合流
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─── 時は少し前に戻り、 大野木と壕魔の戦いが行われていた頃、 琥太郎と雀は森の中を歩いていた。
「大野木先輩の声が聞こえなくなった… 」
先ほどまで会話をしながら歩いていたクマの人形も、 突然と素の人形に戻ってしまった。
「先輩、 大丈夫かしら?」
雀は心配した様子で人形を拾い上げた。
「分からないけど、 学校の方で何か起きているのかもしれない……」
「どうする? 戻る!?」
「いや、 今は皆んなと合流しよう」
「分かった… 多分だけど、燕もこの森にいると思うし」
「ん? 分かるのか?」
「戦凪と戦ってる時、 援護射撃があったでしょ? 方向的にはこの森からだった、 それに、あの距離から正確に狙撃できるのは燕くらいよ!」
「なるほど… 燕さんに合えば今の状況も詳しく分かるかも知らないな」
「そうね、 けど…… 」
「あぁ…… コレ地形ごと変わっちまってるだろ…」
あたりを見回すと、 先ほどの戦凪との戦いで木が無数に倒れ、 地面は崩れ、 悲惨な状態であった。
「ほんと、 とんだ脳筋君だよね」
─────── !?
大木の影から、 ふっくらとした体格の男がヒョコっと姿を見せた。
「誰よ、このデブは」
「霧雨! 無事だったのか!」
「デブじゃないよ! ぽっちゃりだよ!」
「よく見たら、 前に見た事がある姿ね、 確か名前はアホ子だったわよね? 変態に捕まって奴隷にでもされたのかしら?」
霧雨の後ろから怖い顔をした月影が姿を覗かせた。
「アホ子じゃない! 鳳雀よ! この私が奴隷ですって! この女、 どうやら死にたいらしいわね」
「状況が見えていないようね、 今あなたが置かれているこの状況を」
「くっ…… 」
木の影からクラスメイトの原木直也が姿を表した。
木原も無事だったか…… けど、 黒崎たちは一緒じゃないのか?
だとしても、俺を含めたら4対1の状況だ…
雀も相当に疲労しているだろうし、戦えるような体じゃない。
まずいな…
「その胸のように小さい脳みそでも理解できたかしら?アンタは抵抗しても無駄、 奴隷と呼んでも差し支えはないわ」
「うるさい! 私の胸はまだ成長中なんだ! それと、私をどうするつもりなのよ!」
雀はカッとなりながらも、何とか怒りを押さえつけて月影に問いかける。
「は? 持ってる情報全て吐かせて、 人質になりそうなら生かすし、 ダメそうならすぐに殺す」
「バカね、 アンタ達になんて絶対に話さないわよ!」
フンっと胸を張って雀は言い切った。
「なら殺すわ、 拷問とか好きじゃないし、 時間の無駄でしょ」
「え? ちょっと! そんなすぐに決断しないでよ! もうちょっとあるでしょ!? 色々と脅したりさ!」
「は? 特に思いつかないし殺す」
「 ────── ひぃぃぃ! 」
雀は慌てて琥太郎の背中に回って身を隠した。
「変態、 そこをどきなさい」
「え、 ちょっと待ってやったら…… 」
おいおいおいおい、 ガッツリと服掴まれてて動けねー上に……
クソが… あのアホ、 恩を仇で返す気かぁ……
雀は琥太郎の背中に拳銃を突きつけていた。
(当然、 私を見捨てたら許さないわよ)
ひそひそと俺の耳元で雀は囁く
クソが… こんな言葉を耳元で囁かれても嬉しくねーよ!
普通、耳元で囁くなら、 もっとデレのある言葉だろ!
ヤバい、このままじゃどっちを選んでも殺される選択肢かねーじゃねーかよ!
琥太郎の顔がみるみるとひきっつていく。
「いや、 マジでコイツは俺の奴隷だから、 殺すのはちょっと困る…… 」
「はぁ!? アンタ何言ってんのよ!」
雀はその場しのぎになる事はなかった。
おいおいおい、このアホ…… どうすんだよ
場の空気が一気に重くなった。




