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古代日本史の謎を筆者は解いた!  作者: ニャンコ教三毛猫派信者
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【前回の補足①】

前回の補足




まあちょっと聞いてほしい。日本古代史は奥が深い。

筆者は前回を投稿してからちょっと調べ物をしただけでも、どっさりと言い残した事があると気づいた。



【①:ミケという名前について】


筆者は前回、オオタタネコの周りに「ミケ」という名前が非常に多いことを論じた。


まずオオタタネコの妻は「出雲神門臣(いずものかむとのおみ)美気姫(みけひめ)」である。

祖父は「大御気主命(おおみけぬしのみこと)」であり、曾祖父は「豊御気主命(とよみけぬしのみこと)」である。

また、息子は「大御気持命(おおみけもちのみこと)」であるという。


加えてオオタタネコと非常に名前の似る「天種子(アメノタネコ)」はというと、孫息子に「大御食津命(おおみけつのみこと)」がいる。


では何がそんなに「ミケ」にこだわるのかというと、敦賀の気比神宮(けひじんぐう)に「ミケツオオカミ」という神様が奉られているのである。


古代史上屈指の要注意人物、応神天皇に関わり深く、気比神宮はその母親神功皇后も篤く敬っていたという。

そしてこの神様と関係あるのかどうか不明であるが気比神宮がある、敦賀という地名は一説によると「ツヌガアラシト」という朝鮮系の渡来人の名前「ツヌガ」が訛って「ツルガ」になったという伝説がある。

また、神功皇后は「息長氏」出身であるが、息長氏の祖先は天日槍(アメノヒボコ)なる人物であり、この人物はハッキリと新羅の国の王子と書かれてあり、ツヌガアラシトとはエピソードが全く一緒なので明らかに同一人物である。


つまり、神功皇后は祖先である渡来人の名前がついた敦賀の気比神宮を篤く敬っており、この神宮の神様は「ミケツオオカミ」であり、オオタタネコの周りには異様なほど「ミケ」がつく人が多い。

このことから、筆者は「息長氏」と「オオタタネコ」と「ミケ」と「渡来人」は一本の線で繋がっているのではないか、と考えた次第である。


更にいえばオオタタネコは神武天皇と同一人物である可能性すらあることを、筆者は力説してきた。


しかし今一歩、冷静な人を説得するには弱そうだなと内心思っていた。

ところが、ある事実を発見して筆者は驚愕したのである。


まず神武天皇の名前は「カムヤマトイワレビコ」なのだが、彼は宮崎県出身である。

したがって、親のつけた名前にヤマトがつくというのは有り得ない事になる。


日本書紀などには「福岡県、筑紫の山門県(ヤマトのあがた)に住む土蜘蛛の田油津姫を神功皇后が退治した」と記述されている。

この田油津姫というのが、邪馬台国の卑弥呼と関係あるのではとも言われる。

つまり、北九州出身であれば、名前にヤマトがついていても百歩譲ってありうる。

しかし南九州、日向出身と明言されている以上、神武天皇の名前にヤマトがつくのはおかしい。


もちろん神武天皇というのも後世につけられた称号である。

要するに、彼の名前は誰も良く知らないのである。

だが記紀によれば「若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、または豊御毛沼命(とよみけぬのみこと)」であるという。


全く恥ずかしいというか、凡ミスというか、一番見落としてはならないところを見落としていたというか。


言うまでもなく、神武天皇自身が「ミケ」の名を持っているのである。

いやまあ確かに万葉仮名遣い的には若干発音が違うから関係ない、と言われればそれまでなのだが、まあ聞いてほしい。

何故、筆者がオオタタネコは神武天皇と同一だと確信するかだ。


神武天皇はヤマトを支配していたニギハヤヒを降伏させることによって、ヤマトを征服した。

その際に、大物主などと言う名前はどこにもないのに、突然大物主が現れ、娘の「イスズヒメ」を神武の妃にした。

これだけでも不自然である。一番自然なのはニギハヤヒの娘でもめとることではないか?


ところが、その後跡目争いが起きる。神武が九州にいたころ九州出身の妻との間に九州出身の長男が出来ていたのだという。

九州出身の長男なら九州の王にでもなっておけ、と思うのだが、長男・タギシミミはヤマトの王になろうとして内紛が起こった。

二代目天皇になったのは兄・タギシミミを殺した「カムヌナカワミミ」であった。

カムヌナカワミミは、ヤマト出身と思われる母を持ち、当然ヤマト生まれヤマト育ち。

しかも妻は母親の実の妹、つまり叔母にあたり、ヤマト生まれの姫をめとった。

九州がヤマトを制圧したなら九州出身のタギシミミが王になるべきで、不自然極まりない話である。


それから時は流れ、十代目に話が飛ぶ。実は二代目から九代目までの天皇は記録がほぼない。

残っているのは誰と結婚しどんな名前の子供を産んだか、程度である。

つまり事実上、記紀を読むものにとっては十代目の崇神天皇が二代目のような印象を受ける。


神武と崇神は二人とも「ハツクニシラス・スメラミコト」と呼ばれている。

そのため、二人を同一人物とする説もあるが筆者もそれを支持する。


崇神の代には当たり前のように大物主が大きい顔をしており、ニギハヤヒなど欠片も出てこない。

大物主はヤマトの主要な人物に夢を見せ、「我が子孫のオオタタネコに祭祀を任せよ」と強く言ってきたのだ。

崇神天皇以下数名の部下も夢を見たと言う。大物主と結婚している、巫女のヤマトトトヒモモソヒメも見たと言っている。

崇神は決心して「オオタタネコ」なる人間を迎えたのであった。


しかし奇妙なのは、皇族の「ヤマトトトヒモモソヒメ」は立派に大物主の巫女としての役割をその後もこなしており、そもそも崇神だって大物主の血の入った人間にはちがいない。

一方オオタタネコは大物主から数えて七代目の子孫であると言うが、大物主の血が薄まっているのでは皇室と同じである。

何故わざわざ「オオタタネコ」を名指しで指名し、迎えなければいけなかったか?


侵略もしくは外圧によってオオタタネコがヤマトの実権を握った事をオブラートに包んで表現しているのは、火を見るより明らかである。

ということは、外部から入ってきたのでは神武天皇とオオタタネコは変わりない。


更に神武天皇はヤマト入りの際にヤマトの西側の「葛城国」を「剣根命(つるぎねのみこと)」に任せ、ヤマト東側の「倭国(ヤマトのくに)」を「長尾氏(ながおし)の祖・椎根津彦(しいねつひこ)」に任せている。


そしてオオタタネコはこの時の「剣根命」の子孫であり、ついでと言わんばかりに「椎根津彦」の子孫の「市磯長尾市(いちしのながおち)」などという人間を外部から連れて来ている。


つまり、初代神武と十代目崇神は同じ「ハツクニシラス」であり、エピソードも非常によく似ているということである。


しかも神武のときにはニギハヤヒがずっとヤマトの代表者のように出演していたのに、突然大物主が出てくる。

一方崇神のときには大物主が外部からの人間を招き入れようと強く主張するのである。


筆者はこの二つの神話について、こう結論づけた。


「これらは同じエピソードを別の視点で描写し、年代をずらしたものに過ぎない。

従って、立場の同じニギハヤヒと大物主は同一であり、神武天皇とオオタタネコも同じである可能性がある」


そこに加えて「オオタタネコの周りにはミケの名前が沢山出てくるのだが、神武天皇本人も若御毛沼命(ワカミケヌ)、または豊御毛沼命(トヨミケヌ)である」


という事実まで加わった。筆者はもう神武とオオタタネコが同一人物でない方が逆におかしい気さえしてきた。

ちなみに「大御食津臣命(おおみけつおみ)」は丹波の豊受大神に従って崇神時代に降臨したとか。


大御気津臣(おおみけつおみ)は名前は一緒で表記が若干違うのだが、これは天種子の孫と伝わる。

オオタタネコの息子は「大御気持命(おおみけもちのみこと)」らしいが関係はあるのだろうか。


筆者の調べによると「ミケモチ」という人は幾人かいる。

しかし「モチ・ムチ」という名前の神を調べると、「オオナモチ」「オオヒルメムチ」ぐらいしかいない。


オオナモチは大国主の別名、オオヒルメムチは天照大御神の別名と伝わる。

どっちも非常に神格が高く、それと同じ「モチ」という名前を「オオタタネコの息子」が持っている意味とは……?


「ミケ」というのが何なのかは不明であるし、筆者の挙げた「ミケ」のつく人も相当表記に幅がある。

だがこれこそ筆者の見つけた、隠されし日本史である。

筆者は神武天皇とは「丹波(たんば)の影響の強い難波(なんば)出身の人物」と睨んでいる。

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