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打ち明けた能力

ぜひ読んでみてください!

良ければブックマーク等もお願いします。


「何か良い案がある人は挙手」


あれ? 最初に能力の紹介って言う、 俺の発言は?

普通にスルーされているんですけど……


くそ…… 独裁政治を始めやがった。


そもそも良い案って、 2人の能力だってよく知らないのに、 あるわけねーだろうが!


月影の言葉を聞いて俺はうつむく。


そんな中、 霧雨はスッと挙手した。


「あります、 妙案があります!」


「さすが薫ちゃんね! 聞かせてもらうわ」


むぅぅ…っと、 頰を赤らめている姿は、 世間中の男のハートをイチコロにできるだろう。


「まず、 別クラスの1年生も倒します! そして、 私がそのは人に変身してクラス内に潜入します。 ある程度の情報を手に入れたら逃げます。 しっかりと準備を揃えて、 確実に相手を倒していく」


「1年なら、 まだ全員の顔や性格もあまり把握しきれていないだろうし、 確かにいい考えだな」


俺も霧雨の案はかなり良い案だと思う。


「 ─────!! 薫ちゃん、 もしかして天才!? 」


うん、 月影(ポンコツ)が言う言葉はだいたい予想できてたよ。


「けど、 これじゃ…… 霧雨が危険すぎるし、 そもそも最初に1人倒さなきゃいけないんだよな? 俺たちで倒せるのか?」


「確かに、 私1人では勝てません。 皆さんの能力もまだ良く知りませんし、 まずは能力の紹介をしませんか?」


「おいおいおいおい、待て! それ、さっき俺が言った!」


なんだこれ! 新手のいじめか!?

俺じゃなかったら死んでるよ!?


「ほら、 あんたの能力さっさと説明しなさい!」


酷すぎる…… 散々俺をいたぶって、 いきなり能力の説明しろ。 とかコイツが本当の魔王なんじゃないのか? と不安になる。


だが、これ以上俺が何を言っても、 スリッパで叩かれるだけだと俺は悟った。


「えっと…… 俺の能力は、 超再生って言って、 直ぐに傷が癒えます。 ただし、 自分にしか使えません」


「つまり、 肉壁ね。 私たちが危険に晒された時はすぐに体張りなさい!」


「分かりました……」


くっそ! 月影(コイツ)めぇ…… それが人に物を頼む態度か!?


少し教育が必要だな。


とか、 口が裂けても言えねーし。


誰かコイツを懲らしめてくれ。


「次は私が」


そう言って、 今度は霧雨が自分の異能力について話し始めた。


「私の能力は『変身』です。実際に自分の目で見た人物なら誰にでも変身できます」


変身…… 戦闘向きではないだろうが、 使いようによっては、 かなり恐ろしい能力になるだろう。


「変身できる時間とかはあるのかしら? それと、 変身した相手の記憶や身体能力までコピーできるの?」


鋭い質問だ。月影はポンコツのくせにそういう所は妙に鋭い。


ポンコツのくせに……


「私自身には時間の制約はありません。 私が心の中で戻りたいと思えば戻れます。 後、記憶や身体能力まではコピーできません」


「その変身は自分にしか使えないのかしら?」


「いえ、 私が触ったら……」


霧雨がそう言い放つと、 ポンっと俺の方に手を置く。


すると、 青白く俺の体が光り始めた。


みるみると体が小さく……


視点が低く……


部屋に置かれている鏡を見て驚愕した。


「マジかよ……」


俺の姿は、 下校中に霧雨が変身していた小学生の姿へ変わっていた。


「こんな感じで、 5分間だけですが触った相手の姿も変えることができます。 途中でもう一度触れば変身も解除できます」


霧雨が、 肩にポンと手を置いた瞬間、 俺の体はみるみる元の姿に戻っていった。


「スゲーな! もしかして、 これで俺が月影さんに変身したりもできるのか?」


「もちろん可能ですよ」


これは凄い。 これなら戦闘にも使えそうだ。


今度、 霧雨に頼んで変身させて貰おう!

そして、 俺だと悟られないように月影を懲らしめてやる。


その考えにワクワクが止まらない。


「あんた、 今すごいキモいこと考えてるでしょ?」


「 ──────なっ!?」


「死ね変態」


死にませーん! って叫びたい。


「いや、 俺はそんな……」


変なことは企んだけど……


「まぁ、 かなり便利な能力って事は分かったわ」


「じゃ、 次は私ね」


月影はニヤリと笑みを浮かべる。


「私の能力は『身体強化』!!」


おぉ! かなり戦闘向きの能力じゃねーか!

俺や霧雨は対人戦には向いていない能力だが、 月影の能力は対人戦向きの能力だ。


「すごい、 これなら霧雨と俺が月影さんをサポートする感じで戦えば……」


「 無理よ」


「 ─────!?」


拍子抜けな発言だ。

月影なら、 もっと慢心して、 天狗になると思っていたのに……


妙に弱気な発言に聞こえる。


「私じゃ戦えない、 サポートは私と薫ちゃん、 戦うのは雲雀琥太郎(ひばり こたろう)、あんたよ……」


「 ─────!!!」


俺は先程まで、 ずっと逆らわずに話を聞いていたが、 これに対しては反論を唱えた。


「俺の能力を聞いてただろ!? 俺は戦闘向きじゃない、 なんで戦闘向きの能力が使える月影さんがサポートなんだよ!」


「私の能力は戦闘向きじゃないわ」


「何言ってんだよ……」


「私の能力『身体強化』は、 自身か手で触れた人物1人の身体を一時的に強化させる力なの」


「いや、 十分なくらい戦闘向きじゃ……」


「話は最後まで聞きなさい変態」


「───── 」


舎弟から変態にモブチェンジしてるんですけど!


「強化は肉体に大きな負荷を掛ける……」


「─────!!」


その言葉に俺はハッと我に帰った。

いや、 罪悪感が押し寄せてきた感じだ。


「例えば、 『握力強化』」


そう呟いた月影は、 机の上に置いてあるデスクライトを掴むように触った。


「 なっ……!」


言葉がすぐに出てこない。


デスクライトは真っ二つに折られている。


「これくらいの強化ならあまり問題ない、 けど……人間が本来持っている力以上に身体を強化した場合、 体の細胞がその力に耐えきれず、 暴発してしまう」


「そんな……」


「だから、 私はあんたの能力を聞いた時に考えた、 超再生なら、 強化で体が壊れても治せるんじゃないかって!」


「確かに俺なら……」


「最初は私自身を強化して、 あんたに治してもらおうと考えてたけど…… あんたは自分自身しか治せない」


そうだ…… おれなら、 間違えなく大丈夫だろう。


こんな諸刃の剣を俺は、 女の子に使わせようとさせていたのか…… 情けない。


自分の都合ばかり考えて…… 俺は死なないから。などと考えていた自分が恥ずかしい。


「分かりました…… 僕が戦えば、 月影さんは自分の能力で傷つくこともない。 任せてください、 俺が代わりに倒します」


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