天元突破の悪逆魔王ノア
デルテ二ア邦伯による三顧の礼によって勇者・レシプロンが降臨!?していた頃・・・
キヨウラ公国の領土となったセェルンの町で・・ノア(勇者に退治されるらしい魔王)は・・・暴れていた。
特装警察部隊を率いて・・・悪徳な商人、賄賂な都市議員などを検挙、捕縛、ときには大乱闘、ドカドカドカ♪
片手にもつ魔法の杖が赤く血で染まっていた。
今日もノアは戦いつづける。
町のために、公国のため・・人民のため・・
そして・・・軍資金確保のため!
ここは悪徳にむしばまれた町・セェルン! 絶えることなき犯罪者たちに挑むは正義の使者・・特装警察隊♪
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ってなことで・・やり過ぎたノアは町の住民から恐れられていた。
とくに・・満面の笑顔で魔法の杖を握り・・高笑いをしながら振り下ろす姿は・・・どうみても魔王だった!
ノア・・・すなわちフィレノアーナ王女は噂通りの傍若無人、手加減無用の悪の化身だったのか!?
( カイラシャ王国上層部では・・比喩ではなく本物の魔王として認定されてます )
「うっぬぬぬぬ・・なんてこと! 正義のため、犯罪者を検挙しているのに、なぜ悪評が・・!」
ノアは壁ドンしながら・・・悩む。ドンドンドン♪
そして・・・閃いた!
うちの評判をあげるなら・・・住民たちの胃袋を掴むのよ! 食べ物で買収!
そう! おいしいチョコを無料配布して好感度アップ! 愛されアップ! 可愛くアップ!
そして・・・住民たちはニッコリ♡
ついでに邪神様の教えを広めて一石二鳥
なんて良きアイデアなんだろう・・良きかな良きかな♡
ノアの好感度アップ計画・・その名は・・・
=== 世界のおいしさ! コーヒーチョコの祭典 セェルン祭 ===
さぁ・・祭りの開催だ! 住民たちも喜んでくれるに違いない! そして・・支持率アップ!
ノアはさっそく・・兵士たちに手伝ってもらって、計画を進めた。
町の広場のあちらこちらに祭りの横断幕がはためく。
イジャル君にもお願いして、音楽隊を派遣してもらった・・・広場に楽しい音楽が流れる。
♪ ♪ どんちゃん とんちゃん とんちゃん ♪ ちょこ ちょこ ちょこ ♪
シルンちゃんには花火の幻影魔法・・・・ドカーン! ドカーン! 広場上空に大きな花が咲きほこる。
なんと美しきことかな!
コサミちゃんは水芸魔法で・・・いくつもの噴水を披露! 光が反射しキラキラと虹がかかっている。
なんて幻想的なのだろうか!
( 訓練によって 以前のように洪水を引き起こすことはないので ご安心をw )
こんな騒ぎが町の広場でおきているものだから・・・なんやかやと住民たちが集まりだした。
広場会場では・・・即効でつくった簡易な社殿に・・鳥居、しめ縄、なんやかやのオブジェクトw
まるで、どこかの神社だ! 祭りだ!
楽しげな雰囲気に、住民たちもガヤガヤ♪
そこへ猿たちに頼んでいた・・コーヒーチョコの象徴、ご本尊でもある邪神様の銅像を広場に設置してもらった。
そう、もちろんのこと、ビキニ姿! しかも!大きい胸を強調したような姿となっている。 ボヨヨ~ン♪
「「おっ~! ぐぅおおお すごい なんて神々しい!」」
住民の男たちは・・もちろん注目していた。見入っている! あげくに奇声まであげている。
ある種の信仰に目覚めたのか!?
そう・・このデカ胸で男たちの信者を獲得したようだ!?
というか・・スケベだね~w
だから男というものは・・・
なんて思いつつ・・ノアは自分の胸と銅像を見比べた。
「・・・・・うっ」
見なかったことにした!
うん! きっと、うちも成長して・・数年後には あれぐらいになってるはずだ!
「・・・・」
それはそれ・・胸の大きさを気にしつつ祭りの開始である。
ノアは魔法を詠唱した・・・「 美味しいチョコでチョコザイナ! たくさん出でよ! 」
板チョコの召喚である・・・しかも連続大量召喚!
ノアの目前で空間がゆがみ、そこから排出される板チョコ・・わんさかわんさか山のように積もっていく
質量保存の法則などあってなきがごとく!
あれからレベルが上がり・・今ではかなりの魔力量となっているノアにとって・・この程度はお茶の子さいさい大量召喚!
ちなみに・・このチョコ、一般人に配るため 身体強化作用のない普通のチョコを召喚しています。
安全に配慮したのですよ! それに美味しさは折り紙付き
ただし・・残念なことに、この世界の住民にとって、この板チョコは見知らぬ食べ物・・・黒くて怪しげな物体に見えてしまう。
そこで・・すこし手を加えることにした。
板チョコを熱で溶かし・・様々な型へと流し込むことで、
ハートや葉っぱ型、動物の形など、エトセトラ♡エトセトラ♡ 様々な形のチョコレートを作ることにした。
これで・・住民たちは興味をもつはず。食べやすくなったはず!
神殿の奥で密かに・・これらチョコ改変作業を兵士たちや猿たちの協力を得て・・迅速に行われていくのであった。
甘い香りが漂い・・・胃を刺激する。
つらい人にはつらい環境かもしれないが・・・一部の兵士がつまみ食いしてるようだw
そして・・神殿の外側、ご本尊・胸デカ邪神様像の膝元、授与所にて・・チョコの無料配布が行われることになった。
お祭り騒ぎだということで・・割と人が並んでいる。
無料配布という看板と・・社殿から流れてくる甘い香りに誘われたのだろう。
親子連れもいて賑やか・・出足が良い感じである!
ノアも、もちろん参加! 配布側で・・・・
Tpoに あわせてノアの衣装は巫女服! どこかの福娘のごとくアピールする!
可愛らしさを醸し出し・・・住民たちに笑顔でチョコを渡す魂胆なのだ。
"" うちは魔王じゃないよ!悪の化身じゃないよ! 可愛い巫女さんだよ ""と強調するがごとく・・
だが・・住民たちは誰も、ノアの受付ブースに並ばなかった。
やはり、恐れられていたのである。
どんなに可愛く演出しても・・・サイコパス娘を避けたのであった。
ついでにいうと・・・受付ブースの壁に赤く染まった魔法の杖を立てかけていたのも原因であろうw
「うっぬぬぬぬ」
まさに・・・閑古鳥!
ちなみに・・・おとなりのブースは大繁盛だった。
そう、おとなりは・・シルンちゃん!
モフモフで可愛い上に・・手乗りドラゴン用の巫女服まで着せられ・・
小さい手でチョコを手渡す姿は、なんてプリティなこと・・!
もちろん・・お子様に大人気、子供達を中心に行列がつくられている。
わいわいがやがや・・賑やかだ!
ノアは羨ましそうに・・・お隣を見た。
また、その向こうの隣では・・・コサミちゃんの列にもそれなりの行列!
同じく着用している巫女服効果なのか!? 目つきの鋭さが逆にチャームポイントにかえてしまい・・・
・・住民たちというか男たちに大人気らしい。
なかには・・・デートをさそってくる男もいるとか!? なんてうらやましいの~!
それに引きかえ・・・ノアのブースは・・・暇だった。
「うち・・・悲しい!」
日頃の行いを反省すべし・・
・・・しかし、そんな閑古鳥状態のノア・ブースに黒ずくめの怪しい男たちが数十人、入り込んできた。
周りにいる人たちも・・彼ら異様な男たちを恐れたのか・・後ずさりして距離をとる。
だが・・・ノアにとっては初来客なのだ!
実に、うれしい!
ノアにとって もはや誰でもいい・・・うちのチョコを手渡せるのなら 怪しかろうが・・魔獣だろうが・・大歓迎なのだ。
漫勉な笑顔となるノアは・・・黒ずくめの男たちに歓迎の声をあげようとした瞬間!
悪寒を感じた。いや! 殺意!? 危険の兆候!
ノアはすかさず・・・詠唱を唱えた。ある種の危機回避能力である!
「チョコアーマー」
すると・・目前の空間が歪み 板チョコを連想させるような盾が出現すると同時に・・・バシッ! という鈍い音がした。
盾に数発の矢がささったのだ!
あの黒ずくめの男たちの手には・・・クロスボウ!
そう! 彼らは・・チョコを貰いに来たのではなく ノアの暗殺が目的だった・・・暗殺者!
まさに秒間の判断で命拾いをしたのである。
(身体強化してなかったので本当にヤバかった!)
いや! もしかすると・・ノアのスキル" ラッキーカード "のおかげだったかもしれない。
「うちをノアと知っての・・所業なのか!」
黒ずくめの男たちに向けて・・ノアは鋭い目線で問いただす。
「我ら・・・ナイトヘル、お前を斬る!」
男たちは・・そう叫ぶと、クロスボウを投げ捨て、鞘から剣を抜き出し・・・ノアに向かって突っ込んできた。
殺意! しかも強烈だ!
彼ら男たちは・・・ノア率いる特装警察隊によって壊滅した闇奴隷ギルド" ナイトヘル "の残党だった。
恨みによる犯行・・・または復讐なのか!
だが、もちろんノアは怯まない・・・それどころか 猛烈な怒りが込み上げてくる!
「奴隷売買など・・・人間の所業ではない! 地獄に落ちろ」
ノアは叫んだ。
そう! あの闇組織" ナイトヘル "に捕まっていた少年たちを思い出したのだ。
やせ細り、しかも・・痛々しいムチの傷跡!
なんて惨い! 許さん!
「 生まれし氷結、アイスバレット 」
詠唱とともに、手のひらから・・サッカーボールほどの氷結玉が生み出され・・そして、勢いよく放出された。
邪神様から与えられた魔法以外の一般的水系魔法・・・アイスバレット
先日から使えるようになったので・・さっそく実戦投入!
しかも連射可能なため・・・使い勝手がよい!
そう! コーヒーバブルボムのように範囲爆発で一般人に被害を出さない魔法なのである。
ズドドドォォォォ パシュン!
機関銃のような連射・・・突っ込んでくる男たちは避けようがなかった。
彼らは魔導師などではなく・・・ただの一般的犯罪者・・ザコである!
容赦なくアイスバレットが命中・・・男たちは吹き飛ばされていった。
このアイスバレット(氷結玉)には、吹き飛ばし効果があるようで・・50ルトメ程吹き飛び壁に叩きつけられたようである
「「ぐぅぉぉっぉぉぉぉ」」
「「くそ! この悪魔め」」
悲痛な叫び・・・いい気味である!
もっと悶えろ! もっと苦しめ! とノアは男たちを睨む。
まわりの住民たちは突然の喧嘩!?または騒動に困惑しつつも・・遠巻きにして見守っていた。
そう・・・見守るだけである。
決して介入はしない! できない! 危険すぎ!
この騒動の一端に・・・あの危険な 女魔導師がいたからだ。
警察部隊を率い・・合法的に撲殺しまくっていた・・・あのサイコパス女!
へたに近づくと巻き込まれかねないのだ!
そんなわけで・・どうしても住民たちに恐れられるノア! ちょっと悲しい
でも・・コサミちゃんとシルンちゃんは・・何があったのかと…すぐに駆けつけてきてくれた。
やっぱしこの二人は仲間である。ちょっと嬉しい!
だが・・・そんな二人が見たのは・・・吹き飛ばした相手の男を踏みつけ・・仁王立ちし・・高笑いをするノアの姿であった。
「ふにゃはっはっは 正義は勝つのよ! これぞ天罰」
ノアはご機嫌な様子・・・周囲の住民たちはドン引き!
そして・・・呆れるシルンちゃんとコサミちゃん。
だが・・ここで次なる危険・・・・第二の刺客が現れた!
ゴキブリは・・・一匹いたら・・10匹はいるのであるw
「我ら・・・ナイトヘル、覚悟しろ!」
再び、奴らの残党登場・・そして、襲いかかってきた。
ノアはすかさず詠唱して・・チョコアーマーで防御、
再びアイスバレットを乱れ撃ちして・・・みごとに退治した。
「正義は再び勝つ! ふにゃはっはっは」
・・・と再び高笑い!したとたん、またまた第三の刺客に襲われることになった。(その後、5度ほど)
コーヒーチョコの祭典・セェルン祭というより・・・
ノア襲撃祭典となったのである。
「ふにゃはっはっは・・・何度でも襲撃してこい 片っ端から退治してやる」
ノアの叫びがこだましたという。
そして 住民たちのドン引き・・・そう、住民たちは女魔導師ノアを、恐ろしき存在だと再認識したのであった。
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)