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Alter World Online ~26歳出会いたい系女子はVRMMOで女子力を磨きます~  作者: 半開き
2人目 ちょいワルオヤジ風職人系ドワーフ
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27.いざアーファン大陸へ

 ここにきていきなり大陸間移動ですか!

 まぁ確かにミカに会いに行きたいから、行く方法ないかと思ってた頃ではあるんですが。

「アーファン大陸ってどうやっていくんですか?」

 私の質問に先輩が答えてくれる。

「冒険者ギルドのクエストをクリアして、冒険者ランクを上げると大陸間移動ポータルが使えるようになるんだよ。使えるのはプレイヤーだけだけどね」

「あ、じゃあ私も冒険者ランクを早く上げないといけないですね」

「いや、アーファン大陸に行くだけなら、今は大丈夫なんだ」

「え?」

「大陸間鉄道が開通したからね」

 そういえばそうだった。前に先輩から教えてもらってたっけ。ワールドクエストで大陸間鉄道が開通してアーファン大陸とベティタ諸島は鉄道で行き来ができるようになったとか。

「じゃあ、それに乗って行けばいいんですね」

 ほっと胸を撫で下ろす。出鼻からみんなの足を引っ張ることがなくてよかった。みんなはポータルで先にいけるだろうから、ちょっと遅れることになるけど。

「大陸間鉄道っていつ出発するんでしょうか?出来るだけ早めに行った方がいいですか?」

「ちょうど明日の朝から出発する便があるよー」

「わかりました!じゃあそれに乗ります」

 さてどこから出発するかとか色々調べないと。明日の朝までだとそこまで時間ないなぁ。

「プラムちゃぁん、私もいっしょに電車でいくぅ」

「え!アミーさんもですか?アミーさんポータル使えるんですよね?」

 アミーさんがうねうねと枝をしならせる。

「電車のりたいのぉ」

 あ、そういう理由ですね。

「あー、だったら僕も一緒にいきたーい。まだ乗ったことないしー」

 ねりけしさんもまだ乗ったことないようだ。というか先日開通したばっかりだし、乗ったことある人のほうが少ないんじゃ?

「じゃあみんなで鉄道乗って行こうか」

 先輩がそう提案してくれた。ナイス先輩!いいですよね?リーオンさん!

「あぁ?あー、まぁいいか。鉄道見てなかったしな」

 よぉぉおおおぉし!リーオンさんとお出かけだ!楽しみ!

「じゃあ、案内はするから明日の朝、村の前で集合ね。遅れたら置いてくからね」

「大丈夫です!じゃあ、それまでにいろいろ準備しないとね、アヤナの装備とかも揃えよう」

「そうですか。では、折角ですので揃えていただければ助かります」

 とりあえず武器と防具かな?武器はリーオンさんにお願いして、また場所借りればいいかな。防具はディジィさんに聞くだけ聞いてみようかな。オーダーメイドは手が届かない気がするけど。

「おい」

 私がこれからの予定を思案していると、リーオンさんが声を掛けてくる。

「お前はやることがある」

「そうですね。準備が…」

「違ぇよ」

「え?」


「銃作るんだよ」

 リーオンさんの目がマジだった。


 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△


 リーオンさんと銃の作成をするのにまったく異論はないのだけど、それでもアヤナの装備だけは整えたいということで、ちょっとだけ時間を貰った。

 ちなみにみんなは自分の準備のためにさっさと帰ってしまった。


 というわけで私とアヤナはディジィさんのショップにやってきた。

「ディジィさんいるかな?いなくても店売りのものでいいのがあれば買っていこう」

 アヤナはこくりと頷き、私についてくる。

「こんばんはー、ディジィさんいますかー」

「いらっしゃいませ、プラムさん。おや、そちらは」

「私の使役してる人形で、アヤナっていいます。今日はアヤナの装備を買いに来ました」

「お初にお目にかかります。アヤナと申します」

 そう言って、アヤナは一礼する。

 その姿を見て、ディジィさんはきらりと目を光らせる。

「プラムさん、随分と素敵な人形をお持ちのようで」

「おや、アヤナのことを瞬時に理解するとは、よい目をお持ちですね」

 またアヤナが調子に乗ってるな。私が余計なことを言うなと視線を飛ばすと、アヤナはそっぽを向いて吹けない口笛をひゅーひゅー吹いた。

「古来、人形とは綺麗な服で着飾るものです。プラムさん、いかがでしょう。アヤナさんのために服を仕立てては?」

「ちなみに、おいくらほどになりますか?」

「ものにもよりますが、素材持ち込みであれば、そこまでの金額にはなりませんよ」

 と概算の金額を見せてくれた。

 うーん、払えない金額でもない。というのもジャイアントスパイダーを討伐した時の報酬があるからだ。せっかくだから作ってもらおうかな。

「ではお願いしてもいいですか?あ、素材といえばスパイダーシルクはありますよ」

 そういってスパイダーシルクをディジィさんに渡す。

 するとディジィさんは目を細めて、

「随分と大量にお持ちなようですね」

「あれ?そうなんですか?倒したら普通にもらえたんですけど」

「スパイダーシルクを獲得するには、ジャイアントスパイダーの腹部を傷つけないように倒す必要があります。腹部を傷つけると獲得量が減り、さらにパーティでの按分になりますので、1人当たりは大抵少量になるものなんですよ」

 へぇ、知らなかった。そういえばアヤナは脚と頭くらいしか攻撃してなかったなぁ。

「こちらでしたら素材としては十分です。量もありますので、他の必要な素材と交換ということで、いかがでしょうか」

 悪い条件じゃない気がする。

「じゃあ、それでお願いします。基本的には戦闘職なので、筋力と敏捷が上がるのがいいかな」

「そうですね。それでよろしいかと」

 アヤナも同意してくれた。

「あ、デザインは…」

「デザインはお任せください」

「いえ、前回のことがあるので、デザインは…」

「お任せください」

 ディジィさんの圧がすごい。でもここで折れては以前の二の舞だ!

「お願いですから、ツナギだけはやめてください」

 ディジィさんの表情が固まる。しかし渋々といったところで、わかりましたと了承してくれた。

 女の子にツナギ着せる趣味でもあるのか、この人。


 ディジィさんのオーダーメイドは時間が掛かるということだったので、アヤナ用に服を見繕うことにする。

「アヤナはどれがいいとかある?」

「動きやすいものがいいですが、こちらとかはどうでしょう」

 といって、選んだ服はなんというかサバゲ―?

 下半身は濃い紺色のカーゴパンツみたいなのに、おっきめのベルト。上半身は白のぴったりとしたタンクトップシャツだ。

「え、そんなのでいいの?」

「動きやすそうでよろしいかと。しいていえばあとグローブと靴が欲しいですね」

 まぁアヤナがいいって言うならいいか。しかしタンクトップって防御力低そうだなぁ。防弾チョッキみたいなのも着せたほうがいいかな?…めっちゃ格好悪くて、アヤナに却下された。一応見た目も気にするのね。

 アヤナがグローブと靴もというので、欲しいものを選ばせる。靴は安全靴のようなつま先に鉄板が入ったもの。グローブも拳の先と手の甲に鉄板が仕込まれたものを選んだ。

 本当に実用第一だなぁ。


「大変お似合いだと思いますよ」

「ありがとうございます」

 代金を払い、意外といい金額した、ディジィさんにお礼を言って店を後にする。

 くれぐれもお願いした服のデザインは、無難なものにと念を押しておくことを忘れない。

「じゃあ、リーオンさんの所に戻ろう」


 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△


 おはようございます。

 昨日は結局徹夜でした。なんか最近徹夜多くない?お肌の調子が…。

 昨夜はリーオンさんが寝かせてくれなくて、なんて字面だけなら大人な響きだけど、結局はずっと銃を作るために試行錯誤を繰り返していただけだった。


 結論から言えば、失敗。

 各部品を用意してくみ上げる所までは私の機工でなんとか出来た。けれど、なんというか、武器にはならなかった。パンとハンバーグまでは出来たけど、ハンバーガーにならなかった的な?余計分かりにくいな。

 出来たものはオブジェ扱いみたいで、攻撃力を持ったものではなかった。リーオンさん曰く、機工のレベルが足らないか、素材が悪いかだそうだ。

 リーオンさんに早く機工のレベルをもっと上げろとせっつかれたが、一晩作業してレベルが上がらなかった。おそらく機工もLv.30で制限が掛かる仕様っぽい。なにかしらのトリガーがあれば制限が解除されるのと思われるので探していこう。


 と、ここまで検証するのに一晩かかった。

 そのあとバタバタと現実世界に戻り朝ご飯を食べて、顔を洗って簡単に身支度をする。

 再度ログインして、今度はこっちで出かける準備をする。アヤナのためにもう一本剣を打ちたいとリーオンさんに言ったら、そこら辺の好きなのを持っていけと言われた。けれど流石にそれは申し訳ないので、結局以前自分が打ち直した剣がまだ置かれていたままだったので、そこから選んでアヤナに渡す。

「これなんてどうかな?アヤナ向きの剣だと思うけど」


フォーチュニード ランク:ハイレア

 幸せだから幸運なのか、幸運だから幸せなのか。

 攻撃+77

 効果:幸運参照、クリティカル威力向上


「筋力の代わりに幸運が攻撃力になるのですか」

「アヤナなら使いこなせるでしょ?」

「えぇ、問題ありません」

 満足してくれたようだ。

「あと、もう一本はこれね」


嵐刃・胡蝶 ランク:ハイレア

 剣撃は舞う。嵐中にあっても優雅に。

 攻撃+89

 効果:風属性 抵抗軽減 反動軽減


「こっちは私の自信作ね」

 リーオンさんの工房で最後に打った剣だ。一番の自信作。

「よろしいかと」

 アヤナが素振りをしながら使い勝手を確かめる。

 嵐刃・胡蝶が片刃の剣だったから、片刃のフォーチュニードを選んだけど左右のバランスもいいようだ。

「問題なさそうなら、いこっか」



 リーオンさんと一緒に駅へと向かった。

 元々の目的がドワーフとの交易のためだったので、鉄道の駅はこのドワーフ島にある。

 そこまで広くない島とはいえ、マニュファクトリィから歩いていくと駅までは一時間くらい掛かるようだった。


「リーオンさんは最初から鍛冶師をやりたくてAWOを始めたんですか?」

 歩きながら、ふと疑問に思ったことを問いかける。

「そんなこともねぇが。やってくうちに、な」

「銃を作りたくて、ってことですか?」

「まぁな」

 ふーん、やっぱり男の人って銃とか好きなんだね。まぁ私もメカメカしいものとか好きだから人のことは言えないけど。

 そんな雑談をちょこちょこしていたら駅に着いた。


 駅があるのはドワーフ島北側の村、ノーバス。駅が出来たことでひと・もの・かねの動きが増え、村から街に発展しようとしているような雰囲気だった。


「こっちよぉ」

 駅前には喫茶店があり、そこのテラス席でアミーさんがお茶を私たちを待っていた。

「お待たせしちゃいましたか?」

「まだみんな来てないから大丈夫ぅ。ねりけしちゃんは大体いつも遅刻ぎりぎりだしい」

 ちょっと意外な感じかな。普段割とのんびりしてるアミーさんのが時間にぎりぎりなイメージだけど。

「わたしはぁのんびりしてる自覚があるからぁ、いつも早めにきておくのぉ」

「おやおや操者(マスター)は表情で会話ができるのですね」

 そういうのは言わなくていいんだよ。はずいなー。

 そうしてしばらくお茶をしながら他のみんなが来るのを待つ。

 リーオンさんは女性三人と一緒にいるのが恥ずかしいのか、列車を見てくると行ってしまった。


 そして列車の発車までまもなくということろで、先輩とねりけしさんがやってきた。

「おまたせ。ぎりぎりになっちゃったね」

「ごめんよー。また遅刻しちゃったよー」

「わたしが迎えに行かなかったら完全に忘れてたよね」

「つい没頭しちゃうとねー」

 全員揃ったということで、私たちは駅へ向かう。

 列車は思ってたより相当大きく、15両くらいはあるのかな。私たち以外にも乗客のプレイヤーは結構いるみたいだった。そしてリーオンさんは、列車が気になるというのは嘘ではなかったらしく、機関部とかをじろじろと見ていた。

「リーオンさん、お待たせしました」

「あぁ。別に構わねぇさ。おい、これ見てどう思う?」

 と、リーオンさんが機関部を指さしながら私に聞いてくる。どうって、どういうこと?

 私はエンジン設計じゃないから、熱機関とか見ても詳しくないんだけどなぁ。

 一応覗いてみると、そこは前にどっかでみた機関車の機関部と、見たことがない魔法の装置っぽい何かが合体したような構造になっていた。

「どう、と言われましても…ファンタジー機関車みたいな?」

「馬鹿か、どうみてもこれ機工がなきゃ作れねぇだろうが」

「あっ!」

 そういえばそうだ。金属製の構造物を作るには機工がなければ爆発するはずだ。ってことは、これを作った人は機工を持ってるってこと?

「だろうな。たださっきから技術者に話を聞いても、教えちゃくれねぇんだ」

 技術、というかスキルについては機密ってことかな。

「ちなみにアヤナから見て、これどうなの?」

「まだまだ稚拙かと。おそらくこれを分解しても機工を取得するには至らないと思われます」

 そうなんだ。残念。

 リーオンさんも悔しそうに睨んでいる。もしこれを分解すれば機工が取れるっていうんだったら、強奪してそうな顔してません?


「じゃあみんな行こうか」

 先輩の号令のもと、乗り込んでいく。

 先輩、ねりけしさん、アミーさん、リーオンさんと順に乗り込む。

 リーオンさんが乗り込む寸前、私の耳元でつぶやく。

「おい、あとで話がある」

 その言葉にびくんと体が緊張する。

 話って何!?アーファン大陸ついてからのデートの約束とかだといいな!…なわけないよね。


「じゃ、アヤナ。私たちも行くよー」

「了解です。操者(マスター)」

 そして最後に私たちが列車に乗り込む。

 乗り込んだ瞬間、ぶわん、と一瞬感じた違和感。

「ん?」

 なんだろこれ、まるでフィールドが切り替わったような?

「あのー、先輩、列車の中って………あれ?」

 見渡すと先に乗り込んだはずのみんながいない。

 がらんとした客車に、私とアヤナ。


「あれ、みんな?」


 しかして列車は出発する。

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