人形
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ある日、 兄の精神は崩壊していた。
壕魔の取った行動の引き金は自分にあると責任を感じていた。
自分のせいでクラスメイトが死んだ。
兄はそう言っていた。
でも、 本心では壕魔には感謝していた事を知っている。
どんな形であれ、 壕魔は兄を救った。
悪いのは、あのクソ親共たちだ。
子供が死んだ理由を兄のせいだと言い放った犠牲者たちの親族を俺は許さなかった。
だから、 犠牲者の家族を全員殺す事を考え行動した。
結局、 一軒めで、家族4人を殺したタイミングで身柄を警察に取り押さえられた。
それからしばらく経って、俺は異能力が使える様になった。
その事を知った途端に保釈され、 殺人を起こしたことすら無かった事になった。
俺は急いで兄の元へと向かった。
まだ一件目だが、 あのバカ家族はもういないから安心して欲しいと伝えたかった。
けど、 すでに兄の感情は壊れ、 廃人になっていた。
それでも、 他の犠牲者の家族も皆殺しにすればきっと元気になるはず。
俺はこの力で目的を果たすはずだったに……
それは叶わなかった。
そう、 俺と同じく壕魔八幡も異能力を手にしていたのだ。
俺は壕魔と少しだけ話した事があった。
なんで、人を殺したのか?って
壕魔は、「楽しいから」っと話していた。
アイツは、人を殺して愉悦を得ていたのだ。
殺せれば誰でも良いはずの狂人が、わざわざ俺が殺したい相手を狙った。
すぐに理解できた。 本当に壕魔という男はクソ野郎だってことを。
わざわざ敵を増やす事を好む壕魔は、正真正銘の狂人だ。
「お前は俺が殺す!」
「それはねーぜぇぇぇ」
『戦闘人形』
地面に倒れていた人形の形が変化していた。
真っ赤な赤い服、まるでアスリートに扮した様な人形へと変化した。
戦闘人形は、即座に壕魔の腹部へ拳を打ち込んだ。
そして、 大野木も同時に足蹴りを顔面に喰らわせる。
「少しマネしてみるかぁぁ…『毒蛇』」
名前の通り、 蛇の形に扮した紫色の液体が牙を剥いてきた。
─────── ぐッ!!
回避しきれず、左足を噛まれた。
「体、 溶けちまうぜぇぇぇ」
「『狂気の人形』やれ!」
斧を持った人形が現れると、 そのまま大野木自身の左足を切断した。
───── ぐぅぅ……
「やるじゃぁねぇぇかぁぁ」
「『人形部品』」
すぐに大野木の左足が人形の物へと変わった。
「お前の体…… なるほどなぁぁぁ、 面白れぇぇ」
「よそ見しすぎだ!」
───── !?
壕魔の背後から戦闘人形が拳を繰り出した。
「邪魔くせぇぇぇ」
───── !?
戦闘人形に目が向いた瞬間、正面から大野木が腹部に拳を打ち込んだ。
確実にダメージは与えた。
けど、 流石に殺すのは難しいか……
「楽しかったぜぇぇぇ」
「くっ!」
「『蠍』」
─────── !?
サソリの尻尾の様な形をした液体が大野木の体を貫いた。
「6箇所かぁぁぁ」
「がぁぁ…… 」
大野木は立ち上がろうとするが、 全く動かなかった。
「じゃぁぁなぁぁ」
「くぅぅ…… 」
壕魔は上の階へと登っていってしまった。
やはり、 俺1人じゃ無理だったか…
あぁ… 目がほとんど見えない
手足の感覚もない、 毒をもらいすぎた。
人形部品、俺の体の一部を部分的に人形に変える能力
両手、左足は人形だったが、 その力ももう……
せめて、 宮森たちを……
「戦闘人形、 壕魔を追え」
その言葉通り、 戦闘人形はすぐに壕魔を追って走り出していった。
どうやら、 俺はここまでの様だ…
後は宮森たちに任せるとしよう。
「随分とコテンパンにやられたようだね〜」
薄れる意識の中、 姿を確認することは出来なかったけど、 女の声が聞こえてきた。
「誰だ? お前は…… ?」
「まだ秘密、 君にはもう少し生きてもらうよ」




