蘭戦乱入
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「見つけた、 君、 帝くんの妹」
「あなたは…… 」
「あの場で殺しても良かったけど、 あいにく、 壕魔君とは相性悪くて」
「私を殺せるとでも?」
「ま、 帝くんへの手土産に君の首を貰おうかなと」
「黙りなさい『血塗られた手』」
─────── !?
その場に居たはずの男の姿が無くなっていた。
「残念やけど、 君じゃ僕に勝てないよ」
──── ぐっっ!
背後から長い刃物が椿の右肩を貫いた。
「あなた、 いつのまに…… 」
「いや、 普通に歩いて回り込んだだけやよ」
「そんなはず…… 」
「ほんまや」
「『血塗られた蛇』!」
椿は慌てて、 男との距離を広げた。
その瞬間、 男は拳銃を放つようなポーズを取っていた。
しかし、 男の手に拳銃は存在していなかった。
「なんの真似かしら?」
────── !!!?
「真似じゃない」
椿の腹部に銃弾が撃ち込まれた。
唖然とする椿の顔を見て、男はクスクスと笑う
「拳銃や弾丸まで見えなくできるのかしら?」
「秘密や、自分、血が出ないのか、 変わった能力やな」
「あなたに教えることは何もないかしら、 『血塗られた蚊』」
数百、 数千の真っ赤な蚊の大群が現れた。
この蚊は、 血を吸うのではなく、 相手の体内へ血を流し込む。
流し込まれた血管は、 その量に耐えきれず破裂してしまう。
この男は危険だわ、 少しでもお兄様の邪魔になる可能性がある生徒は私が確実に殺しておく。
「すごい数やな、 怖い、 怖い」
またしても、 男の姿が一瞬にして消えた。
────── !?
男へ目掛けて飛んでいた赤い蚊の大群も、 男を見失ってしまったのか、 動きが止まった。
「残念やな」
──── ぐぁぁぁぁ!!
男は椿の両眼を斬りつけた。
椿は膝を突き、 周囲に飛んでいた赤い蚊の大群も消滅してしまった。
その光景を見て、 男はクスクスと笑う
「可哀想、 僕以外も、 見えなくなってもーて」
「黙りなさい、 先程の攻撃で確信しました、 あなたが、 黒崎十夜ですね」
「正解やけど、 僕、 君と面識あった?」
「あなたの話だけは色々と聞いていました、 性格の歪んだ狐がこの学校にいるから気をつけろと」
「なるほど、 愛しのお兄様が〜 照れる」
「黙りなさい! 『血塗られた巨人』」
真っ赤な巨人が2人の間に現れると、 男へ目掛けて、両拳を地面へ振りかざした。
「君、 目を斬られたのに、 血が一滴も流れてないけど、 ほんま、 どんな異能力なん?」
地面の形状が変わるほどの一撃を受けても、 男はクスクスと笑いながら話を続ける。
「『血塗られた巨鳥』! きなさい! 『血塗られた騎士』!」
5〜6メートルはあるだろう、 真っ赤な巨鳥と、 赤い甲冑に身を包んだ騎士が3人現れた。
そして、 地面へ倒れている男へ時間を与える間も無く、巨鳥の翼から、無数の赤い羽が弾丸のように放たれ、 男の体を串刺しにした。
「すごい賑やかやな、 流石にキモいわ」
─────── なっ!?
椿の胸を長い刃物が貫いた。
「やっぱ血は流れてない、 君の異能力は血液を使用して、 色々な形にして召喚する、 そんなとこかな」
「なんで、 あなたが後ろに…… 」
「なんで? ずっと後ろにいたよ、 最初から」
「嘘よ… あなたは、 攻撃を受けていたはず、 交わせていなかった」
「そんな状況は知らんよ、 僕の目には、 君が1人で、 誰をおらんのに、 沢山の異能力を使って暴れている姿しか見えなかったけど」
「そんなわけ…… 」
「どうでもええよ、 君は終わり」
「お、 兄様…… 」
椿の発動した能力が切れたのか、 巨人や巨鳥、騎士の姿も崩れ落ちて消滅した。
それと同時に、 椿の傷口から血が溢れ、 地面へと崩れ落ちる。
「はい、 終わり」
男はクスクスと笑いながら、 椿の死体を抱き抱えて、 学校の校舎内へと移動を始めた。
「さて、 次は…… 」
しかし、すぐに男の足取りは止まった。
「今日は撤退や、 長谷川君」
「了解した、死体だけは届けるのだろ?」
「そうやな、 ほんとは僕が直接、渡しにに行きたかったんやけど、 この毒じゃ無理そうやな」
「だな、 クラゲに運ばせる、『海月の渡り船』」
フワフワと急に浮く大きなクラゲの上に死体を乗せると、 ゆっくりと校内へと移動を始めた。
今、校内にいるのは確か……
3年Cの壕魔くん、 2年B組の大野木くん、 1年C組の帝くん、他にも数名…
「さて、 どっちが生きてるか楽しみや」




