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04 禍福


 お庭では、プリナさんとナルンが、お話ししながら戯れております。


 なんだか、幸せ家族の見本みたいな光景ですよね、これ。


 良いのかな、僕、こんなに幸せで。



 ……そういえば、モノカさんが言ってたっけ。


『禍福は糾える縄の如し。 楽しいことの後は試練が待ち構えている』



 こんなに楽しい生活の後には、どんなに厄介な試練が訪れるのだろう……



 ……



 そんな感じで少々心配でしたが、今日は何ごとも無く一日を終われそうです。



 プリナさんの夕食の支度を、


 ナルンが一生懸命お手伝いしております。


 お庭の家庭菜園からお野菜をもいできたり、お味見して感想を述べたり。


 さすが『タマランッ』、さっそく大活躍ですね。



 スーミャとイリーシャさんからは、先ほど定時連絡がありました。


 今回の討伐依頼は、大量にアンデッド化した夜の海の魔物の討伐で、


 ただでさえ生臭い海の魔物が、アンデッド化してとんでもない臭さに、だそうです。


 おふたりとも、がんばれ。



 フィナさんとフィグミさんは、自室のダブルサイズマイクロハンモックでお休み中。


 先ほどアリシエラさんが、すやすや浮遊魔導具『シミージュ・改』を改良のため持っていっちゃったのです。


 夜まで起きないフィグミさんはともかく、フィナさんを起こさないようハンモックへ運べたのは、さすがハンモックマイスターと名高い僕。


 以前は僕の部屋がおふたりの定番睡眠プレイスでしたが、


 我が家にフィグミさんの搭乗型サポートメイド『ハラショー』が来てからは、おふたりともちゃんと自室で夜まで快眠生活しているのです。



 その『ハラショー』ですが、アリシエラさんによれば、実は半自立式になる予定だったとか。


 つまり、おねむのフィグミさんが搭乗していない昼間は、『ハラショー』を単独自立行動させるはずだったそうなのです、予定では。


 ただ、自立行動するということは、当然人格を持つ必要があるわけで。


 人格がある存在をこっちの都合で乗用ロボットにしちゃうのはいかがなものだろうと問題提起されまして、


 結局、自我の無い完全な搭乗操縦型に。


 睡眠中は魔素吸収のためにすやすや呼吸しておやすみしている『ハラショー』の幸せそうな寝姿を見ていると、少々複雑な思いも。


 けんちゃんが人造"つくも神"の量産に待ったをかけた気持ち、今なら良く分かるのです。



 ……



『おはようございます、皆さん』


 おはようございます、フィグミさん。


『ハラショー』ライドの調子はいかがですか。



『とても快適ですよ』

『では、確認のためハグを』


 いえいえ、元気でなにより、です。


 それで、フィナさんは?



『起きたら寝床が『シミージュ・改』じゃなくなっていたので、ご機嫌を損ねて二度寝、ですよ』


 それは申し訳ないです。


 でも、アリシエラさんが必ず寝心地大幅アップの改良をしてきてくれますから、楽しみに待っていてくださいね。



『私はサイリさんが工夫を凝らしてくれたあのハンモックも大好きですよ』


 ありがとうございます。


 アリシエラさんに負けないよう、がんばりますね。



「おはようございます、フィグミさん」

「お夕飯、出来てますよ」


『おはようございます、プリナさん』

『では、さっそく『うめしそ・改』の準備を』



 素敵なメイドさんたちが甲斐甲斐しくお食事の準備を。


 またもや繰り広げられる幸せの見本みたいな光景に、再び思うところアリ、なのです。



 この平和な我が家に、厄介なイベントなんて、訪れませんように……



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