表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/96

苦難の下校道

良ければブックマーク等よろしくお願いします。

──── 下校


俺はまだ教室に残っている。


俺だけじゃない、 かなり多くの生徒がいまだに教室に居座っている。


多分、 ここに残ってる奴らは皆んな同じことを考えている。


この学校のルール


9時〜17時までは校内戦闘禁止

23時〜7時までは校外での戦闘禁止


このルールは、 この学校に入学した時点で適用されている。


なら、 17時〜23時までの時間は戦闘が許可される。


この学校内でも戦闘は許可されるし、 校外でも許されてる時間。


それは余りにも危険な時間帯である。


ここでクラスメイトと離れて帰宅するにはリスクが高い。


家までの距離は電車なら10分、 バスなら15分、 徒歩なら1時間30分くらいだろうか。


当然、 他クラスの奴らやクラスメイトがどこに住んでいるかも俺は知らない。


生徒宅への攻撃が禁止されているから、 家にさえ帰れば安全は保証されるが……


俺たち1年は4階の教室、 2年は3階、 3年は2階、 1階が職員室等の別室となっているこの学校で1年が真っ先に校門を出て行くのは難しい。


だが、 何人かは既に帰宅していた。


不知火(しらぬい)姉弟は自己紹介の時と同様に、 自信満々な様子で帰宅。


そして、 中谷の腰巾着である宮城健(みやしろ けん)も既に帰宅していた。


先程の件で宮城は精神的にも追い詰められているのだろう。


下校のチャイムと同時に、 自己紹介時に教えていた脚力強化を使い、 凄まじい速度で走っていった。


爽やかイケメンである中谷晴矢(なかたに はるや)はと言うと、 重い表情でずっと無言で席に座ったままである。


黒崎や高橋はカバンは置いてあるが、 教室内には居ない。


そして俺はと言うと……


現在、お隣の席である 月影乙衣(つきかげ めい)となぜか話をしている。


先程の光景は、 もちろん月影も見ていた。


そのせいか、 その前までの大罪をすっかり忘れている様子であった。


だが俺は忘れない、 入学早々に腫れ物扱いさせた罪は重いぞ。


しかし、 下校チャイムが鳴り終わった後、 彼女から直接話しかけてきたのである。


「なんだよ……」


「あんた、 どこに住んでるの?」


完全にそれ、 不審者の発言だぞ……


「どこって…… ここがどこかもよく分かってないんだぞ」


「は? そんなの私も知らないわよ、 今はあんたの部屋番号は何番か聞いてるなよ!」


「なんでお前、 俺がマンションって知ったんだよ!」


「は? バカにしてんの? プリントに書いてあったじゃない!」


「プリント……」


俺は最初に受け取ったプリントを取り出した。


そして気づいた。


お恥ずかしことに、 裏にもまだ書いてあった……



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



【学園の周辺都市について】

この都市は円形であり、 その中心に建っているのが最英学園(さいえいがくえん)である。

一学年は北に位置するFirstファースト-Regionレギオン

二学年は東に位置するSecondセカンド-Regionレギオン

三学年は西に位置するthirdサード-Regionレギオン

この3つの地域に分けられている。

各学年ごとの地域に住宅を置くこと。


【住宅について】

住宅はクラスごとに同一のマンションに住んでもらう。

(各自の部屋を用意する)

入学式の翌日から引っ越し可能。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


かなり重要なとこ読まないでいたんだな……


横でピリピリした様子で月影が睨みつけてくる。


「けど、 これなら上級生には合わなそうだな」


「は?バカなの? 自宅が他の地域にあるからこっちには来ないなんて有り得ない、 絶対に上級生は経験の浅い私たち1年を狙ってくる」


「ですよね……」


「だから、 対策会議をするために、 あんたの部屋番号を聞いてんのよ!」


「俺の部屋でやるの?」


「そうよ、 なに? 私の部屋にあんたを入れる気なんてないわよ、 スケベ」


「そんなこと言ってないだろ……」


「うるさい、 スケベ」


「でも、 一ついいですか月影さん……」


「なによ?」


「そもそも、 家で作戦会議する前に、 今はどうやって家まで帰るかでは……?」


その言葉を聞いた瞬間、 月影はリンゴのように真っ赤に頬を赤らめている。


うん、 コイツはポンコツだ。


「とりあえず、 マンションまでは同じなんだし、 皆んなと一緒に帰ればいいんじゃないか?」


「それじゃ目立ちすぎ、 かといって少人数で移動するのも危険」


「なら、 スゲー強い異能力者を誘って、 少人数で帰えるってのはどうだ?」


「 ─────!! あんた、 もしかして天才!? 」


うん、言われても全く嬉しくない。


そして、 もう一度言わせてもらおう。


コイツはポンコツだ。


「そうじゃない! 忘れてたわ! あんたも相手を呪い殺す。最強の能力持ってるじゃない!」


「 ─────は? 」


俺は完全に忘れていた。


月影コイツに変な勘違いをされている事を……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ