表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山吹紅葉は生徒会長! ―前世は中世に生きた魔女―  作者: 冷水
第一章:生徒会長。二学期~
17/23

少しだけ変化した関係 (3)


 買い物に出かけても、結局はいつもの場所に落ち着いたりする。遊びに行くのが目的でも、それは変わらない。


「この場所で良かったの?」

「学校が反対側だから、あんまり行く機会なくて」

 私がいつも利用しているショッピングモールに来た。見慣れているので、代わり映えしない景色が広がっている。

 個人的には、この場所であれば学生証も使えるので、現金が少なくなってきた今は嬉しかった。

「あのお店が見たいけど、いい?」

「柚希が行きたい場所に付いていくから」

 私は二歩下がった位置で、柚希の背中を見つめる。そろそろ秋物の服が欲しいと言っていて、中学生らしくカジュアルなお店を選び、秋服のコーナーを探し始めた。

「これ、似合うかな?」

 柚希が選んだ服はどことなく白と黒が多くて、普段の私を意識しているように思えた。

 予算的には、柚希は何着も買える訳ではなく、似合っていない服を買わせるのは気が引けた。

 この子の素晴らしいところは、私と違って笑顔が素敵なところである。似合うとすれば、元気そうなイメージが強い黄色なんて良さそうだった。


「上着はこっちの……薄い黄色のカーディガンなんてどうかしら」

「着てみるね」

 サイズは大きめで、少しだけ(そで)の部分が余り気味だった。内側に着るシャツが大きめで、そのサイズに合うように選んだのだ。ボタンは()めずに前は開いたままで、羽織るように着てもらった。

「似合ってる」

 元気そうで可愛らしい見た目となって、とてもよく似合っていた。先程のようなゴシックを意識した組み合わせだけは、柚希のイメージと違ってしまうので却下する。

「悪くはないんだけど、お姉ちゃんみたいなのが良い」

「それは駄目」

 さすがに柚希と出かけるときは、浮かないように心がけた。それでも、白をベースに黒い羽織りを着て、ワンポイントに青を入れた服装なので、ゴシックに似た雰囲気ではある。

 柚希は格好良くて可愛いと褒めてくれるが、この趣味に妹を巻き込むことは出来なかった。

「趣味は自由だけど、これだけは駄目よ。貴女には、もっと温かみのある可愛い服を着て欲しい。その方が似合うし、なにより柚希のそういう所が好きだから。分かった?」

「……うん。分かった。そこまで私の事を想ってくれてたなんて、嬉しい!」

 あれ? 予想していた反応と違う。

「今回は、選んでくれたこの服を買うね。ありがとう、お姉ちゃん!」

 そう言うと、柚希は会計へ向かって行った。最初に入ったお店で服を買ってしまって、この後はどうするのだろうか。

 せめて、いくつか見て回って、欲しい服を決めても良かったのではないか。


---

 その後、何件か似たようなお店を回り、文房具店や本屋に入って時間を潰した。

 柚希は買い物はしなかったが、私と一緒に見て回れるのが楽しいと言っていた。それなら、来た意味もあったと思う。


「お昼は私の(おご)りで良いから、好きなものを頼みなさい」

「ちゃんとお金は残してあるから、自分で買えるよ?」

 中学生が持っているお金なんて、たかが知れている。私達の家庭は月あたり二千円がお小遣いなので、あまり使わなくてもさっき買った服と、これから行くカラオケの代金を考えると厳しいと思う。

 ただでさえ、私よりこまめにお金を使う柚希は、それほど持っていないと思われる。


「姉らしく、見栄(みえ)を張らせて欲しいのよ」

「分かった。お姉ちゃん、ありがとう」

 お昼は少しだけ豪華なものを食べた。誰かと一緒に食べる食事は、とても美味しく感じられた。


----



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ