5話 『僕とバカ』
あらすじ
お母さんにお使いを頼まれ仕方なく近くの八百屋さんに行くことになった。
おつかいを終え自転車のペダルを踏もうとしたそのとき、目の前を見たことのある美少女が
通り過ぎた。その美少女こそ始業式で新入生代表を務めた津田星花音だった。
しかし星花音は星空を知らない。そのため何も話せず星空はだんだん遠ざかっていく星花音を
見つめるだけだった・・・・・
ついに中学生として初めての月曜日を迎えた。
昨日のことがあったからだろうか。全然寝ることができなかったため今とても眠い。
普通、初めての月曜日を迎えた人の寝不足の原因は楽しみすぎて眠れなかったが一番
多い気がする。まさか学校に行くのがだるいなんて言う人はいないだろうけど・・
そして星空はというと始業式という学校に行って一日目にして気になる人を友達よりはやく見つけてしまったのだ。これからの学校生活に支障が出なければいいなと心の底では思っている。
友達ができない学校生活は想像するだけで顔が青ざめそうである。
そんなことを考えていると学校に行く時間になったので行くことにした。
やはり朝は気持ちがいい。自転車で下り坂を下っていくあの爽快感を本気で楽しく感じられるのは
小学校から高校生までだと思う。大人が下り坂をペダルから足を外し前に出しながらひゃっほー!!
なんていってるのはなんか違う気がする。否定はしないけど。
中学校には小学校とは別の道で通うことになった。所々桜の木があり、桜の花びらが蝶のように
ひらひらと落ちてくる所を通るとなんだか自分が特別になった気分になる。結婚式で新婚さん階段から降りてくるときに花びらのような物を投げた経験はないだろうか。それを今、自分に永遠と投げられている気がするため偉くなったように感じたのかもしれない。
この桜道を抜けると次は上り坂があった。この坂は意外と急で脇に桜の木もないただの上り坂だ。
見ただけで上るのが嫌になってしまう。しかしこういう時には必ずあることを考えるようにしている。それは行きは辛いけど帰り道は下り坂になってるから楽だなって考えるのだ。その方がダルい。
とか言うよりよっぽどいい。上り坂が下り坂になると言うことはさっきの桜道も上り坂になるのか。
やめよう考えないでおこう。そんなこんなで特にハプニングも起きず学校に到着した。
学校には満開の桜がまるで自分を歓迎しているかのように正門で出迎えてくれた。
桜はいつ見ても桃のような少し薄く綺麗なピンク色をしていて心を癒やしてくれる。
そんな桜を見ていると下駄箱まできた。そこにはクラス発表があり、同級生たちが群がっている。
俺には友達いないし、集団がどっか行くまで少し待ってよ。なんて星空は考えている。
その集団がどっかいくのに五分ほどかかり、だいぶ時間を無駄にしてしまった。
星空は自分のクラスを確認した。自分は四組のようだ。この学年は一組から四組まである。
謎に四組というのは勉強も運動もたいしてできない奴らの集まりという偏見を持っている。
よくアニメで四組はEランククラスとか言われているからである。
一応星花音さんのクラスを確認してみた。
「え、いるじゃん」
そんな声が出た。まさか同じなわけがないだろうと思っていたので信じられなかった。
だから反応も塩に近い言い方になってしまった。が、内心少し喜んでいる。
そんなとき後ろから声をかけられた。
「お前も四組?」
急にお前かい!と心で叫んだがいったん落ち着こう。
「僕も四組です。あなたは・・・」
やはり初対面やあまりり話したことがない人と話すときは『僕』と言ってしまう。
特に理由はないけど。そして相手からも反応が来た
「俺は石井 透。まあ歩きながら話そうぜ。」
なんかいっきに距離が近くなった気がする。まあいいか。とさほど星空は気にしなかった。
星花音さんは気にするのかな。とかも実は考えていた。
クラスは三階にある。四組は階段から一番近いところにありトイレも近いのでとても助かる。
「そういえばお前の名前聞いてなかったな」
「あ、僕は草野星空だよ」
あれ、なんかいつの間にか何も深掘りしないで話せてるな。なんか怖い。
「星空ってかいてかなたって呼ぶんだな!おもしれー」
ニコニコして言ってるから煽ってきてはいないんだろうな。
そんなこんなで話していると一年四組と書かれた標識を見つけた。
クラスからは話し声が聞こえた。透はずっとニコニコしている。
バカなんだろうか。とか思ったが心の中だけにしておこう。
透のお陰でクラスに入る緊張感が無くなっていた。星空はクラス発表を確認しているときから
実は少し緊張していたのである。隣にいる透が
「中、入ろうぜ?」
と聞いてきた。もちろん答えは
「うん!入ろう!」
そうして星空と透はクラスの中に入っていった。
クラスに入った星空は他の人とは比べものにならないほど綺麗な人を見つけた。