表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/96

本当の姿

ぜひ読んでみてください!

良ければブックマーク等もお願いします。


俺の脳内選択はこれくらいにして、 話を戻そう。


どうやって安全に下校するか。


「で、 月影さんは何か策があるんでしょうか?」


俺がそう聞くと、 月影はぷいっと目をそらして、 ソッポを向いている。


いちいち態度が可愛いな……


可愛いけど、 状況はよろしくない。


だって、その態度はどう考えても策はないよ。 って顔だからな。


「あんた、 何か良い策を考えなさいよ」


「僕がですか……?」


「あんたがよ」


泣きたい。


コイツに言われなくても考えはしていたが……

何も良い策なんて浮かばない。


「えっと…… 物陰に隠れてながら帰るとか?」


「 ───── 」


はい、 殴られる。


しょーもない。 自分で言ったことだけどしょーもな。


そんなの策でもなんでもねーよ。


絶対に悪口言われて、 殴られる。


俺はグッと歯を食いしばって身構える。


「あんたにしては良い考えだわ! それで行きましょう!」


「あぁ、 この子は本物のアホだ」


俺はそのアホさに救われ、 そっと胸をなでおろす。


「そうと決まったら、 帰るわよ!」


「は、はい……」


俺と月影は急いで玄関へ向かった。




────学校を出て数分


何も起きない。


十字路は極力避け、 曲がり角ではスパイさながらの目視を行う。


「あんた、 映画で観た事を再現しようとしなくていいわよ」


そんな時、 心無い月影の言葉が俺の心を斬りつける。


「あんた、 この歳でスパイごっこは無いわ」


「スパイごっこじゃねーよ! 本当に警戒してんだよ! お前もちゃんと確認しろよ!」


「はいはい」


俺は周知に打ち震える。


スパイさながら。とか思いながら周囲を確認してた俺の心は恥ずかしさの絶頂にいた。


「よし、 誰もいない。 進みましょう」


「は? ここで迎え撃つわよ」


月影の言葉に俺は耳を疑った。


「え? 敵!?」


「分かんない、 けど校門出てからずっと視線を感じる。 多分つけられてる」


「マジかよ……」


「は? あんた気づいてなかったの?」


「は、はい……」


「これだから、 スパイごっこは」


「やめてください」


そんな会話の中、 クスクスと後ろから笑い声が聞こえてきた。


「やっばり誰かいる、 出てきなさい!」


月影が叫ぶと、 柱の後ろから小学生くらいの少年が現れた。


「すみません、 2人が帰る姿が見えたので」


「は? 私たち、 小学校の前は通ってないわよ」


「あなた達の会話は教室に居た時から、 ずっと聞いていました」


「 ─────!!」


このガキ…… 教室からずっと。って言いやがったぞ、 さっそくか……


「月影さん! こいつは異能力者だ!」


「分かってるわよ、 さっさと殺す」


その言葉に少年は涙ぐみながら、 慌てた様子で激しいジェスチャーと共に話し始めた。


「ちょっと待って! 私は味方! 2人と同じクラスだよ!」


「クラスメイトに小学生がいた記憶はないわ」


「それは私の能力で!」


そう言い放つと、 少年は白い光に包まれた。


「 ───────!!!! 」


光が消えて、 俺たちの目の前に立ち尽くしていたのは、 小学生ではなく美少女だった。


この子は…… 魔王に質問していた女の子。


肩より少し長い黒髪、 くりっとした瞳が特徴の女の子。姿を見るのは2度目だが、 彼女の胸はやはり悲しいものである。


貧乳ではあるが、 誰が見ても彼女は美少女である。


「あなた、 魔王に質問してたペチャパイよね?」


「 ───ぺちゃ!? は、 はい」


月影の心無い言葉に反論する事なく、 彼女はグッと堪えている。


「え、えっと…… 自己紹介の時も姿は見てないんだけど……」


俺は慌てて話を進める。


「自己紹介の時はまた別の姿でしたので」


「別の?」


ポカンとした表情の俺たちを見て、 彼女は苦笑いする。


「歩きながら話しましょう」


「あ、あぁ」


「私の名前は、 霧雨薫(きりさめ かおる)です」


「 ─────ふぇ!?」


妹ヒロインみてーな声出ちまったじゃねーか。


そう、 霧雨薫。


その名前に俺は聞き覚えがある。


最高の席順。 ラノベの主人公感溢れる席。


俺はあの時の喜びを忘れない。


俺はあの喜びが絶望感に変わった事を忘れない。


忘れられない。


窓側、 後ろから2番目の席である俺の後ろに座るデブ。


彼の名前は霧雨薫。


デブの名前は霧雨薫。


俺の目の前にいる美少女の名前も霧雨薫。


意味がわからん。


「霧雨さんって、 僕の後ろの席の?」


「うん、 そうだよ」


「じゃ、じゃあ…… 僕の席の後ろはデブではなく、霧雨さんってこと?」


「どっちも霧雨だけど…… 本当の姿は今の姿」


「ありがとございます」


「なんのお礼?」


嬉しくて涙が出そうだ。



俺は本当に素晴らしい席順だったらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ