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外伝・リンカアン戦争


夜空を赤く染める炎、武器を手にする住民たち

・・・そして、「「殺せ! 殺せ!」」の大合唱が鳴り響く。



ここはカイラシャ王国の片田舎・・・ハウス男爵領リンカアン、

現在、町は炎に包まれていた。狂気と憎しみによって燃え上がっていた。

略奪・・破壊・・殺人・・放火・・


これは・・・あの事件、アルゲルンの町で起きた暴動が呼び水となり、地域全体へと飛び火した結果の一例てあった。



この町の領主・・ハウス男爵は一連の暴動事件に 大変な危機感を募らせていた。

ハッキリ言えば・・身に覚えがあり過ぎるのだ。

重税に不正、ついでにもみ消し・・・ゲルンラン城伯ほどではないが、それなりの悪行をしていた。


そう! いつなんどき・・・住民たちが歯向かってくるかもしれない。

一揆の可能性だ!


男爵は・・・もしもの時に備えて 傭兵を雇うことにした。

強力な武力が必要なのだ!


・・・・と思ったのだが、なんとなく心変わりをして・・・雇うのはやめた!

お金がもったいない。傭兵はお金がかかる。

手持ちの資金が減るのは なんかいやw



そこで・・・町の住民たちを強制的に徴兵することにしたのである。


もちろん・・・この徴兵に住民たちの拒否権はないし・・賃金も出さない。ただ働き!

傭兵じゃなく住民を兵隊にすれば・・お金を払わなくても良いのだ! なんて素晴らしき事!


男爵は自らのアイデアに満足していた。


ただし武器の支給だけはしてやった。

そう! 武器がなければ・・・戦えない! 武器の支給だけはしたのである。



そして・・・その結果、その武器を持った住民たちによって暴動が発生! ハウス男爵領リンカアンは炎に包まれることになる。


暴動を起こすかもしれないその住民たちに武器を持たせ ただ働きさせようとしたのが最大の原因!


「 あの男爵は不正や重税で私服を肥やしに肥やしまくっている! もう、やるしかない! このビックウェーブに・・ 」

とある男の発言によって このリンカアン騒動が始まったという!



せこすぎるハウス男爵によって巻き起こった大騒動! これが世にいう・・・リンカアン戦争のはじまりだった!



-*- - - - - - *-


リンカアンでの暴動発生の知らせを受け・・・この地に派遣していたカイラシャ王国軍8万のうち、一個師団6000人をすぐさま派遣した。

そして・・なんと!予想外の出来事がおきてしまった。

壊滅したのである!

王国軍6000もの兵力が・・・・たかだか、地方の暴動ごときに粉砕されてしまったのだ。



まさに異常事態! 王国派遣軍の将軍たちは動揺した。

精鋭のはずなのに・・なぜ!? まさか!? 奴のせいなのか!?

あの逃亡王女フィレノアーナの仕業かと勘ぐったのだ。


そう! 王太子を爆死寸前においこみ・・・王宮を破壊!

ドラゴンを呼び寄せ2個師団12000名を壊滅させた・・・あの王女! 宇宙大将軍! 悪魔に魂を売った女!


フィレノアーナ王女なら・・・これぐらいやりかねん! 6000程度の兵力で歯のたつ相手ではなかったのだ!


「なんて恐ろしい・・・王女!」


派遣軍の将軍たちは・・・見えない敵! 立ちふさがる王女の影に恐怖することになった。



実際のところ・・王女は全く関係していない。

現在の王女は空飛ぶ箒で遊覧飛行中・・・・




リンカアンの町で王国軍一個師団を撃破したのは・・・王女とは関係ない人物だったのだ。


この地で・・・暴動を扇動し、王国からの独立を目指すビリアーナ解放戦線!

彼らは密かに戦力を整え・・・川辺を進撃するカイラシャ王国軍に奇襲攻撃を仕掛けたのであった。


魔導攻撃による煙幕で視界を奪い・・そこに襲い掛かる弓矢の雨、得意の長弓攻撃!

そして、最後のとどめのごとく堤防を決壊させ王国軍を洗い流した。


歴史書、原初年代記ですら・・・戦闘の詳細は書かれておらず不明点が多いのだが・・・

・・・ビリアーナ解放戦線のリーダーの名前だけは記されていた。


その名はエイラル・セイメイ、またの名を"ビリアーナ・ザ・キング"

かつて存在していたビリアーナ王国の末裔だとされていた。




「セイメイ殿 やりましたな!」


「いや! まだ敵の一部を撃破した程度・・・戦いはこれからだ!」


丘の上から・・濁流に流されていく敵兵の姿を彼は冷静に見つめていた。

これから始まる過酷な戦い。これから起きるであろう残酷な戦場!


だが・・・やり遂げねばならない。

自らの手でビリアーナ王国の再興を目指すのだ。



「敵はカイラシャ! 我らの故郷を奪い、我らの民を苦しめた。今こそ反撃の時だ!」


彼の声に応えて、2000名の兵士たちが剣を掲げて唸り声を上げる。


「「ウォー! ウォー! 」」

「「ビリアーナ万歳! ビリアーナ万歳!」」


彼らは忠実な兵士たち!

彼らと共に独立の夢を追う。


「我に続け!」




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