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15 遺憾


 そんな感じで心に余裕を取り戻した、僕。


 となると、やるべきことは、やはり基礎体力作り。


 今日もナルンをお供に野山を駆け回って、じゃ無い、マイペースでてくてくしております。



『サイリパパ、そろそろアレしよっ』


 了解、ナルン。


 それでは……




 ナルンのお気に入りのアレ、


 それはフリスビー。



 僕が遊び道具として作ったフリスビーがナルンの遊び心にスマッシュヒット。


 そしてそのお気楽フリスビー遊びにも異世界魔導技術が遺憾無く発揮されちゃったわけで。



 僕とナルンのフリスビー遊びを見たアリシエラさんが、サクッと作っちゃったのです、魔導フリスビーを。


 魔導のチカラでディスクの重心と回転が自動制御されていて、良い感じに飛距離が伸びるのです。


 しかも、興奮したナルンがカミカミした傷が自動修復されるという、このフリスビーのためにわざわざ新開発された新素材。



 その名も『絶対金属積層複合素材アーティファクト・修復ミックストランサー』


 略称『ゼファー・シュミット』


 えーと、自動修復機能のみならず、ナルンの歯が痛まないような絶妙な"複合"具合になるよう、各種素材を"ミックス"して"トランス"していただいたそうです。


 フリスビー本体も略称も、実にアリシエラさんらしいアプローチの仕方かなって……




 ナルン的には、僕の手作りフリスビーにも、アリシエラさんの魔導フリスビーにも、


 それぞれの良さがあるのだとか。


 ナルンは優しいのですよ、本当に。



 そんな感じで、最近のお散歩のお供は、魔導保冷水筒の美味しいお水とフリスビー。



 それじゃいくよっ。



 そーれっ



 ピキッ



 ……そして調子に乗った僕の肩から、破滅の音がするまでがお約束。


『サイリパパ、大丈夫?』


 平気だよ、ナルン。


 たぶん大異世界フリスビー3号は投げられなくなっちゃったけど、バッターに転向するから大丈夫。


 フリスビー界にバッターが必要かどうかはさておき。



『?』


 帰ろうか……



 ……



「おかえりなさい、早かったのですね」


 ただいま、プリナさん。


 えーと、少々身体に不具合が生じまして、久々に長期のハンモック休暇が必要かと。



「大丈夫ですか?」


 平気の平左ですよ。


 ご存知の通り、今は固有スキルでの治療は極力避けるようにしておりますので、愛しのマイハンモックの癒し効果でなんとかしちゃおうって寸法です。


 では、失敬。



 むう、我ながら貧弱な坊や極まれり。


 頼むぜ、相棒、マイハンモック。


 手塩にかけたふんわり揺られっぷりが生み出すラグジュアリーなお昼寝で、僕の壊れた身体を癒しておくれ……



 zzz……



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