男で美少女の企み。
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翌朝、 俺は照りつける朝日で目が覚めた。
「朝か…… 」
「朝ですね」
返ってくるはずのない返事が返ってきた。
かすれた目をこすり、 ゆっくりと目を開ける。
ん……
俺の寝ているベットに腰をかけている男。
薄っすらと見える、 その豊満な体。
豊満っと言っても男だ。
オブラートに包んでいたが言おう。
俺のベットにデブが腰をかけている。
霧雨だ。
「何してんだよ、 こんな朝に…… 」
「朝ごはんを食べに来ました」
「 ───────── 」
あぁ、 もし本当の姿が美少女って事を知らなかったら、 俺はこのデブをぶん殴っていたよ。
「はぁ…… 少し待ってくれ、 起きたばかりなんだ」
「はい、 待ってます」
「って! お前どうやって入ったんだよォ!! 」
「いや、 普通に鍵が空いてたので」
「勝手に入るなッ!! 」
───── 入学2日目、 俺の部屋に男の姿をした美少女がやってきた。
「そんな、 大したもの作れないぞ……」
────────!!
冷蔵庫を開けた瞬間、 昨日のことを思い出した。
そうだった、 昨日は何も買えなくて……
「霧雨さん、 昨日の夕食覚えてる?」
「もちろんです、 変態さんの奢りでお寿司をご馳走になりました」
「なんでお寿司だったか覚えてますかね?」
「もちろんです、 変態さんがスーパーへ行ったのに買い物を忘れたからです」
「それだけ覚えてるならわかりますよね? 僕の家に朝食の材料はありませんよ」
「 ──────ハッ! 」
まかさ、 こいつもアホなのか……
「なんて、 冗談はさておき、 話があるんだよ、 琥太郎くん」
「 ───────!! 」
霧雨はそう言い放つと、 元の姿へ変身を解いた。
「どうしたんだ急に? 霧雨…… 」
「話があるっていったじゃないですか、 聞いてもらっていいですか?」
霧雨のやつ、 一体どうしたんだ……
ちっぱいである事を気にして…… って感じではないか。
「殺したい人がいるんです」
「 ──────!! 」
朝からとんでもない事を聞かされた。
なんかスゲー怖いんですけど……
なんだこれ? デスゲームとか訳の分からないクソゲーをさせられてる身ではあるが、 俺はちょっと異能力が使えるだけの、 ごく普通の高校生だぞ!
なのにだんだこれ?
朝起きたら部屋にはデブ。
だが、 その正体は容姿に恵まれ過ぎた美少女、 霧雨薫。
そして、 いきなり殺したい人がいる!?
とんでもないサスペンションだよ!
これ、 俺が最後に逮捕されてエンドロール入るやつじゃん!
俺は足早にベットに向かい、 とりあえず布団にくるまって目を閉じる。
これは悪い夢だ。 そうだよ、 きっと夢だ。
「なにしてるんですか? 真剣に聞いてください」
布団にくるまった俺を霧雨が容赦なく踏みつける。
この姿で踏みつけられるのは悪くない。 と思いながらしばらく踏みつけられていた。
「一体、 誰を殺したいんだよ…… 」
存分に満喫…… ではなく、 痛めつけられた俺は布団から出て話を聞くことにした。
「3年C組の霧雨霞、 彼女を殺したい」
「その人って強いのか?」
俺は名前を聞かさらても誰か分からないので、 強いかどうかだけ確認してみた。
「強いと思います、 彼女、 性格悪いですし」
殺したい人がいる。 とか話持ちかけてくる奴の方が性格悪いだろ!
っと、 言いたい気持ちをぐっとこらえる。
「そりゃ大変だな、 応援してるよ」
「そうですか」
あっさりと引き下がる霧雨の行動に不信感が湧き上がる。
「おいおいおい、 諦めるの早すぎたろ! もうちょっと説得したりするだろ!」
「自分で言いますか?」
「なんか、 思ってた展開と違ったからつい…… 」
「皆んなが月影さんみたいに、 接してくれる訳ではありませんよ…… 」
なんかスゲー恥ずかしいんだが。
「分かった、 力になれるか分からんが…… 協力する」
「それは良かった、 感謝です」
彼女にうまく誘導された気がした。
「で、 俺は何をすればいいんだ?」
「そうですね、 仕掛けるには早いので、 まずは彼女がどんな人物か、 わかる範囲でいいので、 どんな異能力なのかを調べてください」
「まずって、 結構な仕事だと思うぞ……」
「では、 よろしくお願いします」
用件だけ伝えると、 霧雨は部屋を出て行った。
また、 ロクでもないことに巻き込まれた気がする……
まぁ、 異能力はともかく、 彼女の顔くらいは見ておくか……
俺は霧雨が帰った後、 学校へ行く準備を済ませて、 扉を開けッ!!
───────!!!
先に扉が開いた。
扉の前にいた俺は、勢いよく壁と扉の間に挟まれる。
「学校行くわよ!」
「分かってるから、 ドアノブから手を離してくれ…… 」
「あら、 そんなところで何してたのよ? 変な趣味ね」
「なんもしてないし、 趣味でもない…… 」
てか! どんな趣味だよ!
月影は扉を閉めると、 ズカズカと部屋に入ってきては、 ソファーに腰を下ろす。
この部屋の主は俺なんだが……
「学校行くんじゃなかったのか?」
ソファーに踏ん反り返っている月影に問いかける。
「どうやって学校に行くかよ」
「そうだった…… 」
そう、 この学校、 最英学園では、 通学するにも一苦労なんだと。




