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それぞれの企み

「先生、 あなたは教室を出た後は何をしていたんですか?」


長谷川が奇妙な質問を先生に投げかける。


「そんな事を教える義務はありません」


先生は答えようとはしない。


「そうですか、 なら質問を変えます。 先生は我々1年A組の味方ですか?」


──────



確かに、 先生はこのクラスの担任ってだけで味方かどうかは分からない。

今の今まで、 俺もクラスの皆んなも自然と先生は味方だと思っていた。


長谷川祐介という男は、 いろんな角度から物事を考える視野の広さを持った人物なのだろう。


「もちろん、 私はあなた達A組の味方です。 これで満足ですか?」


先生は迷う事なく味方だと宣言した。


「そうですか」


長谷川もまた迷う事はなかった。



──────!!!!!(爆破音)



俺の目の前で、 何が起こったのか直ぐには理解出来ない。


唐突に起こったそれを目の前にしたクラス全員が危機感を走らせる。

そして、 しばらく呆気にとられていた俺は、 ようやく現状を把握した。



───先生が血塗れの状態で倒れている。



「先生、 嘘は見苦しいですよ。 では何故、 他クラスに僕たちの情報を流していたんですか?」


「 ──────!!! 」


全員が驚愕する。


「違うッ! 私は脅されて、 けど、 情報は流してない! 急にパソコンが使えなくなって! 」


「知ってます。 僕の異能力ですから」


「 ────ナッ! 」


「僕の能力は、 盗聴・盗視や異能力での監視行為の全てを打ち消します。 そして、 その人物を特定して攻撃する事も出来る」


彼の周りには青白く光るクラゲとは打って変わった、 赤く光るクラゲ。


「待ちなさいッ! 私は悪くない! 私は脅されて! だからッ!」


冷たい表情の先生の面影はもはやない。


「では、 先生は情報を誰に渡す気だったんですか?」


長谷川が質問する。


「さ、 さ…… 3年C組です」


さっきは全く長谷川の質問など答える気がなかったであろう先生がベラベラと口を破る。


先生は足を攻撃されている。 これでは逃げることもできないだろう。

完全に長谷川の手のひらで踊らされている。


「なるほど、 教えてくれて助かったよ先生。 そしてお疲れ様でした。 あなたは今日で退職だ」


「はぁ…… はぁ…… あなたは、 校内で戦闘行為をした。 ルールを破った者は魔王様にぃぃ……」


先生は涙を流し、 震えながらも笑みを浮かべた。


「ルールは守っていますよ。 生徒同士の戦闘行為は禁止されてますが、 教師を攻撃する事は禁止されていないですよね? 先生」


先生から笑みが消え失せる。


長谷川はその視野の広さと並ぶ、 行動力を持っている。


恐ろしい奴だな……


「あんた達なんてすぐに殺されるッ! C組に狙われてるアンタらは直ぐ殺されるッ! 皆殺しだわ!」


痛みと絶望に耐えきれず、 泣き崩れた様子で先生は叫ぶ。


先生は死ぬ。 そう皆が思った瞬間、 1人の男が長谷川の前に立ち塞がった。



「こんなこと辞めようよ! 先生だって仕方がなかったんだろうし! 殺すなんて間違ってる!」


堀内和樹(ほりうち かずき)である。


あいつ…… 自己紹介の時も綺麗事を抜かしていたやつ、 正気か?


「どいてくれないかい?」


「断る!」


長谷川の言葉を聞く気は無いようだ。


「君の能力を失うのは余りにも勿体ない。 だから、 そこをどいてくれ」


「断る……!」


堀内は脅されても、 そこをどかない。


「何でこんな事するんだよ! 皆んなも止めないなんておかしいよ! このクラスにはさっきの爆破だって防げる……」


────殺気



「長谷川、 力貸すぜ」

「あぁ、 俺も」


2人の生徒が長谷川の方に駆け寄ってきた。


「みんな! 今はクラスで争ってる場合じゃない! 」


今にも乱闘が始まりそうな状況の中、 中谷が必死になだめる。


「はぁ…… 分かりましたよ、 生徒同士の戦闘はご法度ですし、 今は引きます」


「いいのか? 長谷川」


長谷川があっさりと引いたので、 先程の2人も拍子抜けした様子で尋ねる。


「あぁ、 今はね。 君の能力を失うのは勿体ないと思っていたが、 残念だ」


「ぼ、 僕を殺す気かい?」


「あぁ」


「なら、 僕にも考えがある……」


堀内の言葉に長谷川は顔をしかめた。


「僕を殺すって言うなら、 先生を殺すって言うなら、 僕は今ここで、 このクラス全員の能力を叫ぶッ! 他クラスにも聞こえるように! 校内での戦闘禁止時間17時までッ!」


最悪だ、 今天秤に掛けられているのは、 目の前の教師1人の命とクラス皆んなの命といっても過言ではない。


それは長谷川も重々承知だろう。


「参ったよ、 降参だ……」


長谷川は大きくため息を吐いて、 席に座った。


これはお手上げだろう、 あいつは自分で見た人物の異能力が分かるって能力。

それを活かし、 自分の身の安全を確保しやがった。

だが、 あいつが皆んなの能力をバラさない保証はどこにもない。 他クラスに自分の能力を伝えて投げ込まれでもしたら面倒だ。


堀内和樹、 正義感だけで行動するバカって訳でもなさそうだな……


皆んなの能力を他クラスに教えるハメになることは避けたい。


あいつは危険すぎる……。



こうして、 各自の思惑が動き出す。


今回から徐々にハイファンタジーぽくなって行くと思います。

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