スタート
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手紙に目を通して慌てていた宮森は、 すぐに冷静さを取り戻して考える。
「やってくれるじゃないか、 後輩ちゃんたち…… 」
宮森は小走りで正面玄関前にある下駄箱に向かう。
まだ手紙に気づいていない可能性も……
「 ─────── ないッ!! 」
宮森は戦凪凰覇の下駄箱の中を確認したが、 その手紙はすでに存在しなかった。
アタフタとテンパっていた宮森だが、 すぐに冷静さを取り戻す。
私だって、 伊達に長くリーダーやってる訳じゃないのよ
これくらいじゃ心は乱れない。
今日やるしかなくなったじゃない……
けど、 巻き込んだ責任はしっかりと取ってもらかな
良いわ、 開幕は今日で決まり、 女王は今日死ぬ
宮森は、 まるで何かの踏ん切りがついた様に、 息を撫で下ろし、 薄らと笑みを浮かべた。
───── 結構、 私の勝利は揺るがない。
『みんな、 聞こえてる?』
宮森の異能力、『意思疎通』
手で触った人物となら、 言葉に出さずに脳内で会話ができる。
触ってから1時間が経過すると能力が解除される。
『聞こえてる、 何かあったのか?』
クラスメイトである、大野木真斗がすぐに返事を返す。
『まぁね、 今日、 戦凪凰覇が動くよ』
『根拠のある話なのか?』
『まぁね、 ちょっと、後輩ちゃん達に一歩先に手を打たれちゃってね』
『詳しく聞こう、 急いで教室へ戻ってこれるか?』
『うん、 すぐ戻るから、 会議の準備を頼むよ』
宮森たち、 2年B組が動き出す。
──── その頃、 月影たちは
「おかえりなさい、 それで、 予定通りに宮森先輩達には会えたのかしら?」
ウキウキした様子で月影が問い詰める。
「うん、 予定通り手紙の事も伝えたし!」
「それは良いけど、 この事をクラスの連中に伝えなくても良いのか?」
琥太郎がそう言い放つと、 月影がフッと鼻で笑った。
「変態、 アンタ、 先輩へ成り済ましのラブレターを送って誘き出したって言って、 皆んなが信じると思うわけ?」
「それは…… 」
「クラスメイトの言う事や、 僕は信じるで」
───────── !?
俺の目の前に姿を覗かせる1人の男
細い目に関西弁、 まるで狐のような胡散臭い男
黒崎十夜
「黒崎…… くん」
「やぁ、 変態君、 で、 先輩って誰を誘き出したん?」
白々しいやつだ……
まるで、 誰を誘き出したか知っている様な雰囲気だ。
けど、 コイツが本当に、 どこまで知っているのか、 俺たちは分からない。
「2年の戦凪先輩と宮森先輩、 それに3年の霧雨先輩よ」
そんな事を考えてる間に、 月影はあっさり相手を教えてしまった。
おいおいおいおい、 そんなあっさりとコイツに情報を……
「ちょ、 月影さん…… 」
「は? なに、 変態はさっきまで皆んなに伝えようとしてたじゃない、 何か不満でもあるのかしら?」
「いや、 ありません…… 」
「変態君も酷いな、 そんな僕のこと警戒せんでもええよ、 クラスメイトなんやし」
「ご、 ごめん…… 」
ん……
本当にクラスメイトだと思ってるなら、 その目は何なんだ、 お前の目は俺たちを仲間として見てるような目じゃねーんだよ。
コイツは何か企んでる。 あまり関わらない方が良い。
何となく、 根拠はないが直感的にそう思う。
その感覚は俺だけじゃなく、 月影達だって感じてるはずだ。
「黒崎君にお願いがあるのだけれど」
「月影さんからの頼み、 面白そうやしええよ、 僕にできる範囲でなら協力する」
「そう、 お願いなんだけど、 私たちと一緒に今日、 先輩達を討たない?」
月影からの頼みを聞いて、 黒崎はクスクスと笑い出した。
「ほんまにオモロい、最高や、 ええよ、 先輩達を殺そか」
「ありがとう、 黒崎君のお友達にも、頼みたいのだけれど」
「もちろんや、 できる限りのメンバー集めてみるわ、 こんなゲーム早く終わらせたいし」
「作戦は17時30分から、 それまでに頼めるかしら?」
「了解、 頑張ってみるわ、 ほなまた後で」
クスクスと笑いながら黒崎は去っていった。
こんなに早よ動く事になるとは思わんかったけど……
ま、ええか、 楽しめそうやし
遅かろうが、 早かろうが、 僕が勝つし
結構な大物を殺しとけば、 彼も動き出してくれるやろうし……
感謝せんといけんな、 良い撒き餌を巻いてくれた月影さん達に
さて、 始めよか、 楽しい殺し合いの始まりや




