが、作戦には強制徴集である。

可哀想だが・・ノアの 家臣(弟子)なので仕方ない。試練なのだ!

今頃・・コサミちゃんに悪寒が走っているかもしれない。


ノアのにやけ顔を見て苦笑い気味の公王だが・・王国方面はノアに任せたのだ。


「ノア様には・・・思い切り暴れてきてほしい。」


「了解です! おまかせあれ」









--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ