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感染-infection-  作者: 爭槻
2/8

2話


駐車場から鳴り響く、突然の轟音。


「ッ?!!なんだ?!!」


「ドウケ!!あれ!!!」


仲間達は集合していた屋上から駐車場を確認する。


「、、、なんだ、、、アレ」


アスファルトを裂き、地面から伸びる、異形な腕。

腕だけで、軽く3m以上はある。

太く、ワイヤーが何本も渦巻いたような腕がぐるぐると、アスファルトを抉り出し、徐々に地上へと這い出る。


「ッッッ、、、なんだよ、、、アイツ、、、どっから、、、?!」


「ドウケ!」


仲間達は即座に武装を手に取り、屋上を飛び出し、下へ降りていく。


「、、、(可笑しい、普通のゾンビならまず地面からなんて出て来れねえ、、、なんなんだ、、、アレ、、、ゾンビなのか、、、?!)」


「ドウケ!行こう!!」


「あ、ああ!!」


人形と少女も、階段を駆け下り、外へ飛び出す。

怪物は既に上半身が飛び出しており、このまま全身が出れば、軽く5mは越えようかとしている程の巨体だった。


「まだ足は出てない!!ココで仕留めるぞ!!!」


人形の声で、仲間が連携を取り、怪物に立ち向かう。


飛び、撃ち、斬る。


統率の取れた連携、並外れた戦闘能力。

いつもと同じように、勝てると思っていた。

ただ大きいだけで、倒せると思っていた。


しかし。


「うわああぁあああ!!!」


「ッッッ!!!」


人形と、運転手の少女が、剛腕により吹き飛ばされると同時に、怪物の周りに煙が立ち込める。

そして、立ち込める煙の中から聞こえる...


「ぎゃあぁああああ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ!!!!!」


残りの仲間達の、絶叫、断末魔。

駐車場に響き渡る、叫び声と、何かが潰れる音。


「ぎっ...!!ひゅ...ぁ........ぇ.........」

「い゛ゃ゛い゛や゛い゛や゛い゛ゃ゛あ゛あ゛!!!」



「ぁ...どう...け...たすけ...いか...」


「ッッッッッッ!!!!!!」


側で震える少女を見て、人形は青い刀を握り締めると、勢いよく駆け出した。


「っっああぁあああああぁあぁぁああああ!!」


煙の中へ飛び込み、既に全身が出ている怪物の足に斬りかかる。

しかし、その足に、傷をつける事はできなかった。


固い。

異常な程に。


依然、煙の中では、何かが潰れる音、引きずり、叩きつけ、千切れる音がする。

仲間の声も、もう、聴こえることはなかった。


「、、、うそ、、、だろ、、、?」


煙から飛び出し、前を見据える人形の目に飛び込んできたものは、ゾンビと化した、体がぐちゃぐちゃになった、仲間達だった。

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