ハロウィン
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「緑子ちゃん達の意見も分かる、 けど、 今回は多少の無理をしてでも攻めるべきだと私は思ってる」
「やはり変ですよ、 柚子らしくありません、 いつもの様に守りに徹した方が勝機も高いのに、 なぜ攻めようと…… ?」
「ずっと守り続けるのは無理だよ」
真剣な表情で話す宮森の姿をみて、 本気なんだと再確認する。
「だからって、 今回じゃなくてもいいはず」
「いや、 私たちはここで決定的な差をつける必要がある」
「そうですか…… 」
白銀は小さくため息を吐いた。
「無理言ってごめん、 けど、 直感で分かるんだよ、 今回動かなかったらもう勝てないって」
「仕方ありません、 その直感を信じます」
白銀は思ったよりも早く話を呑んだ。
その理由は2つ
1つは、 彼女の直感は間違えなく当たるからだ。
そんな場面を何回も横で見ていた白銀は知っている。
宮森の直感を信じた方が断然、 生存率は上がると確信している。
たいした実績もない奴が突然言い出しても成立しない、宮森柚子の実績あってのものだ。
そして…… 2つ目、 1年前のあの戦い……
「それは良いけどよォ、 1年はどうすんだよ?」
最初から戦う事に意欲的な姿勢の金剛が楽しそうに質問する。
「大丈夫、 手は考えてあるんだ」
「あ、あの…… 戦えないです、よ、私…… 」
柳井緑子が、 ビクビクと怯えながら、 そっと手を上げる。
「安心して、 戦うって言っても、 役割はいつもと同じだから」
「そ、 そうなんです、 か、 あ、 ありがとうございます」
「役割は同じってよォ、 一体どうやって戦うんだよ?」
金剛の質問に宮森は自信満々に答える。
「楽しい作戦があるんだよ、それを今から説明するね」
「おっ! 早く聞かせてくれよ」
金剛以外の生徒も少し緊張が逸れたように見える。
それほど、 宮森の言葉には説得力があったのだろう。
そして、 宮森が作戦を伝え終わった時には、 全員が勝利を確信していた。
「面白しれー作戦だ、 1年の泣き顔が楽しみだ」
「流石が宮森さん、 素晴らしい作戦だと思います」
賛同する皆んなの様子を見て、 大野木は驚いた。
金剛はともかく、 白銀もが作戦を許容している…
やはり、 不思議と皆んなをまとめる力がある。
言葉に重みと言うか、 説得力があるんだ。
ペテンのたぐいとも違う、 純粋な信頼性が彼女の言葉にはある。
けど、 やはり皆んな、 1年前の霧雨霞と戦凪凰覇の戦いを気にしているからだろう……
「浮かない顔をして、 どうしたんだい?」
宮森は心配した様子で大野木に声をかける。
「いや…… 正直に話そう」
話すかどうか少し考えたけど、 大野木は話す事にした。
「率直に聞くが、 新田たちの事、 まだ負い目を感じているのか?」
「うーーーん、 気にしてないって言うと嘘になるかな」
「そうか、 一つ言っておくが、 それは宮森だけじゃなく、 ここにいる全員が負い目を感じているって事を忘れるなよ」
これは、 大野木なりの励ましなんだろうな…
気にしなくても大丈夫なのに、 私はもう失敗しない。
霧雨霞さえは確実に殺す
「始めようか、 『ハロウィン』の始まりだ」
宮森はニッコリと笑いながら、 作戦名を伝えた。




