エピソード6:hearts leaving②
文中に、女性に対する差別的な用語が出てきます。
苦手な方は無理をしないでください。
政宗からの連絡を受けた統治が、櫻子と共に政宗の部屋へやってきたのは、15時を少し過ぎた頃だった。
途中で手土産としてリーフパイを買ってきたとのことで、とりあえず、4人で座っておやつタイムである。
「へー。本当に葉っぱみたいな形しとるんやね」
ユカの目の前にあるリーフパイは、表面に砂糖がコーティングされ、パイ生地が何層も重なっている、葉っぱの形を模した洋菓子だ。しげしげと観察したユカが、いざ食べようとパッケージを縦に大きく開けた瞬間……残り3人が「あっ」という表情で彼女を見やる。
「え? え? な、何?」
「ケッカ……そうだな、これは、先に言わなかった俺たちの落ち度だ」
「なんね政宗、どういうこと?」
もったいぶって語る彼に、ユカが怪訝そうな眼差しを向ける。すると政宗は自分の目の前にあるそれを手に持った後。
「いや、食べ方は人それぞれなんだけどさ、一例ってことで」
こう前置きしてから、パッケージを開ける前にリーフパイを2つに割った。そして、改めて開封する。
「ここのリーフパイ、サクサクすぎるから……こうやって先に割って食べたほうが食べやすいんだよ。少なくとも俺はそうしてる」
なんと。目を丸くしたユカが、対面に座っている統治と櫻子を見ると……2人も政宗と同様に、先に割ってから食べるとのこと。そんなに何が違うのかと懐疑的な気分のまま、ユカはとりあえず、リーフパイにかじりついた。
次の瞬間……テーブルの上に、割れ目から勝手に派生して勝手に剥がれ落ちてしまったパイ生地が、花びらより無惨に散らばってしまう。
「ふぐっ!?」
その散乱力(?)は想像以上だ。そして、パイ生地を噛んでみると、予想を遥かに上回るサクサクっぷりだったので……こうなるのもしょうがない、と、納得してしまう自分もいる。
味は当然のように美味しい。表面にまで砂糖がコーティングされているので甘すぎるかとも思ったが、パイ生地が甘さ控えめになっているのか、中にはいっているクリームと合わせて食べることで、素晴らしいバランスを保っていると思う。政宗に聞くと、これを売っている店舗は、今、2人が住んでいるこの部屋からさほど遠くないんだとか。今度改めて連れて行ってもらおう――1つじゃ足りない――と心に誓う。
そして、必ず……リベンジをしてみせる、と、眼下に広がる惨劇を見て、余計に強く思うのだ。
割れたパイ生地が散乱する様は、見た目にも汚いのだが……それ以上に、なんか悔しい。テーブルは事前に拭いておいたので、散らばった破片も集めて食べるつもりはあるけれど……なんか、とても、悔しい。
残り3人の前が特に散らかっていないので、余計にそう思う。
「……」
中に入っていたクリームが、ユカの上唇に張り付いた。彼女はそれを懇切丁寧に舐め取ると……ひとまず、残りを食べてから次の作業に取り掛かろうと決意するのだった。
その後、食べ終えてからテーブルを片付けたところで、政宗が「さて」と、口を開く。
「俺から声をかけておいて情けないんだけど……晩飯、どうする? 外で食べてもいいけど、安全なのはこの部屋だと思うんだ」
この言葉に、統治が政宗を見やり、「俺が何か作るか?」と問いかける。その言葉に、政宗は「うーん」と難色を示しつつ。
「統治にばっかり頼って申し訳ない気持ちもあるし、かと言って、統治の美味しいご飯をみすみす手放したくないという思いもある」
「どっちなんだ」
「というわけで透名さん、何か意見はありませんか?」
「わ、私ですか? いえ、私は……」
萎縮して首を横に振る櫻子へ、これ以上意見を求めるのは酷な気がした。話を引き取った政宗が「やっぱ、デリバリーを探すか……」と呟いた次の瞬間、ユカが「はい」と手を上げて提案をする。
「とりあえず探そう、晩ごはん!!」
「ケッカ……それは標語か?」
「今日のテーマってことで。ここで悩んだって時間がもったいないやん? やけんがとりあえず4人で買い物行って、そこにある材料とかお惣菜とか見て決めればよかよ。作りたい人は作ればいいし、仮にお寿司食べるとしても、自分で選んだものがよか」
「まぁ……確かに。それがいいだろうな」
ユカの意見に納得した政宗が、2人を見やり「それでいいか?」と確認を取る。そして、2人が各々に了承したことを確認してから、立ち上がって車の鍵を取りに向かった。
政宗が運転する車で4人が向かったのは、普段よく利用する近所のスーパー……ではなく、少し離れた場所にある、別の大きなスーパーだった。たまには気分を変えよう、という理由からである。
近年、新設された店舗なので、全体的に真新しい。大きな窓から光が差し込む開放的な空間の店舗だ。屋上の駐車場から店舗がある階層へと下る道すがら……統治はエスカレーターから見える風景の中に、キッチン雑貨のコーナーを発見した。
そして……とあることを思い出し、1人頷いて列から離れる。
「……すまないが、先に食料品売場へ行ってくれ」
食料品売場は1階だが、彼は2階に到着した瞬間、何かを目指して歩きだしてしまった。ユカが声をかけようとしたとき、政宗が彼を追いかけて「俺がついて行く」と目配せをする。ユカはそれに一度頷くと、困惑している櫻子を見上げた。
「櫻子さん、あたし達は先に下へ行きましょ。あ、折角だからフードコートでおやつ食べますか?」
少しだけ脳天気なフリをして、彼女を階下へ誘う。すると櫻子は苦笑いを浮かべつつ、ユカの後ろに並んだ。
「ユカちゃん、おやつはさっき食べたばっかりですよ?」
「それはそれ、これはこれです」
そんな会話と共に、ドヤ顔で1階に降り立ったはいいが……この店舗はほぼ利用しないので、どこでどうすればいいか分からない。しかも、男性陣2人も失踪(?)した今、勝手に買い物を進めることも難しい。
統治達についていくべきだったか、今から追いかけるか……そんなことを考えつつ、とりあえず、近くにあったベンチに腰を下ろした。
そして、櫻子と雑談でもしようかと思って、隣に座る彼女を見上げると……櫻子が店舗の入口の方を見つめ、少しだけ、顔をしかめていたから。
「櫻子さん?」
「あ……」
次の瞬間、櫻子がその場に立ち上がった。そして、軽く頭を下げている。
ユカが視線につられるように、彼女の視線の先を見ると……2人の方へ近づいてくる男性と女性が1組。ユカは知らない組み合わせだが、年齢は男性が50歳前半、女性が40代後半といったところだろうか。
男性はくせ毛と顎髭が印象的な風貌だ。身長も高く、ワイシャツとスラックスというシンプルな服装が恐ろしいほど似合っている。一方の女性が明るい茶髪と顔立ちをはっきりさせるメイク、胸元がざっくりあいた赤いワンピースという出で立ちなので、男性側が余計にシンプルに見えるのかもしれない。
とりあえずユカが座ったまま様子を見ていると、顔を上げた櫻子が、彼の名前を呼んだ。
「名杙さん……それに奥様も。ご無沙汰してます」
名杙。その名前は流石に無視出来ずに立ち上がった。刹那、男性が2人の方を見やり……口元に、薄く笑みを浮かべた。
「こんにちは。ところで櫻子ちゃん、統治と一緒じゃないの? 遠路はるばるこんなところまで1人で来るくらい、統治とはうまくいってない感じ?」
ユカは警戒を崩さず、2人を観察する。知らない顔だが、2人――特に男性から感じるプレッシャーが凄まじい気がした。無意識のうちに両手を握りしめないと、圧倒されて、萎縮してしまいそうになる。
彼の言葉に、櫻子は口元を引きつらせながら、必死に笑顔で取り繕おうとした。
「それは……えっと、いえ、い、今は少し別行動をしていて……」
「へぇ。相変わらず統治はちっとも気が利かないね。俺だったらこんな美人さんを一人になんかしないけど」
そう言って、彼が櫻子へ手を伸ばそうとした瞬間、隣にいた女性が彼の手を叩き落とした。
そして、彼を鋭い眼差しで睨みつける。
「慶次さん、こんなところで小娘と遊ばないで頂戴」
慶次。
ユカは思わず彼を見据える。
そして、確信するしかなかった。
彼が、統治の叔父で領司の弟。そして、桂樹と華の父親にあたる男性。
いつか……いつか必ず、自分たちが引きずり下ろさなければならない相手だ。
いずれ相まみえるだろうとは思っていたけれど……まさか、こんなところで。
政宗か統治に連絡をすべきか、と、パーカーのポケットにあるスマートフォンを取り出したユカは、とりあえず簡単に操作をしてポケットに戻す。慶次はチラリとユカを見た後……その視線を再び、櫻子へとロックオンした。
そして、先程手をはたき落とした、妻と思しき女性に向けて、饒舌に語る。
「遊びくらいが丁度いいだろう? そもそも櫻子ちゃんは自分の家の繁栄のために、名杙や統治を利用するだけなんだし。あれだけの啖呵を切ったんだから、統治とも本当はうまくいってないのに、うまくいってるように見せてるだけでしょ? したたかだよねぇ」
「っ……!!」
刹那、櫻子が目に見えて大きく両肩を震わせた。
5月の発言は確かに、彼女の暴走があったことは否めない。しかし、本人はそれを反省して、必要な謝罪は十分に行っている。それをこうして……統治ではない他人から嘲笑されるのは、非常に、気分が悪い。
ユカが連絡を後回しにして、一刻も早く櫻子を連れ出そうと決意した次の瞬間……次は女性が櫻子を見つめ、悪意しかない言葉を吐き捨てた。
「確かに……跡継ぎを産めない石女には、慶次さんみたいな遊び人がお似合いかもしれないわね」
「え……?」
彼女の言葉を聞いた櫻子は、目を見開いて、かすれた声を漏らす。
これまでにないほど動揺しているのが、痛いほど伝わってきた。
そしてユカは、今の櫻子が真意を忘れていることを思い出し、反射的に櫻子の手首を掴む。
これ以上はダメだ、直感でそう思った。
「櫻子さん、行きましょう」
「で、でも……!! あの、奥様……何のこと、ですか? 私が……跡継ぎを、産めないと、いうのは……」
流石に気になるのか、震える声を振り絞って問いかける櫻子へ、女性はこれみよがしなため息をついた。
「何のこと、って……透名さん、自分からあんな書類出しといて、いけしゃあしゃあとまぁ……本当、厚かましい女ね」
「あんな、しょ、るい……?」
「何よ貴女、自分の体が無能だって証拠を提出したじゃないの。実家の病院で検査をしたくせに、そんなことも忘れたの?」
「っ――!!」
彼女の言葉でおおよそのことを察した櫻子の顔色が、真っ青になった。
慶次はそんな彼女を見て、どこか楽しそうに言葉を続ける。
「そういうことだから。君は名杙の嫁になれない欠陥品なんだよ。折角の玉の輿だったのに、残念だったね」
ユカは櫻子の手を更に強く掴み、渾身の力を込めて強く自分の方へ引き寄せる。
言い返したところで無意味だし、それをしてしまったら、彼女の努力が、統治の我慢が、全て無駄になってしまう。
今は逃げるが勝ちだと自分に強く言い聞かせ、唇をかみしめて、その場を離れるために一歩踏み出した。
「失礼します。櫻子さん、行きましょう」
「ユカちゃん……でも、私……!!」
「とにかく行きましょう。2人が待ってますよ」
ユカが櫻子を引っ張って、彼の脇をすり抜けようとした次の瞬間、上から声が振ってきた。
「ユカ……ああ、君だよね、統治や政宗君をたぶらかしてる女の子って。そっか、君か」
言葉の端々に感じる敵愾心。視線を向けられた瞬間、背筋がゾクリと震えるような、そんな、無意識のプレッシャーを感じた。
これが、名杙直系と言われる、生まれつきのエリート。
自分のような中途覚醒者とはレベルが違うことを、改めて実感させられる。
今の自分では、とても、敵わない。
そう思った瞬間、すくみそうになった足に、強く命令を送った。
今の自分がいるべき場所は、櫻子を守るために必要なのは、この人ではない。
「急いでいますので申し訳ありませんが失礼します。櫻子さん、行こう」
ユカは櫻子の手を引いたまま足を止めない。少しでも、一分一秒でも早く、この場から離れたい。
エスカレーターに乗って2階へ向かう道すがら、チラリと下を見下ろすと、彼――名杙慶次がこちらを見ているような気がして、慌てて視線を前に向けた。
その後、2階に到着してすぐにユカは政宗へ連絡を取り、至急合流したいことと、駐車場で待つ旨を伝える。今は一刻も早く、慶次達と距離を取りたかったのだ。
程なくして合流し、4人で車に乗り込んだ瞬間……ユカは後部座席の背もたれに体重を預け、大きく息を吐いた。
「はー……プレッシャーやっば……」
ここまで来て、ようやく安心することが出来た。今になって心臓が大きく波打っていることが分かる。あのままとどまっていたら、どうなっていたことやら。
「ケッカ、どうした? 何があったんだ?」
「1階で、名杙慶次さんに絡まれた」
刹那、助手席に座っていた統治が目を見開いて後ろを見た。櫻子が咄嗟にうつむいたので、統治はユカに視線をうつして問いかける。
「何か、言われたのか?」
「まぁ……嫌味っぽいことをたんまりと。もう、逃げるが勝ちって思ったと」
ユカはこう言って、改めて大きく息を吐いた。まさか、あんな公衆の面前で、あれだけのことを言われるなんて思っていなかったのが正直なところだ。
「なんか、派手な女性と一緒やった。櫻子さんが奥様って言っとったけんが、奥様なんやろうけど……あと、2人してご丁寧に櫻子さんの『書類』のことも知っとったけんが、統治の見立てで間違いないと思う」
「分かった。重ね重ね申し訳ない」
「統治は悪くなかよ。でも、これで有利になる。あの、櫻子さん、さっきの話なんですけど……」
ユカは事情を説明すべく、隣に座っている櫻子を見た。彼女は先程から背中を丸め、何かに怯えているように縮こまっているように見える。ユカが彼女の左手に自分の手を添えると、それに気付いた櫻子がビクリと顔を上げた。
「あ……」
その反応があまりにも過敏だったので、ユカは努めて冷静に問いかける。
「櫻子さん、大丈夫ですか? どこか具合が悪いとかないですか?」
「あ、その……」
「正直に教えてください。多分、病院や薬では治せないことなんです」
ユカがそう言って、再度強く手を握る。櫻子はどこか焦点の合わない眼差しのまま、震える声で絞り出した。
「心臓が……さっきからずっと、苦しいような、気がして……」
「呼吸も、し辛いですか?」
「少し、だけ……ごめんな、さい、手が、しびれ……何か、ずっと、怖くてっ……!!」
これ以上は言葉にならず、櫻子は俯いて両手を握りしめた。
その姿を見た統治が、彼女へ手を伸ばした、次の瞬間――
「――っ!!」
櫻子の体が一度大きく震え、呼吸が目に見えて不規則になる。しかも、ほんの一瞬、止まっているような気配すらも感じたユカは……急いで櫻子の背中へ手を添えると、彼女へ届くように祈りながら声をかけ続けた。
息苦しさと手のしびれ、そして、不規則な呼吸。
恐らくこれは、心因性の過呼吸だ。
「櫻子さん、櫻子さん、大丈夫です。落ち着いて、あたしの声に合わせて、ゆっくり、ゆっくり呼吸してください。政宗、ビニール袋なか?」
「ビニール!? えぇっと……!!」
政宗が慌てて周囲を探す中、統治が持っていた紙袋の中からビニール袋を取り出し、それをユカへ手渡した。
「これを使ってくれ」
「ありがとう……って、統治?」
ビニールから手を離した統治が、車のドアコックへ手をかける。次の瞬間、彼が開いたドアから、冷たい外気が入り込んだ。
「今の俺がいると……恐らく、彼女へのプレッシャーになってしまうと思う。佐藤、悪いが……様子が落ち着いたら、彼女をホテルへ送ってくれ。伊達先生へも連絡を頼む」
「分、かった……統治、お前はどこ行くんだ?」
「俺は……自分の部屋に戻る。すまない」
カバンを持った統治はそのまま車を降りて、助手席のドアを閉める。
ユカは、櫻子の口の近くにビニール袋をあてがいながら……遠ざかっていく彼の背中を、唇をかみしめて見送ることしか出来なかった。
その後、櫻子の症状は落ち着いたものの、心配が残ることもまた事実で。
政宗が聖人へと連絡を取り、彩衣と共にこちらへ向かってくれることになった。
「彩衣さんの方が、話しやすいこともあるだろうからね。自分も近くで待機するようにするから、何かあったら教えてね」
こう言ってくれた聖人には、頭があがらない。とりあえず呼吸が落ち着いた櫻子を後部座席へ寝かせたユカは、自身が助手席へ移動すべく、一度、車から降りて助手席のドアを開いた。すると……座席の足元に、先程、統治がビニール袋を取り出した、比較的大きな紙袋があることに気付く。
「政宗……これ、何?」
「圧力鍋だよ」
「圧力鍋? 統治はこれば買いに行ったとね……なして? 何か聞いとる?」
それを蹴らないように気をつけて座りつつ、ドアを閉めてシートベルトを締める。政宗はエンジンをいれると、ハンドルを握って……バックミラー越しに櫻子を見た。
「透名さんの好きな食べ物が、シチューだって聞いたんだと。だから、今からでも時短で作れるように、鍋を探してたんだよ」
刹那、この言葉を聞いた櫻子が、全身をビクリと震わせた。
その言葉には、心当たりがある。
「な、くい……さ……」
呟いた言葉は、彼に届かない。しびれの残る両手を握りしめても、無力さを痛感するだけだ。自分の現状を変えることも出来ない。
あの時、咄嗟という表現が適切なほど、無意識のうちに口をついて出たメニューだったのに。
統治はそれを、しっかり覚えていてくれて。
それを……自分のために、用意しようとしてくれた。鍋を買いに行くときに単独行動をしたのだって、鍋から買うことを櫻子に申し訳ないと思わせないためだろう。
それくらい、彼が優しい人だということは……よく、知っている。
彼と出会って、迷惑ばかりかけて。
先程だって彼の身内にまともな挨拶をすることも出来ず、唐突に告げられた事実に困惑し、ユカに助けてもらった。
そして、あろうことか、その後――統治を、拒絶するような態度を、取ってしまった。
彼が差し伸べてくれた手を取れる、そんな女性になりたいのに。
彼の隣に並び立って、胸を張って歩きたいのに。
現実は、本のようにうまくいかない。
自分は……彼の願いを、何も、叶えることが出来ない。
跡継ぎも産めないことが分かった今、欠陥品の自分は無能の役立たず。
彼の隣にいる意味は……何も、ないのだ。
悔しい。
胸の中に浮かぶ感情が、涙になって溢れ出す。
「ごめ……な、さい……なく、い、さ……っ……!!」
声を絞り出して震える彼女に、何も、してあげることが出来なくて。
ユカはとりあえず「動きますね」と声をかけた後……2人に対して何が出来るのか、ずっと、考えを巡らせていた。
リーフパイは『すがわら』が一番好きです。(https://tabelog.com/miyagi/A0401/A040102/4002591/)
サクサクの極みなので、本当にボロボロ落ちます。食べる時に気をつけてください。
また、過呼吸の人の口元にビニール袋をあてがう、というのは、最近ではあまりやらないほうがいい対処法だ、というネット記事もあったので、困ったら救急車を呼びましょう。
そして、嫌な大人を書くのは苦手です……精進します!!
絶望感を出すために、あえて、厳しい表現を使っているところもあります。書いている私は結末を知っているのでニヤニヤしているのですが……どうだろう。とりあえず絶望してください。次の話で半分解決します!!




