用語説明
擬神創機
全高および全長20m程の機械兵器群の総称、その多くは人型をしており、作中世界では特異兵器=擬神創機。起動前の待機状態では全長6m、直径約1.5m程の巨大な杖を思わせる形状をしており、巨大航空搬送機によって戦闘領域へと輸送され投下される。起動前状態では自力での移動を行う事は出来ない。戦闘領域への投下後、循環真素を纏い半径30m程の球状結界“基礎神性結界”を展開、物理法則を無視して結界を物質化し、編みこんで装甲と化し機体を形成する。搭乗した奏者により機体形状の細部は変化するので、同じ擬神創機であっても機体によってはまるで印象の違う場合がある。
神性存在の宿っていない基礎状態ではすべて同一の杖の形状をしているが、初期起動の際、神性存在が宿ると同時にそれぞれの宿した神性の特徴を色濃く顕した形状へと物理法則を無視して変貌する。
とうに廃れた旧来の魔術を用いて建造された鋼鉄製の人の形をした魔法の杖。現代の世界に神の御業、擬神術を現出させる兵器。一機につき一柱、神性存在の魂の複製である分御霊を宿している。
駆動状態で機体の周囲に自動展開される神性結界により通常兵器はほぼ通用せず、辛うじて効果が見られるのは電磁投射砲を用いた高速徹甲弾くらいだが、それでも致命傷を与えることは出来ない。そのため、擬神創機に対抗する為には擬神創機を用いるしか方法はない。
核、BC兵器を用いた攻撃に関しては完全無効化され、戦闘区域の自然環境を汚染させるのみである上、世界中の主要国は首都圏に擬神創機の技術を転用した拠点防衛結界を張り巡らしていることから完全に廃れた兵器となっている。そのうえ、擬神創機は機体にもよるがそれらの兵器より強大な破壊力を持つことも珍しくない。
内蔵電源はあるものの操縦席=エンジンであり、戦闘時など駆動状態では奏者の存在が真素変換を行わない限り指一本も可動させることは出来ない。
“異真素変性症発症者”
自然界には顕れる事のない不自然な色や輝きを伴う毛髪や瞳を持ち、超越能力といえる異能を持つに至った者達。自らの体内真素を用いて、世界に満ちる自然真素を循環真素へと変換し魔法じみた異能を振るう。これと同様の現象を増幅する形で擬神創機はそれぞれの擬神術を行使する為、素養を持たない者は擬神創機を動かすことが出来ない。異能に関しては個々に様々な能力を持ち、強固で強力なものから取るに足らず役に立たないものまで存在する。
擬神創機奏者
擬神創機操縦者の総称、全ての者が異真素変性症発症者である。しかし、その異能の多くは擬神創機に搭乗することで等しく災厄と呼べるほどのものへと昇華されるが、擬神創機を起動させると神性存在に精神を侵蝕され自己を保つ事が難しくなり、人格改編や性格豹変、多重人格症状や統合失調症などがみられるようになる。
“HAR”などの主神クラスの神性存在を宿した機体では、奏者への侵食率が高すぎる事から、数度の起動で奏者を自我崩壊させるものもある。そうした機体においては最も適合率の高い異真素変性症発症者の体細胞複製体を造り、元の個体の複製記憶を入力した上で運用され、消耗品の様に消費されることもある。