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選ばれることなき4つ目の選択肢。

是非読んでみてください!

良ければブックマークや評価等お願いします!

俺は、月影乙衣(つきかげ めい)との共闘を断るために脳をフル回転させる。


そのタイミングで俺の脳内では、 レトロゲーム風のBGMが流れ始めた。


⓵ 正直に俺の異能力を伝える。


② そのまま嘘の異能力を信じ込ませておく。


③ また別の異能力だと思わせる。


こんな感じだろう。


⓵ 正直に伝えても良いが、 噂が広がって面倒ごとに巻き込まれるのもヤダな……


ぶっちゃけ、 俺は戦わなくても良いわけだし。


のんびりと高校生活を謳歌したいが、 殺し合い(デスゲーム)の行わらてる学校では青春もクソもなさそうだが……


けど、 こんな学校でも恋愛学園コメディー展開を期待したいから本当のことは伝えないでおこう。



② は無理そうだな。


だって呪いとか使えないし!


てか、 怖ッ! 呪いとか怖ッ!


絶対にすぐバレるだろうし無理だな。



③ は我ながら良い案だと思う。


普通にコレがいいだろ。


あいつバカだし。


けど、 どんな能力が使えるって嘘つくか……


あんまり目立たない、 それに使い勝手も対して良くない能力がいい!


難点は見せてみろって言われた時だ。


実際に考えると出てこね……


俺の異能力は不死身


その名の通り不死身である。


詳しく説明すると、 不老不死って訳でもない。


歳はもちろんとるし、 寿命がきたら俺は死ぬ。


俺の寿命が後どれくらいかは分からない。


俺は歳をとり、 老衰するしか死ぬ方法はない。


どんな攻撃をされても死ぬことはない。


痛みもない。


仮に腕や足を切られても直ぐに治る。


正直、 俺はこのデスゲームに居てはいけない存在だと思う。


これではゲームが成立しない。


俺が何もせずに勝利するってのも無理な話だ。


3年以内に他クラス全員を殺さないとゲームオーバー


俺も自分の寿命を把握してないし、 長期戦は不可能


けど、 俺は不死身なだけで戦う能力がない。


つまり、 魔王(あいて)も満足しないだろうし、俺も手詰まり状態。


最悪だ。


詰み状態だ。


なら、 俺は今を楽しむって選択肢を選ぶ。


俺はこの短い学園生活をのんびりと謳歌する。


だから、 月影に俺は戦力にならないと思わせなきゃいけない。


戦わない、回復系……


高速再生


俺はハッと閃いた。



「悪い月影さん、 俺の能力は呪いなんかじゃない」


「は? 」


月影はキョトンとした表情で不思議そうに首をかしげる。


いちいち可愛い表情しやがって……あざとい


「ほんとは俺、 回復系の能力なんだよ……」


「は? だってあんた、 さっき呪いの能力を私にかけたって」


「かけてないし、 言ってない」


「 ──────なっ! 私を騙したわねッ!!」


「いや、 月影さんが勝手に勘違いを……」


って、 訳でもないのか……


「殺す」


小さな声で彼女はとんでもないことを囁いた。


「 ──────ん!? 」


俺は先程の月影さんの表情を真似て可愛らしく、 首を傾げてみる。


「私が言った言葉は撤回させてもらうわ」


完全に月影(コイツ)を怒らせてしまっただろうけど、 これで協力しなくて済む。


「わ、わかった…… じゃ、 俺はこれで……」


「は? 待ちなさい!」


「なんでしょうか……?」


「撤回するのは、 協力しないかって私があんたを誘ったこと」


「だから俺はもう……」


「強制よ! あんたは今日から私の舎弟」


とんでもないワードが彼女の口から出てきた。


驚きで目ん玉飛び出るところだったぞ!


「舎弟ですか……?」


「そうよ、 私が間違ってた。 卑怯者のあんたごときに下手に出た私が! これは誘いじゃない、 命令よ」


「そんな滅茶苦茶な!」


「黙りなさい! あんた回復系って言ったわよね? ロクに戦えないんでしょ?」


グーの根もでない。


「は、はい」


「なら、 大人しく言うこと聞きなさい」


なんでこーなった!?


おかしいだろ!


なんで俺が舎弟になるって話になってんだよ!


あの海女……


自分の能力に自信があるのか知らねーが、 俺が回復系と聞いた瞬間、 偉そうに……


そういえば、 月影の能力ってどんな能力だ?


そうだ、 俺は月影さんの能力もまだ知らない。


死ぬことはなくても、 ここで抵抗するのは危険だ。


ならここは一旦、 月影の言う事を聞くしかないか。


くそ…… 屈辱だ、 俺を腫れ物扱いした上に舎弟にするだと!?


俺じゃなかったら速攻で殺してるな。


そんな屈辱を胸に、俺は彼女の舎弟になった。


そして、 俺の脳内では4つ目の選択肢が浮かんでいた。


④ 月影乙衣を殺す。



しかし、 嬉しそうに笑みを浮かべる月影の姿を俺は見てしまった。


一息ついて考える。


俺は甘い。


憎たらしいが……


4つ目の選択肢が選ばれる事はないだろう。



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