友達作り
ぜひ読んでみてください!
良ければブックマークもお願いします!
─────── 俺たちは何事もなく学校へ到着した。
何もない事が逆に怖い。
皆んな気を抜くことはなく、 教室へ向かう。
「大変や! 他クラスに攻撃された! 」
────── !!
黒崎は今朝の出来事を全て伝えた。
もちろん、 教室中がざわつく。
「みんな落ち着くんだ!」
大きな声が響き渡る。
「相手は分かっているのかい? 」
声の正体は、 中谷晴矢であった。
彼は昨日、 精神的に限界を迎えていたと思ったが……
「おはよう、 中谷くん、 昨日より顔色良くなってて安心したわ」
「おはよう、 昨日は心配かけたね、 それで、 相手は? 」
「1年B組の星宮キラリ」
─────────── !!!
その名前に多くの生徒が反応した。
そして、 なんでコイツは星空キラリのクラスを知っている……
「彼女を殺す、 詳しい能力は分からん、 けど、 攻撃されたのは確かやしな」
「なるほど…… 現状、 体に問題はないのかい?」
「今は何も、 だからこそ、 何か起きる前に、 今日、 確実に殺す」
「彼女が本当に攻撃したか、 確定した訳じゃない!」
「だから、 殺さないと?」
「今はまだ、 攻撃するべきじゃないと思う、 確実な証拠を揃えてから…… 」
「それまでにクラスメイトが死んだら、 中谷くんは責任取れるんか?」
「 ……… 」
中谷は何も言い返せなかった。
「中谷くんは甘すぎるわ、 もう少し冷酷になった方がええ」
「黒崎の言う通りだ、 中谷は考えを改めた方がいい」
後ろから、 1人の男が中谷に駆け寄ってきた。
宮城健
入学初日に中谷と騒いでいた男だ。
ただの腰巾着だと思っていたが、 入学式に見せていた余裕は、 見る影もなく、 真剣な表情で喋っている。
「どうしたんだよ、宮城らしくない」
「お前はあんな光景を見て、 よくそんな態度を取ってられるよ」
「宮城…… 」
「お前は良いよ、 剣や鎧を自由にだせるなんて言う、 戦闘向の能力で、 悪いけど、 俺はその考えには賛同できないわ」
そう言い放ち、宮城は自分の席へと戻っていった。
先日の光景が嘘のようだ。
宮城はクラスメイトの死を見て実感したのだろう。
死の恐怖ってやつを。
中谷は黙ったままだ。
「17時過ぎたら、 仕掛けるで」
黒崎はそんな状況でもお構いなく、そう告げる。
「分かったよ、 けど、 僕の考えは変わらない、 だから僕は協力できない」
「好きにしたらええ、 自分らは自分らで好きにやらしてもらうわ」
クラスは完全に団結力を失った。
「変態、 アンタは不知火氷馬くんと、 不知火萠ちゃん、2人と今日中に協力関係を結びなさい」
ここに来て、 もう1人空気を読まない奴が現れた。
月影である。
「今日中……? 」
「そう、 今日中、 変態じゃキモ過ぎて、 あの子を殺さないし」
とんでもなく貶されている気がするのだが……
はぁ…… アイドル殺すよりマシか。
「分かったよ、 努力する」
俺もまた、 中谷と同様に、 甘さを捨て切れていないのだ。
自分自身で理解していても、 無理なんだ。
「分かったなら、 さっさと話しかけに行きなさいよ」
「待て待て! まだ心の準備がッ!」
お尻を蹴られ、 俺は前方に見える赤髪の女の子の方へと進む。
って! おいっ! 普通は背中を押され。とかだろッ!!
なんで、 ケツ蹴られなきゃならねーんだよ!
もっと優しくだな……
「お、 おはよう…… し、 不知火さん…… 」
「ん? おはよう、 えっと……?」
お尻を押さえながら近づいてきた俺を不思議そうに見る。
「雲雀琥太郎です」
「ありがと、 まだ名前覚えられてなくて、 で、お尻押さえてるけど、 どうしたの?」
「いや、 その、 あの…… 」
ヤバイ、 なんか緊張する。
なぜだ、 月影とは普通に会話できるのに……
いざ、 女の子と会話するとなると、 緊張する。
いや、 落ち着け俺!
宮森先輩とも話せていたではないか!
ちゃんと目を合わせるんだ!
やっぱ、 遠くからでも分かってたけど、 近くで見ると……
「その、 その、 お友達になりたいなと思いまして!」
そう言い放った瞬間、 クラスが沈黙した。
は? 今の今までずっと騒がしかったろ!?
なんだよ、 この静まりは……
数十秒後、 教室内がザワザワと騒がしくなった。
「今の聞いた? ヤバくない?」
「うん、 3日目でまた他の女に手を出したぞ」
「どんだけ飢えてるだよ……」
「よくあんなに堂々と言えるよな」
「逆に尊敬するわ」
「最低」
「性欲魔人め」
「死ねばいい」
「やっぱり変態ね」
「変態さんだよね」
「恐ろしいわ」
「状況を理解して欲しいものだ」
「ほんと、死ねばいいのに」
「クズ」
悪口の嵐が飛び交う。
おいおいおいおいおいおい
「ご、 誤解だよ! 俺は普通に友達に」
「そんな、 急に…… まぁ、でも友達からなら」
聞いてねーーーーーー!!!
「おい、 姉さんに何してる」
そんな中、 後ろから、 ぐいっと肩を掴まれた。
慌てて振り返ると
そこには、 凍りついた瞳をした、 不知火氷馬の姿があった。




