10 突入
短距離『転送』で建物の中へ。
間取りは良く知ってるし、連中の位置も把握済み。
"高速思考"で、周り全てがゆっくり動いている。
いかにも悪党って感じのゴツい男がひとり。
学者風な、年配の痩せた男がひとり。
連中が向かい合ってるテーブルの上には、『シミージュ・改』
気付かれる前に『鑑定』
ゴツい男は、
"盗賊"、"リーダー"、"かなり強い"
固有スキルは"完全隠密"
武器は『フルコースの逸品』という短剣。
傷つけるたびに、いろんな毒のうちのひとつを相手にランダムで与える。
蛇とかクラゲとかきのことかの即効性の接触毒で、全部致死性。
痩せた男は、
"学者"、"世捨て人"、"高齢"
武装は、していない。
魔法も、無し。
固有スキルは"秘宝探査"
こっちは戦闘力無し、かな。
ここまで『鑑定』には1秒も掛かっていない。
全力の"高速思考"は、引き伸ばされた時間の中で、僕だけが動ける状態。
実際に身体を動かすことも出来るけど、今は思考だけで充分。
実は"限界まで身体能力を強化"を付与しての無理やりじゃないと、僕も満足に動くことが出来ない。
……今回は即死させないで、
ふたりに"覚めない麻痺"を付与。
ゴツい方が"リーダー"ってことは、たぶんなんらかの組織。
しっかり情報を吐かせてから、処理しよう。
麻痺が効いて崩れ落ちた男たちは無視して、
急いでフィナさんの安全確保!
…………寝てますよ。
『鑑定』したら、普通の"睡眠"
どうやらずっと寝てたみたい。
………‥疲れた…………




