風と雷
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「お前が追い詰めてた1年も、逃げちまっまみてーだがぁぁ、 どうすんだ?戦凪ぃぃ」
「問題ない、 君たちを殺してから、 彼を殺しに向かう」
「バカかぁ? 俺はお前の味方だ、 殺すんじゃねーよ」
「なら、 君はここで大人しく見ていてください」
──────!?
──────「『風神』」
これはぁぁ… 確かに、 俺が力を貸す必要は無さそうだぁ
戦凪は、風で覆われた羽衣を纏っていた。
名前通り、 正しくその姿は風神の様に見えた。
「うわ〜 なんか危なそうなの来そうだね、 3人とも気をつけて」
そんな状況でも帝は臆する事もなく、 余裕の表情で仲間の心配をしていた。
「くだらねぇ! そよ風で俺らを殺せるとでも思ってんのかァ!? 舐めやがって! オイ!野々原!」
「了解ですゾ! 」
チンピラこと、 鹿島千八は、 ヘルメットを被った少女、 野々原桜から、 鉄パイプを受け取った。
「ぶっ殺してやるよ、 そよ風野郎!!」
「うるさい」
────── ぐはぁぁ!!
なんだこれ、 傷は深くねーが、 今の一瞬で、数十箇所も斬りつけられた……
コイツ…… クソみてーに早ぇ!
「だがァ! 所詮はそよ風だ! そんな生ぬるい技じゃ俺は殺さねーよ雑魚がぁ!!」
「大丈夫ですか? 休んでいても宜しいのですよ?」
黄金色のロールヘアーのゴスロリ少女こと、 帝椿が駆け寄ってきたが、 明らかに、彼女は心配している表情ではなかった。
まるで、 嘲笑うかのような、 笑いを堪えているよな表情をしていた。
「黙れブラコン野郎! 風神が相手なら、 ここは雷神に任せておけば良い!!」
「ん!? ブラコンじゃありません!! 私はお兄様を尊敬しているだけです! ほんと、考えが馬鹿その者ですわね」
「いくぜぇ! ────「『雷神』」
千八は、雷の走った羽衣を纏っていた。
戦凪の風神によく似ている……
その場の光景はまさに、 風神と雷神が現れたかのようだった。
「雷か、 殺しがいがある」
「アァ! ぬかせ、 テメェが今から俺に殺されんだよ!」
「試してみると良い」
「死にやがれェ! ─────『雷鳴一線』!!」
鉄パイプに集まった雷が一気に放たれる。
「舐めすぎだ、 1年」
戦凪は一息で、 攻撃が繰り出される前に、 千八の間合いに入った。
───────ぐぁぁぁ!!
そして、 鋭い風の刃が千八の左足を切断した。
「君の攻撃は遅すぎる、 雷ってのは、 もっも早いものだと思ってたが、 残念だ」
「千八さん! 大丈夫ですか!? 今止血に!」
「さがってろ! 野々原ァ! 問題ねェ!!」
攻撃が当たらなかった、 それどころか、 一瞬で間合いに入られ、 足までやられた。
確かに、 あの野郎がァ……
でも、 良かった、 アレなら、 帝の敵じゃねーか
「どうやら、 俺じゃアイツは殺せねーようだ、 野々原! 俺たちは撤退だァ!」
「自分が変わりますゾ!」
「今はやめておけ」
「了解しましたゾ!」
「つー訳だ、 後はお前らで勝手にやれ、 俺は引き際を間違えねェ!」
「流石ですゾ! チンピラのくせに、 恥じらいもなく危なくなったらすぐ逃げる! 自分はその判断力に感服ですゾ!」
「うるせェ! とっとと逃げんぞ」
「逃がすわけないだろ」
戦凪は撤退しようとする千八へ斬撃を放った。
「小場内くん」
────── !!
帝の呼びかけにより、 小場内は千八を庇うように斬撃をくらった。
「死体を盾にするとは、 タチの悪い」
「え〜 そうかな、 君も死んだら使ってあげるよ」
ニヤリと笑みを浮かべる帝を見て、 1人の男が笑い出した。
「お前、 最高だ、 良いセンスしてるぜぇぇ、 俺の部下にならないかぁぁ?」
壕魔八幡
彼は帝の言動を見て、 興味を持ったのだ。
「お断りします、 なんか先輩、 喋り方気持ち悪いし」
────── !!
少しの間、 沈黙が走った。
「よく言われたなぁぁ、 言ってた奴ら全員殺しちまったけど」
「僕も殺します?」
「戦凪に勝てたら、 殺してやるよぉぉ」
「参ったな〜 モテモテで困るよ」
「お兄様に失礼です、『血塗られた手』」
突如、 赤く染まった大きな手のひらが壕魔を振り払った。
─────── !!
「お兄様、 あの2人を撤退させて宜しいのですか?」
「構わないよ、 懸命な判断だと思うしね」
「お兄様はとてもお優しいですわ、 感謝しなさい、 チンピラ」
「あァ!? うるせェ! なんでお前らに感謝しなちゃなんねーんだよ」
「当然よ、 この場から逃してもらえるなんて、 泣いて喜び、 感謝するのが当然だと思うわよ、 ただ無駄に足を失ったあなたは特に」
「テメェ…… 」
「まあ、 その足じゃ、逃げる事も難しそうですが」
「舐めんじゃねーよ!『電光石火』」
雷が光った直後、 2人の姿は消えていた。
「逃げ足は速いのですね」
こうして、 早くも戦局は大きく動き出していた。




