入学初日から羞恥にさらされた結果。
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「ちなみに、 クラスリーダーをやりたい人はいるかな?」
全員の自己紹介が終わったタイミングで中谷が話を切り出した。
当然の事だろうが、誰も立候補する者は現れない。
「普通に中谷でよくね〜?」
宮城が中谷を推薦する。
何となく予想してた流れだ。
「んー このまま決まらないんなら僕がクラスリーダーを務めさせてもらうけど、 それで良いかな?」
皆んなも納得した様子で頷く。
「うぇ〜い! 頼むぜ〜中谷リーダー!」
「宮城にも手伝ってもらうからな」
「任してチョンマゲ〜 」
本当、お気楽な奴らだな。
「とりあえず、 自己紹介も済んだことだし、 先生を呼びに行ってくるよ」
そう言って中谷は席を立ち上がる。
「んしゃ、 俺もっと!」
そして、 勿論と言わんばかりに宮城も立ち上がる。
完全に腰巾着だなあいつ……
そして、 2人は教室を後にした。
─── 中谷が教室からいなくなった瞬間、 一気にクラス内が静まり返る。
後、 宮城
そんな静まり返った教室内から、 俺の頭めがけて何重にも折り畳んである紙切れが飛んできた。
誰が投げたかはすぐに分かった。
真横で紙折ってる姿見えてたし、投げる瞬間も見えてたからな……。
俺の頭に紙くずを投げてきたのは、 隣の席の女子生徒。
月影乙衣である。
俺と目が合うや紙を指差し、 開けろとジェスチャーしてきた。
何なんだこいつは…… そもそも隣の席なんだし、普通に喋ればいいだろ!
───あっ! あいつ俺に呪いかけられたと思ってるんだっけ……ややこしいな
それでも、 隣なんだし紙投げんなよ。
俺は一様、 ジェスチャー通りに紙を開く。
ラブレターでは? といった期待は毛頭ない。
あ…… 悲しい、 ラブレターでは? という期待すら持てない手紙を女子から受け取り、 それを読む。
こんな悲しいことがあるか? 学園系ラノベ主人公は全員死ねばいいのに。
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私と組まない? 命の保証はする
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命の保証ね……
普通に考えれば共闘の申し出だが、 深く考えれば、 私と組まないは結婚しない? 命の保証は永遠の愛を誓う? って意味の隠語では……。
うん、 死にたい。
俺は紙にペンを走らせて返事を書く。
もちろん、 投げ返した。
月影乙衣はぷくっと頬を膨らませていた。
あざと可愛い表情しやがって……
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まだ互いの能力も知らないし、 最初はお友達からって事でいいですか?
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手紙を読んだ月影はかぁぁ……っと頬が赤く染まっていく。
「こ、 こ、 これじゃあ、 ま、 まるで私があんたに、 こ、 告白したみたいじゃないッ! 無理だから、 こんな初日からなんて無理! あんたの事だってまだ良く知らないし! 」
「 ────── 」
沈黙の続く静かな教室に月影乙衣の声が響き渡った。
最悪だ、 あいつが1人で騒いでるなら別に良い。
けどこいつ、 なに俺の方見て叫んでんだよ…… 勘弁してくれ
「月影、 とりあえず席に座ろうか……」
──────!?
月影は周囲の目線でやっと自分の状況に気づいたのか、 慌てて席に座るなり、 顔を机に伏せた。
「なにあいつ…… いきなりナンパ? 」
「状況を理解してんのかよ」
「スゲー勇気だなあいつ! 」
「マジないわ〜 最低」
「いや、 飢えすぎだろ」
「きも」
教室がザワザワと騒がしくなってきた。
そして、 なぜ……月影ではなく俺が腫れ物扱いされてんだよォ!!
は? なにこの状況? ちょ、 嘘だろ!?
「お! すごい賑やかだね」
「お〜 なんか面白いことでもあったの〜?」
ちょうど2人が先生を連れて戻ってきた。
「自己紹介も済みましたね」
先生が教卓に立つと、 クラスはまた静かな空気に戻った。
初日からとんでもない仕打ちを…… 早く帰りたい。
「今日は以上になります。 明日は実力テストを実施しますのでお忘れなく。」
先生はささっと予定を伝えた。
それに対して不満を持つ生徒も多いだろうが、 俺にとってはどうでもいい。
こんだけ
「では、 挨拶を」
「待て」
─────!
おいおい、 先生に挨拶って言われたら起立だろ? 待てって何だよ……
このクラスには不良もいるのか?
だが、 発言したのは不良ではなかった。
1人席を立ち上がり、 先生を睨みつけている人物。
その正体は不良と対極にいる様な姿の男、 長谷川祐介であった。




