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17 よきかな


 呑気をこじらせすぎると頑固に変異して、


 突き抜けた頑固はたやすく呑気に堕ちるという、


 なんと言いますか、そんなに御しやすいのですかね、僕。



「いつまでもそのままのサイリさんでいてくださいね」


 プリナさんのご命令とあらば、たとえ火のなか水のなか、


 いや、実際僕なら付与すれば、火でも水でもいけちゃうと思うし、


 今度試してみようかな。


 って、それだと"仙人"って言うよりも、"ヨガの行者"だよね。



「本当にやめてくださいね、そんな危ないことは」


 はい、調子に乗ってごめんなさい。



 なんだか最近、穏やかな生活とかけ離れた感じなのは、


 こっちの世界で華開いたお調子者気質が悪さをしているせいなのかも。


 つまりは無理にでも以前のような、気怠げサボり魔ちっくハンモック大好きっ子にカムバックすべし、という神のお告げ。


 いやいや、けんちゃんはそういうこと言わないって。



『サイリパパ、フリスビーしなくてもいいから、お散歩しよ』


 くぅ、聞きましたか、奥さん、


 なんて良い子なんでしょ、うちの子は。



 って、プリナさんがいつも以上にりんごほっぺに。



 あー、奥さん呼びですね。


 でも、合ってますよね、これ。



 プリナさんは僕の奥さん(確定希望)で、ナルンは僕らの可愛い娘。


 これについては誰にも文句は言わせませんよ。


 異議ある者は"若仙人"の大いなる審判を受けて悶え苦しむが良い。


 主にラブコメ的に。



「なんだかサイリ殿がいつも以上にアレなのだが」


 おや、お帰りなさい、イリーシャさん。


 早かったですね、って、例の遺跡探索依頼の受け付けは?



「えーと、応募者多数につき当選者の発表は合格通知の発送をもって代えさせていただきます、だって」


 お帰りなさい、スーミャ。


 当選者って懸賞じゃ無いんだから、もう少し言いようといいますか、やりようといいますか……


 って、そんなに多かったのですか、応募者。



「うん、アランおじさんも来てたよ」


 もしもし、スーミャ。


 せめてお兄さんと呼んであげないと、いかにアランさんといえども鋼のメンタルってわけじゃ無いんだから。



「だが、お会いしたときにスーミャからおじさんと呼ばれて、身体を震わせて喜んでいたのだが」


 えーと、それってたぶん喜んでいたわけでは無い……



 いや待てよ、アランさんの性癖の引き出しの多さは召喚者随一(確定)


 もしかしたら『モンスター』の触れてはいけない琴線に触れちゃったのかも。



 ってか、いろんな意味でアランさんに失礼すぎるので、これ以上この話題には触れない方向で。



「では、通知が届くまで、おふたりは他の依頼を受けないでお休み、ということでしょうか」


 冷静な対応、ありがとうございます、プリナさん。


 じゃあ、おふたりはしばらく自宅待機ってことですね。



「それじゃ、お散歩行こっ、ナルン」


『スーミャ、乗って!』



 うひゃあ、ナルン、ここぞとばかりの全力疾走。


 それを見つめるイリーシャさんが遠い目を……



「お夕飯、支度してきますね」


「しばらくは海産物以外で、お願いしたい」



 ちっちゃいペアは今日も木陰でゆらゆら編みカゴお昼寝。


 我が家はいつも通り、世は全てことも無し。



 よきかな。



 あとがき


 今回もサイリさんの適応力に感謝。


 いつもありがとうございます。



 一難去ってまた一難、ではなく、


 一話の中に次に使えそうな美味しそうなネタが散見されている状態に嬉しい悲鳴、


 たぶんこれが、駄神の見えざる手。



 つまりは、これからもこんな感じでよろしくお願いします。



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