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流れ星  作者: ちゅん丸
二章 始まりの1日
8/13

7話 「大人はすごい」

あらすじ


星空はクラスに入ると星花音を見つける。

ずっと見ていたい所だったが、透が席を確認しに行こうと言うので席を確認しに行った。

星空は珍しく窓側の1番後ろという人権エリアを

手に入れていたが、まさかの星花音が廊下側の真ん中の

席であり、とても遠くなってしまった・・・

座席表を確認した後、星空は席替え戦争に負けたショックが大きく自分の机で顔を下にして寝てしまった。(正確には寝たフリ)。

そんな星空を心配して透くんが


「どうした元気出せよー?まだ週の初めだぞー」


なんて言ってきたが、自分より星花音さんに近い

透くんがなんだか煽ってきているように感じてしまう。


「全然だいじょぶだよ」


とショボショボと言った。口だけなのが丸わかりなのがすぐに分かる。

気になる人ですらこんなにショックなのだから星花音さんが好きな人になってしまった時の場合

これ以上に病んでしまうのかなんて考えてしまったため、ますます落ち込んできてしまった。

星空の落ち込んでいる事情を知らない透くんは大雨の中、更に風が吹き始めるような追撃の一言を放った。


「俺なんて真ん中の列で先生にも一番見られそうだしほんと運ないぜー」


だーかーらー星花音さんと近くなだけいいだろ!それに授業中の発表が増えるなら良いところを

見せるチャンスではないか。ほんとに忌々しい。と思うほどに星空は透くんをズルいと思っていた。


 だが星空の席も何も良いことが無い。と言われればそうでもない。

まず一番後ろの席のため、授業中に星花音さんを眺めていても誰からも気付かれないという点。

これだけ聞いたらただの変人だが、好きな人が授業中も気になってしまうのは男女共通ではないか。

そのためいつでも好きな人を授業中に見られるのは透くんの真ん中の席ではできないことだ。

人は自分にない物を欲してしまう性があるが、よく自分の周りを見てみると他の人がほしいと思っている物がたくさんあるのでは無いかとたまに思う。星空は気付けていないが・・・





 そんなこんなで透くんは星空を励ますつもりで言った言葉が逆に傷つけてしまったが、

ついに『朝の会』と呼ばれる朝のミーティングが始まった。


「私が一年四組の担任になった勝呂綾夢すぐろ あやめ。一年間よろしくね~」


と言う自己紹介から今日の日課を聞かされた。今週はずっと四時間授業で本格的な授業も

少なく、言い換えると快適日課というやつだ。


「さっそくですが、何か先生に質問ある生徒はいますか~?」


と聞いてきた。俺は聞くなら教員歴何年ですか?とか聞く。けどあいつは斜め上以上。ほぼ上方向の

質問を先生に叩きつけた。


「はいはい!質問!先生何歳?」


やってしまったな。先生も目が泳いでいる。そして周りを見る。

男子生徒は


「たしかに~気になる!」


とか言ってるが女子を見るとほとんどの目が生ゴミを見るような目をしていた。

やっぱ透くんはにぶチンだが、更にバカなのかもしれない。そして先生は


「私は永遠の20歳ですよ。あと女性に歳を聞くのは失礼なのでこれからはやめましょう。」


とさっきまでのノリノリな先生のオーラが一気に消え去りかなり真面目なトーンで透くんに言った。

クラスの男子のほとんどはまだ


「別によくねー?俺12歳だよ」


とか言っていて言葉の重みに全然気付いてないみたい。あらためて女子は男子より大人なんだなと感じた。


そんな感じで少し空気の重くなった朝の会は終了したのだった。







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