表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/106

外伝・邪神コーヒーチョコケーキの人類滅亡! 


暗雲が低く垂れ込めているが、雨はまだ降ってはいない。

どんよりとした空模様に滅入ってしまうのだが・・・地上の方は、もっと気分が悪くなる!


微かに見える地平線の向こうから、平原を埋め尽くすほどの黒い物体が、こちらに迫ってくるのが見えた。

それは魔獣・・魔獣の大群だ

オークやゴブリンはもちろん、ハーピーやスフィンクスなどの強力な魔獣もいる。

中にはドラゴンやキマイラといった恐ろしい存在も混じっていた。

敵の数はおそらく数百万にも及ぶだろう。


そうです! これら魔獣軍団は・・人類を滅ぼすもの、人類の生存圏を脅かす危険な存在!


人類は追い込まれていた! もはや最後の砦は・・・このイズモシティ! 絶対防衛ライン

ここを突破されれば・・人類は滅亡するであろう。



世界中から集まった強者たちが、人類最後の砦・・・この地に集う。

名のある騎士たち、ダンジョン踏破のエキスパート冒険者、世界最強の名をもつ魔導師や陰陽師・・などなどの英雄たち

彼らは・・・必勝の構えで待ち構える。

絶対に負けられない! 後が無いのだ。人類の生存をかけた最終戦争、ハルマゲドン!





無数の光の矢が空を割き地上に落下、小高い山を粉砕し・・大爆炎を起こす。

しかし、それでも魔獣の進撃を阻むことができない。


魔導師たちは必死に魔法を放つ、だが・・敵は怯まないのだ。

そのままの勢いで突っ込んでくる。


各所で人類軍と魔獣たちの戦いがはじまるのだが・・・押されている! 初っ端から劣勢なのだ!

英雄たちは焦る!魔獣たちの皮膚はいつもより硬く、武器がなかなか徹らない。


そう! これら魔獣たちは一般の魔獣たちとは違い・・レベルアップしたアドバンストタイプ!

・・・通常の3倍は硬くなっていた。



雑魚キャラとよばれているゴブリンでさえ・・手に負えない強さ。

もはや雑魚と呼べないレベル・・それどころかボス級!


騎士や冒険者たちは次々と切り裂かれて倒れていく。血と肉片が飛び散り、悲鳴と咆哮が鳴り響く

ほぼ一方的な戦い、人類側の人員が・・瞬く間に磨り減っていく。


「守れ! 逃げるな! 何としても守り抜け!」


焦る英雄たち・・・・ここは何が何でも死守するのだ。

ここを突破されたら・・・人類は滅亡する!





だが・・・この時、神が舞い降りた。


いや! 邪神が舞い降りたのだ。


雲の切れ間からスポットライトのごとく光が降り注ぎ・・ゆっくりとした速度で降り立つ一人の女性。

演出もバッチシ・・・まさに真打ち登場というところなのか!?


しかもその彼女・・・きわどいビキニアーマーを着用している・・・しかもスタイルも抜群! 顔も絶好調w

彼女は邪神・・・この世界て唯一、神族という種族をしている人物なのだ。



多くの男性達は別の意味で注目していた・・・多くの女性達は白い目で注目していた。

(^_^;)そんなこんなの訳ありな注目など気にせず、彼女は人類軍の英雄たちに対して 笑顔でサムズアップの勝利宣言!


"" もう安心していいよ! これらの魔獣は全て・・神たる私が撃ち滅ぼす。人類は救われたのだ ""的なジェスチャーをした。



死闘を繰り返す英雄たちは・・・この危機的状況の中での神の降臨に! 力がみなぎり、勇気を取りもどす! 

これで・・・助かる! 人類は救われるのだ!! 憎き魔獣を撃ち滅ぼせる!・・・そんな希望を抱かせた。


人々は・・・熱狂し彼女への賛辞が響き渡る。




一方・・・邪神たる彼女は詠唱し・・・とある大魔術を発動したのである。


それは・・・メテオコーヒー! コーヒー豆!

ただし、普通のコーヒー豆ではない、直径10kmを超す超巨大コーヒー豆の隕石なのだ!


そう! かつて恐竜を絶滅に追い込んだあの隕石に匹敵する凶悪なコーヒー豆、

そんなコーヒー豆が・・・魔獣軍団の中心部に向けて自由落下していく。


ドッドドドドドグゥォォォオォォ


爆発と共に、香ばしい香りが広がった!

地殻がわれ・・熔岩が吹き出し、 隕石(コーヒー豆)の破片が空を覆う。

・・そして、魔獣軍団は、一瞬で消し飛んだ。


人類に仇なす・・魔獣が壊滅したのである! 人類は救われた!

・・・・と思ったら無茶苦茶甘かった!


そう! 魔獣軍団とともに・・・人類も同じ運命をたどるのである。


== 9999年この惑星はコーヒー豆の香り良い炎に包まれた。そして・・・人類も死に絶えた ===



「「 なんでやねーん! 」」

「「 おい!こら! 話が違うぞ・・・ 」」


怨嗟の声が鳴り響く中・・・人類は滅亡した。


そう! 彼女は邪神、決して良い神ではない。

目的のためなら手段を選ばない神、一切の躊躇もなくこの惑星を滅ぼした邪神なのである。






-*- - - - - - *-


これは先日、VR-MMO"" 戦国乱闘!血と肉のオンラインバラード "内で開催されたゲームイベント"" 人類SOS、魔獣ハルマゲドン ""で・・・・

コーヒーチョコケーキ(邪神)氏がやらかした人類滅亡END


敵を味方ごと滅ぼすという結末にゲームプレイヤーたちは大ブーイングと大反響、ネットで大騒ぎ、巷をにぎわす話題となった。

さすが邪神というわけである。ダテに邪神をしているわけではない。


触らぬ邪神に祟りなし・・・コーヒーチョコケーキ氏に援軍を頼んだ時点で・・・邪神パワーによる人類ENDは確定していた。



うっううう・・・まさか、あの程度の魔術で惑星滅亡とは思わなかったよ!

元来のメテオコーヒーは・・・ほどよい威力でつかえる広範囲魔法だったんだ。

まさか・・・邪神にジョブチェンジしたとたん・・メテオコーヒーが人類滅亡魔法になっていとは・・・とほほほっ~



ちなみに・・・人類滅亡したからといって・・・この" 戦血バラ " がサービス終了になるわけもなく・・・

次の日には ちゃっかり人類は蘇っていたりするw





P.S. コーヒーチョコケーキ氏は男性キャラなのに どうしてビキニアーマーで登場したかって!?

決まっているでしょ! あの異世界に行ったことが きっかけとなって癖となり・・・性別変換、女神な邪神になったのだ!




◇◆*◇◆◇◆◇◆◇*◆◇



そう! 俺の名は・・"コーヒーチョコケーキ"


剣と魔法が織りなす和風テイストの世界を舞台としたVR-MMO"" 戦国乱闘!血と肉のオンラインバラード "のプレイヤーなのだ。

しかも十数年も続けている最古参・・・しかも廃人、いや! なんてことを言うのだ! 違うぞ!

俺はごく一般的な普通のプレイヤーなのだ! 本当だよw


まぁ・・それはそれ! とにもかくにも・・このゲーム内におけるただ一人、唯一の神族、いわゆる邪神をしている。

自慢ではないが・・・俺がこのゲームのトッププレイヤーなのだ!



そんな俺なのだが・・・とある怪異な現象に遭遇してしまった!

邪神にジョブチェンジ・・いや! 種族チェンジをした時のことである。


そう! なんと、邪神になった途端、あの世界! 異世界に飛ばされてしまったのだ。


もちろん、ゲーム内の話ではなく、リアルに別の世界ってことだ!

俗に言う・・異世界転移! 都市伝説で語られるオカルト現象が起きてしまった!


ハッキリ言って・・・めちゃくちゃパニックった!

もう二度と、元の世界に戻れないのではないかと焦り、俺は絶望した。


いくらファンタジー世界が好きだからといって・・・リアルに住むには過酷過ぎる。

現代人に中世世界は無理ゲーなのだ。これは一種の死刑宣告・・・・!! 


だが・・すぐにそんな懸念がないことが分かった。

頭に装着しているヘッドセットを外せば・・・元の世界、なんの変哲もない俺の部屋に戻った。


そう! ヘッドセットを装着している時だけ転移をしているらしい。

いや! 転移とは言わないのかもしれない。

ゲームのアバター身体に俺の魂を乗せて・・あちらの世界に行ってただけで、俺の 身体(本体)は元の世界にいるようなのだ。



そんな怪異現象で 向こうの異世界で飛ばされた時、俺は一人の少女に出会った。

その少女は・・・生贄として殺されかけて・・いや! すでに殺されていた!

赤い血を流して脈も止まっていたのだ。

俺は慌てて・・少女を蘇生し生き返らせた。



少女の身体は ガリガリにやせ細り、まるで少年のようだった。

特に胸が・・まったく成長していない様子、しかも記憶喪失でなにも覚えていない。


弱々しい、なんて薄幸なんだ! 俺は同情した。

そして、俺はゲーム内で手に入れた様々なアイテムを少女に渡した。


少女は俺に感謝していた。邪神様と言って感謝してくれた。

どうやら・・・俺を邪神様だと思っているらしい。


・・・たしかにゲーム内では邪神だったのだが・・・まぁ それはいいだろう。

悪い気はしない・・・しかも、俺の使徒第一号になってくれた。

邪神冥利に尽きるってことだ。



-- -- -- -- -- -- -- -- -- --


あ・・あぁぁ! それにしても・・・・今頃、あの少女はどうしているのだろうか!?

うまく生き抜いているか・・・気になるところである。


ちなみに・・・俺が異世界に転移したのは、あれ一回のみ、

次の日、このゲームにログインしたら いつもやってるゲームの世界だった。


いつもの" 戦血バラ"・・・いつもと変わらない。


いや! 一つだけ変わったことがあった。

ゲーム内メール、そう! プレイヤー間でメールやアイテムを送ったり受け取ったりできる便利機能なのだが・・・

そのメールに、見知らぬ名前が入っていた。


"フィレノアーナ"


この名前はどこかで聞いたことがある。そうだ!異世界で出会った少女の名前だ。

まさか・・・なぜ!?

とにかく、ゲーム内アドレスにあの少女の名前が登録されているのは間違いない!


それならばもしかして・・・あの少女にメールを送れるかも!?


よ~し! ためしに何か・・・送ってあげよう!


俺は・・・先日、ゲーム内イベントに参加し・・・人類を滅亡させたw

ハッキリ言ってバッドエンドの敗北イベントだったせいか・・・・参加賞程度しかもらえなかったのである。

その参加賞の景品が・・・・"魔除けの護符の詰め合わせセット"だったのだ。


たぶん、俺が人類を滅ぼしたので・・・多くの人達に恨まれている。

その恨みから守ってもらえるアイテムらしい・・・(意味不明)


とりあえずこの護符を送ってやろう! きっとあの少女の役に立つかもしれない。

・・・とはいっても、無事に送れるのかも不明でもあるが・・・・・なんせ異世界への宅急便だからねw






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ