帝
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帝の様子は、 戦っている時にする表情じゃない、 まるで、 友人と話しているよな表情だ。
戦凪も同じく、 戦いを楽しんでいるような表情を見せる。
どうかしている……
「君、 1年だろ? 名前を聞いてもいいかい? 殺す前に知っておきたい」
「死にませんけど、 名乗っておきますね、 1年C組の藤波帝って言います」
「帝君、 異能力を使わずによく戦える、 面白い」
「いや〜 おだてても先輩は殺しますよ」
「攻撃を避けているだけの君にかい?」
「確かにそうですね、 僕が殺すんじゃなくて、 僕の友達が殺します」
「友達だと?」
────── !!?
「小場内くん、頼んだよ」
戦凪の動きがピタリと止まった。
「君は……? 」
その光景は琥太郎たちにも見えていた。
小場内光希
確か、 リーダー会議で殺された、 1年C組のリーダーだ
何でこんな場所に、 いや、 死んだんじゃ……
それに 、 なんで……!?
堀内和樹が、ここにいるんだ!?
なんで、生きている……?
ありえない…… 堀内は確かに死んだ。
それは、 この目でも確かに見た光景だ。
けど、 目の前にいる男は、 紛れもなく堀内だ。
「君は会議の時の… 生きていたのかい?」
「…… 俺は、 まだ、 やれる」
小場内はゆっくりと戦凪へ迫る。
「なるほど、 話が通じないようだ」
────── 飛べ
小場内は空中へと飛ばされた。
そして、 地面へ目掛けて、真っ逆さまに落とされた。
───── !?
「…… 俺は、 まだ、 やれる」
急落下したせいで、 小場内の左半身はぐちゃぐちゃで、原型を留めてはいなかった。
それでも、 小場内は立ち上がる。
まるでゾンビだ…
「直すの大変だから、あんま壊さないで欲しいな」
「治す? 君も、 黒崎くん同様に、治癒能力が使えるのかい?」
「ん…… 黒崎くん? 彼、治癒能力使えるの? 初めて知ったよ、 ちなみに、僕は治癒能力は使えないよ」
なにやら、 琥太郎が嘘をついたせいで、 話がややこしくなっていた。
「そうか、なら、この少年はかなり頑丈なのだな」
────── 『風車』
小場内の身体が、 左右に回される。
風圧に耐えきれず、 既に体の骨の大半が砕けているはずだ。
しかし、 小場内光希は立ち上がる。
どうやって、 立ち上がっているのだ? と言いたげな顔で戦凪は小場内を凝視する。
「君じゃ〜 彼を殺せない、何度だって立ち上がる、 だってさ、 君の攻撃ってぬるすぎるし」
───────── !?
帝の挑発に、戦凪は何も言い返すことはなく、無言のままだった。
「あれ? 怒っちゃった?」
「いや、 怒っちゃいない、楽しいのさ、最高に」
この状況でも戦凪は笑った。
そして、死を感じるほどの重圧を放っていた。
「 ─── 『風刀ー松風』」
一瞬だった。
一瞬で小場内の体がバラバラに切り刻まれたのだ。
「やっば…」
「どうした、立ち上がらないのか?」
さっきよりも速度が上がっている、ほとんど動きが見えなかった……
今の一瞬で何回剣を振るったんだ…
当然、バラバラにされた小場内は動かない。
「まだ戦えるよね? 小場内くん」
────── !!
斬られた箇所が、紫色の糸により接合されていく。
「なるほど、 これが君の異能力かい?」
「そう、 これが僕の能力、 死霊魔術師」
「可哀想に、死んでまで殺し合いに参加させられるなんて」
「安彦、淳太2人もよろしく!」
突如、現れた2人の生徒が戦凪を襲う。
あの2人も死体なのか……?
「覚えているかな? この2人、君が今日、森で殺した生徒の中の2人なんだよ」
「悪いが、覚えていない、『 風車』」
2人は地面に倒れても、また立ち上がる。
血が出ていない。
「なるほど、 どうやら本当に俺では殺さないらしい、なら」
────── 「『大嵐』」
小場内、安彦、淳太、の体が徐々に宙へと浮き上がるり、四方八方へ飛ばされた。
「数キロ先へ飛ばした、 当分、 戻っては来れないと思うが」
「困るな〜 数にだって限りがあるのに〜」
「俺は、 君と戦いたい!」
戦凪は、容赦なく斬撃を放つ。
「そう急がないで欲しいな、 約束の時間までもう少しあるし、 頑張りますか〜」
「その時間になったら、 もっと楽しめるのかい?」
「いや〜 残念だけど、 君はすぐ殺されちゃうから、楽しめないと思うよ〜」
やはりスゴイ…… あの斬撃の中で喋っている。
アイツの死体を操るって言う異能力も脅威だが…
素の実力も桁違いだ。
────── !?
そして、 驚くべきことに、 戦凪の腕にカッターナイフが数本突き刺さっている……
「余り傷付けずに殺してあげるよ」
「スゴイな、 風圧を超えて、 俺に傷を負わせるとは」
戦凪は笑いながら、 自分に刺さったカッターナイフの刃を抜いた。
「なろうラジオ大賞2」応募作品として、短編小説を投稿したので、そちらも是非読んでみてください!




