電車通学
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「おはようございます」
───────!
げっ……
挨拶とともに、部屋へ霧雨もやってきた。
「おはよう、 薫ちゃん」
「ですから、 薫ちゃんはやめてください! 」
真っ赤になる霧雨の様子を楽しむ月影
「変態さんもおはようございます」
「あ、 あぁ…… おはよう」
恐ろしい子だ! 数分前に会ってたのに……
俺は自分でも分かるレベルで引きつった笑顔だった。
「薫ちゃんにも、 この部屋に集合って伝えておいたのよ」
「おい待て、 知らない内に俺の部屋を勝手に待ち合わせ場所にするのはやめてくれ」
「は? 昨日伝えたでしょ?」
「 ───────ん? 」
昨日の記憶を思い返す。
帰り側に確か……
また来るわ。
最悪だ。
「また来るわ。じゃ、 分からねーよ!」
「は? 今アンタが思い出せたんだから、 伝わっているじゃない」
「なっ! 」
なんて屁理屈だ。
「さて、 今からどうやって学校へ行くか話し合うわよ」
「そうですね」
「 …… 」
俺の部屋で作戦会議が始まった。
「変態、 何か策はないのかしら? 」
とんだ無茶振りだ。
いきなり策は? って言われても……
だが、 それは昨日経験済み。
今の俺はその言葉にも即座に返答できる。
「物陰に隠れてながら帰るとか?」
「却下」
───────!!
俺は驚きで、 口が開いたままだ。
「昨日は天才的な案だと思ったけど、 スパイごっことか言われて、 からかわれるのはイヤだもの」
このアホが…… くっ、 甘く見ていた。
「それなんですが、 電車で行くのはどうでしょう?」
霧雨が電車で登校しないかと提案した。
「歩いたら1時間以上、 電車なら10分くらいだし私は電車で賛成よ」
「けど、 電車内にも生徒は大勢乗っているだろ!」
俺は朝のこともあり、 霧雨の提案を警戒した。
「電車内には多くの最英生徒が乗車してるでしょう、 そんな場所でバレるような攻撃を仕掛けてくるとは思えません」
「けど、 目立たないような攻撃をしてくる生徒がいるかもしれない」
「それは…… 」
霧雨もそこまで考えていなかった様子だ。
「別にいいじゃない、 気づかれない攻撃って、 歩いても、 乗り物乗っても、 そんな攻撃は避けれないし」
「それは……」
月影の言葉にぐうの音も出ない。
「私たちが乗る電車はFirstからの電車、 他学年の生徒は乗ってません」
「乗ってたとしても同じ1年ってことね! 余裕よ」
「どこから来るんだその自信は…… 」
まぁ、 俺は極力他の生徒に会わないように。って考えだったが、 それ自体が間違えなんだろう。
どの道、 他クラスの生徒全員を殺さないと、このデスゲームは終わらないわけだし。
「分かったよ、 電車で文句なし」
3人の考えがまとまった。
───────マンションを出て徒歩5分、 最寄りの駅へとやってきた。
そして、 First-Regionにはこの駅1つだけと知った。
マジかよ……
モノレールも地下鉄もない。
区間はFirstから中央都市 Avalonまで
名前がどうもいけすかない、 ココは日本だぞ
くさい名前付けやがって……
「カッコいい名前よね、 アヴァロン」
「 ─────── 」
月影にはウケがよかった。
「ホンマ、 痛い名前ですわ」
俺の言葉ではない。
誰かが代弁してくれただけだ。
「 ─────── !!」
声の主はすぐ横にいた。
クスクスと笑みを浮かべる男。
狐のように細い目。
彼は同じクラスの黒崎十夜だ。
「おはようさん」
その後ろには4人。
長谷川裕介、 高橋咲、 原木直也、八代勇気
4人ともクラスメイトだ。
─── 何故だろう、 同じ電車に乗ってるだけなのに気まずい。
電車に乗った俺たちはしばらく無言が続く。
「そう言えば、 昨日、 体育館を爆破させたんやけど」
『「 ──────────!!! 」』
車内に殺気が走った。
ビリビリと殺気が伝わってくるのが分かる。
あのクソ狐、 わざと声を張りやがった……
「それで、 成果はあったのかしか?」
そんな殺意に動じることもなく、 月影は聞く。
「いいのか? こんな所で喋って」
慌てた様子で八代が止めに入った。
しかし、 悪びれる事なく黒崎はクスクスと笑う。
「かまへん、 かまへん、 ここでコソコソ聞いてるだけの臆病者に聞かれても問題ないし」
──────!!
煽ってどうするつもりだ……
下手に敵を増やしやがって……
「いいから、 早く聞かせてくれるかしら」
全く空気を読まない月影。
このアホ、 余計なこと言いやがって……
流石に自己紹介の時とのギャップのせいで、 4人とも驚いた様子だ。
無理もない。
「残念ながら、 1人しか殺せんかったわ」
─────────!
殺伐とした空気が一層強くなった気がする。
なのに、 電車に乗っている一般人は全く驚いた様子を見せない。
何が起きているのかも知らない人が聞いたら、 何かのゲームかな?くらいに聞こえるのか?
このピリピリした空気を何とも思わないのか?
なぜだ? 一般人は俺たちの事や、 学校で何が起こっているのか知らないのか?
でも、 そんなことがあり得るか?
俺たちよりも長くこの地に住んでいる人たちだぞ。
生徒同士の戦闘だって見たことくらいあるはず……
そんな事を考えてる間に電車は中央都市Avalonへ到着した。
「ふぅ…… 電車内であんな物騒な話はやめてくれ」
俺は黒崎に苦言した。
「挑発にのるカモがいればっと思ったんやけど」
やっぱり…… わざと挑発を
「因みに、 私たちも昨日、 1人倒したわ」
「 ──────── !! 」
黒崎の細い目が開く。
「詳しく聞かせてくれないか?」
その話に真っ先に食いついたのは、 ガリ勉感溢れる男。
長谷川祐介だった。
長谷川、 確か…… 盗聴などの監視行為の全てを打ち消す能力だっけか……
──────── !
そうか、 忘れていた。
長谷川の能力なら、 電車内でも他人に聞かれない様にする事など用意だろう。
なら、 あの殺気は……
「その前に、 聞かせてくれ、 さっき電車内で異能力を使っていたか?」
「いや、 使っていない」
「 ───────! 」
帰ってきた返答は予想外の言葉だった。
「一般人がごく普通に暮らしてるのが不思議か?」
「まぁ、 まぁ……」
「簡単な話だよ、 安全だと思ってるからだ」
「 ───ん?」
「教室に着いたら教えよう、 ここに住む住人の思考を」




