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幼女魔王による入学式

初めての投稿です。

拙作ですがお付き合いいただけると幸いです。

すごーく困ったことがある。



え? 何に困っているかって?



聞いてくれ。 俺・・・不死身なのにデスゲームに参加させられたんだけど!




──── 話はさかのぼる



俺は、人智を超えた特殊な力を持つ者、『異能力者』ってやつに選ばれたらしい。



ちょ! 痛々しい目で見る前に弁明させてくれ。



最初に異能力者と分かった時は、他人とは違う選ばれた人間だ! って天狗になったよ。



まぁ、 現実は甘くない。 お決まりの流れだろう。



ふたを開けてみれば、 異能力者って呼ばれるやつらは一定数以上すでに存在していたからだ。



聞かされた時はショックだった……



異能力は5年前に突如としてその身に宿った力だ。

また、 驚くことに異能力をその身に宿らせた者は皆、16歳の時であるとも判明している。



俺は現在16歳、 今年になって突如、 異能力を手に入れた。



しかしながら…… 俺の能力は使い道があるかすら怪しい物なのだ。



異能力者の俺は、 国家命令とやらで4月から通うはずだった高校を取り消されたあげく、 よく分からん場所のよく知らない高校に連れてこられた。




──── そして現在



体育館に並べられた椅子に座り、どこぞのお偉いさんの長ったらしいテンプレ文を聞かされる。



ここまでは理解できる、 ここまでは……



うたた寝していた俺の耳に飛び込んできたのは、幼い女の子の声であった。



俺は重いまぶたを薄っすらと開き、 ステージへ目線を寄せた。



そこに佇んでいた少女、 いや幼女は満面の笑みでマイクを握りしめていたのだ。



「なんの冗談だよ……」



つい小声で呟いてしまった。



だが俺の声など全く聞こえる余地などなかった、体育館内は絶賛笑いの渦にみまわれているからだ。



「なにぃ笑ってるんじゃ!!!」



ぷくっと頬を膨らませて、甲高い声で叫ぶ幼女の姿は微笑ましかった。



なんだこの状況…… 夢? 夢だよな? 『元校長のワシが異世界転生したら幼女でした!』的な夢だよね?



ガシャ!っという音とともに笑い声が一瞬で消えた。



その威圧に俺もハッと目を覚ました。



そのまま、 恐る恐るに周りを見回してゆくと



軍服を身にまとった兵士達が、数人の生徒達の頭へ拳銃を突きつけている光景が目に映った。



そして、ステージ上にスーツを着た目つきの悪い男が登壇してきた。



「静かにしてくれて助かる、 そのまま魔王様の話を聞くように」



そりゃ……拳銃向けられたらな・・・

って! 魔王!?



男はそう伝えるとカーテンの袖裏へと姿を消した。



「コホン! わしは魔王ッ! 苦しゅうない〜! 」



その場にいた生徒みんながホッコリとした気持ちになった。



拳銃を向けられいる状況ではあったが、体育館は和やかな雰囲気が漂っていた。



「ワシは神の依頼の元、 人類を滅亡させる予定じゃ! それがお勤めだからなッ! 」



皆がそうだね。っといった様子で優しく頷く。



「が、 ただ滅ぼしてもつまらんじゃろ? じゃからワシらは閃いたのじゃ! 殺し合いデスゲームをしてもらおうと! 」



幼女が殺し合いデスゲームなどと言うものだから流石に驚いた。



そのどよめきと共に、先程のスーツ姿の男が袖裏からまたも現れた。


「これは国も認める事実だ、お前たちにはこれから

殺し合いをしてもらう」



「『 ─────!!!!! 』」



「ふざけたこと抜かしてんじゃねーぞゴラッ! 」



このざわめきの中、 ひときわ声を荒げて席を立ち上がった男がいた。



こっわ…… まぁ、 いきなり拳銃向けられたり、 殺し合いするとか言われたら怒り出すやつも現れるか。



「動くな! 」



銃口が一斉に立ち上がった男に向けられた。



「テメェら、 異能力者の俺にそんなもん効くと思ってんのかゴラッ! 」



動揺したのか、その言葉に銃口を向けていた兵士達は少しすくんだように見えた。



「そうカッカしないで、 少し落ち着いたらどうですか? 」



そう囁きながら、 席を立ち上がったのは1人の女子生徒だった。



見た目は綺麗な黒髪ロング、 黒いカーディガンの下からでも分かる主張の強い胸、 おまけに黒タイツ姿

まさしく美少女である。



学年知らないけど、下級生からの人気が高そうな綺麗な先輩って感じの印象だ。



「んだゴラッ! 」



「お可愛い魔王様も、 ステージ上の彼も嘘は付いていません」



「誰だか知んねーけどよォ! テメェーの言葉を信じる理由がねぇ! 」



その通りである。 彼女の言葉にはソースがない。

ましてや、信じる信じない以前にこんな急展開に

はいはいと同意できる者はいないだろう。



「根拠はあります。 私の能力は嘘を見破り、 真実を見抜く能力ですので」



「 ─────!」



ここにいる生徒は皆、 異能力者である。

だからこそ、 誰も馬鹿にしたり否定したりする者はいない。



先程まで激怒していた男も少しは冷静になったのか、大きく深呼吸をした。



「わあったよ! 怒鳴ってすまなかったな! 」


「いえいえ、 こちらも言葉足らずでしたので」



「ワシの話を聞かんか〜! 」



自称魔王の幼女がぷくっと膨れた顔で叫ぶ。



「すみません魔王様、どうぞ続きを」



彼女はそう言い放ち、 そっと席へ着席した。

まだ納得がいかない様子に見えたが、 渋々男も席に着いた。



「コホン! え〜ワシは神が誤って授けてしまった異能現象を収縮せよと神に依頼され、 この地に限界した! 今後、神々の脅威になられても困るとのことじゃ! 」



おいおい、 この幼女何言ってんだ? 頭がパンクしそうだ…… さっきも言ったが、 信じる信じないではなく状況理解に苦しむ。



「質問があります」



幼女のたわいごとを真剣に聞き入れた上で 、1人の女子生徒は質問のために挙手をした。



肩より少し長い黒髪、 くりっとした瞳が特徴の女性だ。 ついでに付け足すと、さっきの生徒を凝視してしまったせいか彼女の胸は悲しすぎるものであった。

けど、 先程の生徒に負けず劣らずの美少女であることは間違えない。



「なんじゃ? 」


キョトンっとしたこれまた頭の悪そうな表情で魔王は返事を返した。



「私たちが本当に殺し合いを始めると思いますか?」



鋭い質問だ。皆が考えていたであろう疑問を代弁してくれて感謝するぜ、 貧乳美少女!



「そなたらが殺し合いデスゲームを始めない場合は、お前ら自身が消滅するぞ!」



「もし最後まで勝ち抜いたら?」


彼女は続けざまに質問した。



「その者の命も助かるし、世界も助かるぞ!」


「ありがとうございます」



大雑把な回答ではあったが、納得したのか彼女は席に座った。



「ワシはこれで失礼する! 皆頑張ってくれ〜! 」



テクテクと幼い魔王は降壇していった。



ほんと、 何が起きてんだよ……


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